あんた、まるいもの好きだね~♪

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■TAMIYA ソーラー工作シリーズNO.1/ソーラーカー工作基本セット(ITEM 76001)製作記

2024-04-10 22:08:37 | ホビー(模型・ガンプラ)

 キッカケはこの商品を店頭で見てからです。

▲現行品は、ソーラー工作シリーズ No.12(Item No:76012)。

 古くて動かない商品を、在庫を掃かせようと値引きしていたみたいです。

 どっかでも書きましたが、じぶんは幼い頃に同社の他のソーラーカーKITを作った時に、「無から有とはこのことだ」、「なんのエネルギー源もないのに太陽光ひとつでクルマがコロコロっと動く!」、ということにもの凄い感動と衝撃を受け、そこからソーラーパネルには心奪われたままです。

 ですから、自宅の屋根にも載っけています。どうせ採算取れないのは百も承知で。

 施行当日も業者に「いや〜、ECOですよねー」とか見当違いなことを言われたので、「ただの趣味ですよ、趣味」「いつか自分の家を持つことがあったら必ずソーラーパネル載せるんだ、と心に決めてましたので」と言ったら奇異の目で見られ、驚かれました。

 まあ、そうですよね……。ただの変人。

 だって、正確にはパネル作るのに何をどれだけ浪費してるのか、だし、パネルの耐用年数もある。屋根に穴開けるので保証も対象外になる(雨漏りの危険性は一気に増す)、あまりの激風だと捲れる、耐用年数過ぎると有害な液漏れや発火も起こりうる、などなど。相当に高性能化は果たしていますが、最初から最後までトータルで見たら「ECOなの?」って当たり前に考えます。

 現に、千葉で大事になった台風の年のどっちかでパネル、いくつか端が捲れましたからね。あの年は、どこもかしこもトラブったらしいです。ただ、この点は瓦屋根だろうとトタン屋根だろうと飛んでいくし、ともすれば家屋それ自体が飛んでいくので「それ言い出したらキリがない」というひともいるみたいですね。

 あと、うち、PHEVがないので蓄電とか融通ができない。アウトランダーは良いクルマでしたけどね。見た目ほど全長がないのにも驚きました。さすが、国産車。

 ちな、土地が広大に余っている米国では天候に左右される太陽光より地熱が相変わらず手堅いそうです。しかも、今は発電して蓄電する方が多く、実情は作った分、無駄に垂れ流し。自宅のパネルもそうですが、交流/直流の関係か、そのまんまは使えないんですよね。出力の関係もある? 米国では電気大量消費分野で、まだその変換器に割り割く資金の余裕がなく、導入が遅れているそうです。

 将来的には環境が揃えば蓄電池の性能向上もあって、机上の空論では100%まかなえるとか。おー、まるで軌道エレベーターと宇宙太陽光発電みたい。まあ、それってやっぱり化石燃料大国にとっては火種になりますけどね。戦争がなくなって干上がったジルクスタンみたく。

 ステイツは風力発電の為に洋上に浮かべてる、とも聞くし。送電網の銅価格考えたら採算取れるの? って思いますけど。マイクロウェーブとかデュートリオンビーム送電システムでも採用してるのかな?

 とまあ、脱線しましたが、その最初に触ったソーラーカーKITはこれですね。

▲TAMIYA ソーラーミニチュアシリーズ No.1 1/50 京セラ ブルーイーグル(Item No:76501)

 全長 112 ㍉と、超ちっちゃいです。1992年の製品みたいです。なので、最短だとその年に触れたのかと。当時価格は知りませんが、よく2千円も出せたなー、と驚いています(うちは小遣いが存在しなかった)。

 

 仕様は、こんな。

 

▲0.5 V - 300 mA 仕様のソーラー “ バッテリー ” 搭載。最大電圧が 0.5 V で、電流は 0.3 A 。

 

▲照度は、8万ルクス以上が推奨のようです。

 このルクス、ってのも注目ですね。よく他に、ルーメン、カンデラ、という用語が出てきますが、それぞれかなり指すものが違うのですよね。ライトやらランタンやら、使用用途によって使い分けや注目値が異なります。

 純粋に「眩しい!」は取り敢えずはルクスでよいかと。「バルス!!」「目がぁ〜、眼がぁぁ〜〜!

