2021年8月6日、金曜日、晴。山行は今日が最終日だ。立山で汗を流してから帰ろうと3時半過ぎに起きる。4時15分、表に出てみると今日も良い天気になりそうだ。剱の上に月が出ている。
朝の弁当ができる、食堂で食べる人にはナスの味噌汁付きで有難い。
4時45分、小屋を出発。あと30分も待てば剱岳から日が昇るというがそれまでは待てない。立山で汗を流してから帰りたい。この時間になると大日岳も明るい。
大日平山荘まで標高差600m強の下りだ。はじめは山腹をトラバース気味に緩やかな下りだ。
10分ほど下ると灌木の切れ目から、眼下に弥陀ヶ原・大日平が見える。右の山は薬師岳だ。中央奥の山並みは水晶、鷲羽、三俣蓮華だろうか。まったく自信はない。
20分強下ると、右手から沢音が聞こえてくるようになり、ジグザクの下りになる。
30分も下ると、左端に豆粒のようなものが見える。大日平山荘だろう。
ジグザクに下る道は幾度となく小さな沢を渡り返す。
一時間近く下ると豆粒のようなものも山小屋とはっきりわかるようになる。が高度感はあるのでまだまだ下らねば。
出発してちょうど一時間の5時45分、ガレ場に着いてこの日初の道標を見る。ほぼ中間地点だ。
ここから20分ほど下ると弥陀ヶ原・大日平を眼下に、やや緩やかな下りとなる。
さらに10分ほど下ると笹に囲まれた木道になる。
6時22分大日平山荘の手前のゆるやかな登りになる。一番右の鞍部が大日小屋辺りだろう。
急な下りを終えて緊張も解けて、静寂の大日平に癒され歩く。
池塘の周りのワタスゲにも癒される。
6時33分大日平山荘に着く。泊り客は見当たらない。今回の山行では白馬山荘、朝日小屋、剱沢小屋以外はどこも閑散としていた。
道標を確認して、
朝日を背に受け、大日平を称名滝へと下る。登山口まで標高差700mだが、本格的な下りは牛ノ首からだろう。
7時7分最初の登山者に会う。軽装なので大日平までの方かな。
7時15分木道はなくなり梯子が現れる。ここから先が牛ノ首だろう。想像するに痩せ尾根なのだろう。
梯子を下りてしばらく下ると、年配のご婦人に会う。雷鳥平・室堂まで1日で行くというなんと健脚なことか。ここから先は痩せ尾根で滑りやすいから気を付けてといわれた。その通り痩せた道だ。大日平でゆるんだ気持ちを引き締める。
7時33分牛ノ首の難所、梯子の下りだ。高校山岳部15人で渋滞だ。まだまだ手間取りそうでこちらに道を譲ってくれた。
梯子を下ったところに牛ノ首の道標。朽ちかけているがスリップ要注意と読める。
ここから先も滑りやすいジグザクの道で、登山者とのすれ違いは、足場の良いところで待たねばならぬ。
7時50分猿ヶ馬場まで下る。登山口は近いかなとGPSを確認すると、まだまだ先は長い。
8時13分大きな振れ幅のジグザク道に代わってきた。
道の様子も少し変わってきた。
と思いながら数分も歩くと8時33分目の前に舗装道路が突然現れた。大日岳登山口だ。左に行けば称名滝。
いざ称名滝へ。
目の前に滝が作り出す霧が見えてきた。
8時45分、今回の山行の締めくくり称名滝に着く。逆光だ。称名滝に訪れるなら昼から午後だね。
展望台から。何故かあまり感動なし。TVで見すぎたからか?
滝を後にして、称名滝のバス停に9時33分着く。8日間の行程を終え無事下山。
コロナ禍で県外への不要不急の移動は控えようと云われている。我々はこれから戻らねばならぬ県を幾つも跨いで帰らねばならぬ。ならば立山から太郎平に出て槍ヶ岳から大キレットに行くかな(冗談ですよ、半分本気)。
今日の行程、
大日小屋4:45-5:45中間点道標-6:33大日平山荘6:41-8:33大日岳登山口-8:45称名滝9:15-9:33バス停10:00=バス10:15=地鉄=立山駅
名古屋からの夜行バスは金曜日とあって臨時便も出て2台とも満員でした。それでも途中乗り降りがないから少し安心かな。
立山駅で立寄り湯に入ろうとしたら、コロナで皆休業中。そこで富山駅手前の不二越駅前の満天の湯に行くことに。岩峅寺で乗換えるのだが待ち合わせが40分もある。富山駅から戻ったほうが早いのではと思い富山に出ると、なんとこちらも40分待ち。急がば回れだった。Mさんとは新幹線で鹿児島まで行くと云って富山で別れる。満天の湯、本当に満点でした。富山からの高速バスで飲んだビールは最高でした。もうグビッ、グビッ、グビッ、プファー。
それにして今回の山行は天候に恵まれた。一度もレインウェアを着ることはなかった。雨に2回見舞われたが間一髪で小屋に到着してからの雨だ。猿倉と白馬は夜中に降った。やはり山登りは天気が一番だね。2番は小屋の飯かな。
来年はどこに登ろうかな。