台湾大好き

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氣の威力b

2020年03月27日 | 健康増進
氣の威力b
メルビン博士との対話
1974年、私はカリフォルニア州立フラトン大学で、サマースクールの講義を6週間ほど行なった。ラトン大学では心理学と並んで「キ・ディベロープメント・インスティテュート」という科目を新設してくれたのだ。心理学科は心だけを説き、体育学科は身体のみを説く。人間は本来「心身一如」、すなわち心と身体は一つのものである。それを無理に心理学と体育学に分けるから問題が解決しないのであって、「心身統一科」をつくらなければいけないというのが私の持論であった。日本の大学ではどこも耳を貸さなかったが、アメリカではハワイ大学、ポートランドのルイスアンドクラーク大学が注目し、フラトン大学ではついに前述の新学科の設置に踏み切ったのだ。「キ・ディベロープメント・インスティテュート」のキは「氣」である。講習会には学生だけでなく、医者、弁護士、大学教授など300人あまりの人々が参加してくれた。遠くダコタ州のダコタ大学心理学教授のテーリー・ガンター博士、ジョージ・ブリード博士、フィラデルフィアのペンシルベニア大学物理学のメール・メルビン教授、フラトン大学の哲学教授スティーブ・サイモン博士や、ラウサン・ツアイ心理学教授も熱心に聴講しに来てくれた。

ツアイ教授は、犬と猫とネズミを飼育して共同生活させるという実験をし、ライフ誌に大きく取り上げられ、猫とネズミのような宿敵同士でも平和に共存・生活ができるのに、人類はなぜ平和に共存できないのかと説き、ノーベル賞候補にまであがった方である。私は昼休みの一時間を利用して、参加者とさまざまな質疑応答をした。そのとき、物理学教授のメルビン博士が次のような質問をしてきた。「先生、音や光は数字で表せますが、氣を数字で現れますか。また、表した人はいるのですか」「できます。表した人もいます」「それは誰ですか」「私です」私が笑顔で答えると、会場は笑いにつつまれたが、メルビン教授は真剣な表情を崩さなかった。「では、どうやって表すか教えていただけますか」「数字はまず一を仮定しますね。一を仮定しなければ数字は成り立ちません」「おっしるとおりです」「その一が問題です。宇宙も一なら、人間も一、石ころも一です。いまここに一があるとします。これを二分一にしても、その二分一の一自体は一です。これを無限に二分の一にしながら追っていったらゼロになりますか」「ゼロにはなりません」「この一はどこまでさかのぼっても一、つまり無限小の一です。この無限に小なるものの無限の集まりを総称して「氣」というのです」皆私の答えに拍手を送ってくれた。たしかに数学的説明には違いないというわけである。これを般若心経では「色即是空、空即是色」といっている。お経にすると難しいが、数学にすると子供でもわかる。メルビン教授は「無限では計算に困る」と盛んに首をかしげていたので、会場は再び笑いにつつまれた。