 

 今回のモデルは、こんな。

▲0.5 V - 1,500 mA 仕様のソーラー “ バッテリー ” 。最大電圧は同じ 0.5 V で、電流は 1.2 A 。

 面積が広い分、出力高し。

▲TAMIYAに拠れば、太陽の光は地表近くにはこのくらいの強さで届くよう。

 

 おもしろいことに、太陽光パネルが初めて家屋に設置されたのが1992年、翌年に販売開始された、という資料があります。

 この、<ソーラー工作シリーズNO.1/ソーラーカー工作基本セット>は “ 1991年製 ” なので、丁度、日本国内で『ソーラー発電』というものが注目された黎明期だったのかもしれません。(和暦は平成3年)

▲あなた、そこそこ昔からやって来たのね。北の国からかなにか? (観たことないんですが、調べたら放映年度、1981年でした。さらに10年前かい!)

 

 ほいで、ようやく色々お披露目。(すまんのぉ〜、脱線しまくって……。ソーラーが好きなんじゃよ)

 


 その件のKITが気になって仕方がなく、「どうしようかな~」と考えていたある日、別の場所でジャンク品に出会いました。

▲ある意味、僥倖とも言える。

 別に、「ジャンク」と言ってもレジで検品は出来るので、予め中にどんな物が入ってそうなのかをTAMIYAのサイトで見てから、もう一度、リサイクル屋に足を運んで検品。

 揃ってそうなので、我が家にそのジャンク品の方をお迎えしました。

▲まあ、年相応の傷みはあります。

▲値段は当時から据え置きみたい。

▲《金具袋詰》などの台紙はホチキスが取れていましたが、他は開封もされてなく、完品。

 ただし、ゴムで出来ているタイヤは怖い。でも、いいの。TAMIYAはゴム類は未だに部品注文で買えることを、モータライズ戦車で散々、知っていますから。

 


▲さあ、作業するゾ☆

 ハンダゴテはまったく関係ありません。使用頻度が高いので、出しっぱなしなことが多いだけです。

▲モーターは、おそらくソーラー発電でも動く仕様なのかと。RF-270RH 、の表記。

 左上の『m』はマブチモーターですかね? 知り合いが障がい者枠で採用が決まって、両親も喜んだと以前、聞きました。人混みとか電車がNGで、クルマ通勤できるのも助かる〜、って言ってました。いい会社なのかな?

▲おもしろいのが、コレ。ギヤ比を変える為の治具で、なくさないよう、本体に取り付けておける秀逸設計。

▲こんな感じで車体右側面にくっ付けておける。

▲懸案のゴムタイヤ。

 結論から言うと、いきてました。多少、怪しい粉は吹いてましたが精製水で拭いておきました。(Oh! ニポンゴムツカシイ ワタシクニカエル!)

 


 さてさて、古い製品(デッドストック品)なので、ハードルはありましたよ。

 ホイールを繋ぐシャフトの回転接触部に、最近までのミニ四駆でも現役だった “ はとめ ” が採用されています。

 しか〜し、1991年からどのように保管されていたかは不明ですし、別に真空密閉されていた訳ではないので、それなりにガビガビです。

 おそらくは真鍮製だとは思うので亜鉛と銅の合金製で、腐食に強く鉄錆が出ない、という特性があります。管楽器も、もちろんその材質による響きも採用理由のひとつとは思いますが、錆びにくさも利点かと。加工性も良いですしね。

▲必要なのは4つ。

 ただし、合金である以上、配合率によっては無敵ではありません。メッキかなにかしらの仕上げでも施さない限り酸化はどうしたってするので、それで変色や表面に凹凸が出来ているのだと思います。

 さらに、驚くことに本KITはミニ四駆準拠のはとめ仕様なので、それをミニ四駆用のベアリングに置き換えることができます!

▲ボールベアリングもOKよ!

 おー、つまり、ひょっとすると『アレ』も使えちゃうかもしれないんですね。

 ミニ四駆に対して儚いソーラー発電ですから、そりゃ抵抗は少ないほど少ないのが理想。まして、回転部なんて、もろに “ 走り ” に影響します。

 それを表すのが、この製品はいっさいの油脂を使わないことです。ミニ四駆でも脱脂が主流ですが、油分は『潤滑』の役目も果たす一方で、種類や粘度によってはそれなりの抵抗になります。しかも、酸化したり加熱されることでどんどんと本来の効果を失い、ただただ硬化していく。流れにくいグリスに至ってはゴミを寄せ付けるので、それが細部に噛み込んで摩耗を早めるマイナス面もあります。シールドベアリングといえど、メンテナンスしないひとはいっそ、Non油脂のほうがいいかもしれません。

 ということで、グリスは付属しません。自前で塗布する分にはいいとは思いますけど(それにはちょっと理由があります。そのうちに)。

 しか〜し、それじゃぁ、当時物KITを買って作る意味がないのです!!

