カサカサの感想ハダで備忘を保てるか

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合唱の指揮を頼まれた(5)

2014-11-03 02:57:08 | 合唱の指揮を頼まれた
練習の開始


8月29日(金)

そうこうして、とにかくPTAは敵だ、というようなイメージを伝えられつつ、初回の練習をむかえた。

練習は19時半から20時半までの60分、本番当日にも練習したとしても12回の練習。何度も書くが合唱など嫌で、できれば3回くらいの練習でよいとか1発本番で良いなどと抜かす恥ずかしい大人の上に、合唱や音楽の経験が日常にない集団である。どう考えても時間が足りない。

この日はまず、初回ということでPTA会長が挨拶した。意気揚々と交歓会に向けて頑張りましょうということや、外から先生をお迎えしましたということと、何より、「栄光の架け橋」を選曲しましたということを語った。自分の希望が通ったから上機嫌だったのであろうか。

その後、我々技術スタッフが一言ずつ挨拶して、練習・・・のつもりだったが、この時点で約30分を費やした。何か声を出すなら、発声の練習をレクチャーしてやってみようと思っていたが、合唱担当が練習用CDをコピーして作成してきたのでそれを配布した。

合唱担当夫妻は、練習用音源や楽譜の予備PDFを手に入れやすくするように、合唱用の期間限定Webサイトを作成して、いつでも音を聴けるようにしていた。

それでも携帯電話やスマートフォンでうまくアクセスできないとか、音源ファイルの扱いがわからない人(というより、そう言っていちゃもんをつけてくる人)のためにCDも焼いた。その作業など1枚つくるもの30枚つくるのも同じなので、人数分作って配布した。

CDを配布するときにも教養部の人が、
「なんでこんなもん作ったの。作らんでええって言ったでしょ。」
とクレームをつけてきたそうである。

合唱で、CDで、ということに限らず、とにかく気を利かして良かれと思ってちょっと仕事をすると、「そんなことすると私たちも手伝ってしなくちゃいけなくなるでしょ、仕事が増えるからやめてよ」というのが常日頃の態度であるらしい。

この日初めてCDを渡した上、Webサイトの連絡もここできちんと説明しているようなので、この人たちは全く曲を聴いたことがない状態である。そこで、残り時間は、みんなでそのCDを聴きながら、私が譜面の順序をレクチャーして時間いっぱいになった。

まず驚いたことは、多くの父兄が楽譜の記号を追えなかったことである。これで、パート譜を各自がまともにさらってこれる期待度は当初より相当に下がった。

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