2021年8月4日、水曜日、晴。今回の山行で最も緊張する行程だ。日が昇れば雲が湧くのも早いから、3時30分に起床。前夜手配した朝食の助六弁当を食べる。多かったけど荷物が増えるのは嫌だからすべて食べた。4時33分うす暗い中を出発。昨日のペースで登れば8時30分には山頂に着くだろう。


5時を回ると左手(北)の毛勝三山が明るくなる。

右手(南)の別山、剱御前、奥大日岳(右)には頂に陽が射し始めた。

もちろん足元はハイマツ帯なのですっかり明るく、歩くのに支障はない。

40分近く登ると、小屋もだいぶ下に見えるようになる。朝もやで富山市街までは見通せない。

5時25分2400mの標識に着く。


5時48分山頂が見通せるところまで登ってきた。剱岳らしくなってきた。

右手に薬師岳の頂が見え始めた。

5時59分鎖のかかる最初の岩場を見て、ヘルメットを着ける。

岩を登り上がったと思ったら、鉄筋の足場が待ち受けていた。いよいよ難所の始まりか。

と思ったが、まだまだ朝の景色を楽しめながら登れる道だ。

左手毛勝三山の右奥に見えるのは、右端が白馬岳ではなかろうかそのすぐ左が旭岳、中央右のなだらかな山が朝日岳かな。まったく自信がない。手前は、左の赤谷山から白ハゲへの山並みだろう。

振返れば、早月小屋との間に小ピークが2つになって、豆粒のような赤い屋根が見えるだけだ。富山市街がうっすらと分かる。

6時22分2600の標識に着く。


右手の大日岳の山並みとほぼ同じ高さだ。

小窓尾根のマッチ箱が目の前だ。

またちょっと怖いところの通過だ。

草地にはマツムシソウとチシマキキョウ?が見られますよ。


先の岩場から10分ほど歩くとまた岩場だ。

早月尾根は2600mを超えてもまだ草付きの尾根が続くのだ。

左手の毛勝三山の眺めがいいですね。こちらからはもう完全に見下ろす高さですね。

7時24分、いよいよ岩場の始まりですかね。



7時34分結構登ってきましたね。富山市街地と富山湾をぐるっと囲む能登半島が見えますよ。ここまで登ると痩せ尾根ですね。ちょっとだけ足がすくみますね。

7時37分2800の標識に着く。前剱とほぼ同じ高さだ。山頂も見えました。あと1時間で山頂だ。



つかの間の稜線歩きだ。気持ちいいですね。


我等よりだいぶ早く出発した富山の親子は軽装で登りもう下ってきた。

山頂を見るが登山者は見えませんね。あの裏なのでしょうね。

右前方に別山、立山、浄土山、剱御前、室堂地獄谷、奥大日岳。
奥に薬師岳、左に黒部五郎か、その左のトンガリ山は笠ヶ岳かな?いい眺めですね、前回登った時にはガスっていて景色はなかったからこの眺望感激ですね。

白馬岳もいいですね。右は杓子岳で左は旭岳、左端が朝日岳でしょうか?

8時2分あと30分で山頂だ。が急登が待ち受けますね。

急登を越すと8時3分ついに現れましたアルプス横断レース(TV)で見た山頂直下の鎖場。怖いですね。



これを越えると次は下りの鎖。


この後も次々と難所が現れる。


別山尾根と違い同じルートを使うので下る人に道を譲る、8時27分。

じっくり下を眺めたらなんと早月小屋がここから見えました。右中央の白丸の左。


8時31分、別山尾根ルートとの分岐に着く。すごい眺めですね、またまた感動だ。別山、立山、剱沢、室堂、薬師岳。剱沢小屋も見える。別山尾根の登山者も見える。

奥大日から大日岳は眼下だ。

富山市街も丸見えだ。

山頂の祠は目前だ。Kさんもうすぐだよ~!


8時40分剱岳に着く。20人ほどの登山者が居る。

この時間でも山頂からの眺めは、早くも雲が湧いてきて遠くは、西以外は視界不良。


登ってしまえば後は下るだけなのでたっぷりと休憩して9時30分下山開始。まずはカニの横這いに向かう。剱にもガスがかかり始めた。9時50分カニの横這いの鎖場に着く。慎重のうえにも慎重だ。少し渋滞。

ここの一歩は、まず右足を靴一足分の岩棚に置くことから始まる。絶壁ですよー!左足を置くと次の右足を出すのが少し窮屈になる(吾輩が経験者)。

横這いから鎖でさらに下ると、

次は長ーい垂直梯子。


続いてまた鎖で下降。

5分も歩かずに次は平蔵のコル。



平蔵のコルはここだけ登りと下山が共通になるので譲り合い。この集団は全員ハーネスを着けている。

平蔵のコルと隣り合わせの平蔵の頭に登り返す。


登ったと思ったら下る。

10時20分下り終わるとほぼ難所は終わる。難所は終わるが気を抜いてはいけない。転べばガレ場なので大けがだ。意外と難所よりガレ場のけがが多いいといわれる。つい難所を終え気を抜いてしまうのだ。

足場の良いところまで歩いて山頂を仰ぎ見る。

10時44分、前剱の門を登り、

10時56分前剱に着く。剱岳はガスに包まれた。

ここから一服剱までの下りは急坂のガレ場なので要注意だ。剣山荘が真下に見える。


12時一服剱まで下ると剣山相は指呼の間だ。

一番の鎖場を12時25分に通り、

12時33分剣山荘に着く。ヘルメットを脱ぎ、小屋前で流しっぱなしの水を頂く。栂海山荘に少し分けてあげたいね。もう登りも下りもないから、ゆったりと剱沢小屋に向かう。

雪渓を渡り、

13時13分剱沢小屋に着く。

剱岳の山頂からの眺望に感動した1日でした。
今日の行程、
早月小屋4:33-5:25二四5:39-6:22二六6:31-7:37二八-8:40剱岳(昼食)9:30-10:56前剱11:10-12:00一服剱12:15-12:33剣山荘12:43-13:13剱沢小屋

今日の剱沢小屋はほぼ満員だそうだ。ここと、剣山荘は雪渓の水が豊富にあるから温水シャワーがあるのだ。早速浴びてすっきり。布団も不織布のカバーが被せてあるから夜も快適。夕食はメンチカツとエビフライだ。
夕食後ガスが切れる。

剱沢の先に見える後立山あたりのこの山は、白馬鑓(左)から不帰ノ嶮・唐松岳か。

明日は、鹿児島のMさんと剱御前小屋で合流して大日岳だ。