 ベアリングに差し替えられるこの部分は後で入れ替え作業をすることも可能なので、まずはメーカー標準部品で、しかも当時物で仕上げてみたい。

 との理由で、このガビガビのはとめをそのまんま使いました。

▲サンドブラスターなんて持ってないし、近所に持ってるひといるけど仲悪い。サウンドブラスターじゃないゾ☆

▲これは前輪用回転部。

 ただ〜し! 『妖怪パーツ隠し』ってのはどのお宅にも居るもんなんですよ。誰の身体にも<やる気スイッチ>があるのと同様で。きっと、座敷童子よりも確率高い。

 ごちゃごちゃやっているうちに、後輪回転部に使う部品を一個、すっ飛ばしました! TAMIYAってね、昔から「ないと困る」っていうスモールパーツは必ず1個多めに入ってるんです。

 そりゃ、そうですよね。多い分には問題なく作れますが、ひとつでも足りなければ作業はそこで中断。怒りのTEL📞がじゃんじゃん掛かってきちゃいます。そんなのが頻発すればブランドイメージ低下は免れませんし、上場してるかは知りませんが株価にだって影響あるでしょう。

 なら、余計に部品入っちゃってもいいや、足りないよりか遥かにいい。その分、コスト増でもイメージダウン代考えたら、よっぽど安い、というまっとうな判断がはたらいているんでしょうね。古くから。

 まあ、もしかしたらかつて痛い目遭っているのかもしれませんが……。

 それで、「隠された」パーツがコレ。

 コイツはその「多めに入れとこ🎶」の対象外…… Ω\ζ°)チーン

 幸いにミニ四駆でも使っているパーツに近似していたので、部品ケースから充てがってみました。

▲こういうスモールパーツの整理は、役立つことあります。

 結果的にまるで一緒のようだったので、色は変わっちゃいますが黒いミニ四駆の部品を一箇所だけ使いました。セーフ ( ´Д`)=3

▲そんなこんなで組めたシャーシ部。(シャシーとか小うるさいこと言うな。嫌われるゾ☆)

 


 とッころが〜、とっコロが〜♪、この後、結構な問題が待ち構えていました。これは設計上の問題だと思うので、現行品でも改善はされてないかもしれません。

 それが、この部分。

▲ソーラーバッテリー(光電池/こうでんち)基部をシャーシに止める箇所。

 ここは、上のボール側に 7 ㍉ のOリングが嵌まり、受け側はプラスチック部品を 3 × 8 ㍉ のタッピングビスで圧着する構造になっています。

 ところがどっこい。まずに、この 3 × 8 ㍉ タッピングビスの締め込みが恐ろしく硬い。

 取説ではしれっと、「プラスドライバー(中)ね」、なんて書いてありますが、アタマが余程適切で、また握る柄もガッチリちからの入る物でないとお手上げになります。

▲じぶんが使ったのは、一旦、コレ。

 しかも、「まあこれくらいが適切よね〜」と思っても、“ ふつ〜 ” の締め込みだと、ソーラーパネルがそこそこの大きさあるだけに、グラグラします。その為のOリングの筈なのですが、まるで仕事してません。

 ちなみに、放置劣化でOリングが駄目になってる、ということはありません。確認ずみです。

 それを追い込もうとマイナスドライバーまで投入して扼すると、今度はプラスチック側が悲鳴を上げ始めます。

▲ストレスで白化しているのが確認できる。

▲ 3 × 8 ㍉ タッピングビスのあまりの攻撃に、どちら側も音を上げている。

 ボールジョイントなどの緩みを一時的に抑える、パーマネントマット バーニッシュ(Liquitex)などを、スポイトで滴下しておくとよいかもしれません。(赤矢印部。持ってるけどそこまではやらなかった)

 あれ、乾くまではダバダバなのでほんと、少量ね♬

 

 そんなートラブルはありましたが、仕上げはモータとパネルの結線。

 この部分はねー、互いを撚り合わして同梱のゴムチューブに押し込んで包み込むだけ、という親切設計。金具もカシメもはんだも一切、必要なし。

 車両の特性上、劣悪環境で走らすことはまずないのでこれでいいし、よく考えられてるなー、と感心しました。

 


 さあ、『製作記』なのでここまでが長いのは当然なので気にしませんが、ようやくの完成状態です👏🎊👏

▲これだって立派なカーなので、自車の凶悪バンパーに乗っけてみた。

▲ハイオク燃費 6.8 ㌖ / 1 ㍑ の空冷車と、理論上クリーンなソーラーカーのアンバランスコラボw

▲う〜ん、精悍なルックス。コイツは後ろからが映えます。後輪サイズは、55 × 3.5 。

▲シチサンではないですが、前から〜。フロントタイヤは、36 × 3.5 。ゴムが無事でヨカツターε-(´∀`*)ホッ

 


