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自発動

2020年03月18日 | 健康増進
自発動
神道では、古来「振魂(ふるたま)」と呼ばれる現象がある。これは合掌した手 から動きが始まり、全身が痙攣状態になり、自分の意志とは無関係に身体が 勝手に動くことをいう。なんらかの「霊」乗り移るため、ともいわれており、「霊 動」という言葉も使われる。多くの新興宗教でも、巫女や教組が全身を痙攣さ せ、霊が乗り移ったと称することがある。「気功」のトレーニングを行なってい ると、この現象はひんぱんに経験する。自分の意志と無関係に身体が動くこ とから、「自発動」とか、「自発功」とか、「自発動功」とか呼ばれている。多くの 流派で、この現象をシレーニングの中に積極的に取り入れている(流派によ っては、「自発動」を避けるように指導しているのもある)。なぜこういう現象が 起きるのか、という説明は、流派によって異なるが、おおむね身体の部分部 分のリラクス度のアンバランスから生じるとしている。

「気功法」のトレーニン グは、身体と精神を徹底的にリラックスさせる。そうすると、身体の中の「気」 のめぐりが良くなり、身体の外へ「気」を発射できるようになり、宇宙を満たし ている「気」と交流できるようになる、と教えている。「気功法」では、身体をリ ラックスすることを「放松(ほうしょう)」と呼ぶ。これは、単なる弛緩を意味する のではない。立っていても、座っていても、ビシッと姿勢は正しく、それでいて どこにも余分な力が入っていず、体全体がゆるんで調和がとれた状態をさ す。これは、通常の日常生活でのリラックスとは、まったく違う境地であり、あ りとあらゆる手段を用いて徹底的に身体をゆるめる必要がある。その途中段 階において、ゆるんだ部分と、まだゆるまない部分のアンバランスが運動を 引き起こす、と説明している。そして、この運動により、まだゆるんでいない部 分が、ゆるんでいく。だから「放松」にとって、この「自発動」は大切なのだとい う。