テスト走行動画はこちら。

【ショート 完全電池レス。太陽光のみで動いてます!! タミヤ tamiya ソーラーカー工作 基本セット】

https://youtube.com/shorts/tcX8eRteGow?si=p2NrfnUvjuOUQ-b5 ショートなのでリンクから飛んで✈

 

【撮りっぱなし TAMIYA ソーラー工作シリーズNO.1/ソーラーカー工作基本セット(ITEM 76001)】

 環境音のみでスマン……。

 

【直進モード TAMIYA ソーラー工作シリーズNO.1/ソーラーカー工作基本セット(ITEM 76001)】

 一番ローの< 1 番ギヤー>でこのスピードってどうなの? お陰で予定より早く到達点に達してしまい回収w

 

 このKITは先述の治具で、ギヤ比を変えることが出来ます。基本の今の状態が、3.4:1 。

 2 番のギヤーが、2.2:1 。超速の 3 番のギヤーが、1.7:1 。その分、トルクはなくなる計算です。それぞれ、モータの位置を変えながら、共通の B3パーツ ギヤーを裏返したりして比率を変えます。ミニ四駆みたく、都度都度ギヤその物をまったく別の部品に変える必要はありません。

 スゲー、って思うかもしれませんが、これ、昔の金属製ギヤBOX採用のモータライズ戦車プラモデルの時代からTAMIYAは採用している機構なのですよね。頭いいとは思いますが。

▲昔〜、むかし、その昔、『2段変速ギヤーボックス』というのがあったとな。音はうるさいがALL金属で、バリバリの耐久性を誇り高トルクにうってつけだったのじゃ👴 なぁ、婆さんや🍵

 ま、現状、ギヤーを変えることはないですね。これ以上速くなったら、収拾付きません。真夏のカンカン照りならイケるのでは? と考えるかもしれませんが、そこは落とし穴。ソーラーパネルってのは、熱を帯びると発電効率が落ちるんです。ですから、最も発電するのは夏至前後です。日照時間も長い。真夏、ましてや近年の灼熱化に於いては、ガクッと発電効率は落ちます。この辺り、ブレイクスルーがない限り、これからの時代にはそぐわない発電技術になってしまうんですよね。

 

 でも、ペロブスカイト型太陽電池という今、この分野で最右翼の技術があるので、こいつの問題がほぼクリアされれば、太陽光発電によるエネルギー供給量はまた次のステージに上がると思います。まあこれも、最初から最後まで見た場合のシミュレートを充分にする必要はありますけどね。なんにでもうまい話、ってのはありませんから。

 それと、最初のショート動画で動作がプツッと止まってそこでCUTしていますが、これは本KITのステアリング機構に起因しています。

▲問題の箇所。

 ここにラッチのような溝が設けられているのですが、嵌合があまりに弱く、保持力が弱い。内側に切れ角が強くなる程、このセレクターのような溝に負荷が増すので、運が悪いと溝を飛び越えて前輪が 90 ° 近くになって、STOPしてしまう。

 ここも例によって 3 × 8 ㍉ タッピングビスを使うのですが、感触としてTAMIYAはプラスチックに打つねじの造詣がいつも足りません。ミニ四駆でも散々泣かされています。ある種、社風なのでしょうね。だいたい、プラスチックにビスを打つなって。おかしいだろ。

 

 現行品はシャーシがクリアブルーになっているので、もしかしたら素材が変わっているかもしれません。

 まあ、クリアパーツは極端にブヨブヨするか、連続した衝撃に弱い(破断しちゃう)のパターンが多いので、さてどうか……。

 
 
 

 

 ちなみに、先に上げたミニソーラーカーもコレも、パネルは一般的な結晶シリコンモジュールだと勝手に想像してます。扱いが結構繊細なのでガラス基板薄膜モジュールかなー、とも思ったのですが多結晶タイプらしいので。

 太陽光変換効率がめちゃくちゃ良いパネルの登場が期待されます。なにせ世間では核融合炉も間近、とも聞きますし。

 
 
 

 

 なお、本作、都合で夜半から作り始めて明け方までにどうにか完成させました。ここまで突貫で作ったプラモデルは後にも先にもこれっきり。

 それだけ、本KITが優秀とも言えるんですが。作るだけならスムーズかもしれないんだけど、ちょろっと塗装もしたからねー。もう嫌。

 

 あとあと、忘れていました。このKITにはこんな機能があります。

▲アンカーみたいのをソーラーパネル全面に挿し込む。

 ここに影が出ないようするのがもっともパネルに垂直に当たっていることになるのです。日時計みたいなもんですね。

▲この状態がパネルに「一番」太陽光が真っ向から当たっている。

 よく考えられてますよね。

 ただですねー、ちょいと走行再開をしたら困ったことになりました。それについてはあらためて。

 
 
 
 

 

 

やかん


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