2023年5月3日、水曜日、晴。45年振りに祖母傾山の縦走をしてみたくなる。ソロの予定であったが急遽同行者が現われ心強い。ソロの時は45年前と同じ神原か傾山登山口からの入山も考えたが、車が2台になったので障子岩登山口(健男社)から入り傾山登山口に下ることにした。
前夜道の駅原尻の滝に泊まり、朝4時に出発し傾山登山口に5時前に着いたが駐車場は満車。フェンス横に何とか1台駐車でき、下山時の健男社までの戻りが楽になった。健男社まで戻り、登山口手前の広い路上脇に駐車。6時10分出発。
健男社の50m手前まで5分ほど歩くと、右手に障子登山口の道標を見てこの側道を取る。
数分も登らぬうちに左手に登山ポストを見る。登山届を出そうとすると同行者が既に出して来たと云うのでパス(実はこのポストの場所が健男社と繋がっていたのをすっかり忘れていて健男社経由が出来ず。同行者の方すみません)
側道を上り詰め、左に砂防提を見て、6時30分急勾配の登り植林帯に入る。
植林帯を数分で抜け出すと次は鹿ネット沿いに、これまた急勾配の樹林帯の登りに。
沢を渡ったりしながら樹林帯を1時間ほど登ると、
目立つポイントが無い登りだったが、7時41分左手に大岩の壁を見る。
さらに30分弱登ると、8時6分左手に視界が開けた所に出た。おそらく左の山が傾山ではないかな?
暫く山腹を歩くと8時25分尾根に出たような感になる。地形図ではこの手前で南に下る道があったのだが、全く気付かなかった。
8時40分、国調三角点のある岩場の展望地に出ると、
左手に傾山(左手)からの祖母山側への山並みを望むことが出来る。今回の山行ルートはU字型を成し、左頂点に健男社、底部に祖母山、右頂点に傾山がある。今日は左手に祖母から傾の山並みを見ることになる。
正面に見えるのは大障子岩のピークだろうか。
8時50分黒岩山に着く。何の標識もない。
ここから暫くの間、一息つける緩やかな下りと登りが続く。
緩やかな登りが終わり、急勾配の登りを10分強続けると、
9時35分前障子岳の分岐に着く。前障子岳の頂はここからピストンだ。目の前の牛首のような岩場を10mほど登ると、
右手に九重連山や由布岳が見える。
そして前障子岳の難所の岩登りだ。両側に切れ落ちているから3点支持で慎重に。
岩場を抜けて、灌木帯を登り上がれば9時46分前障子岳の山頂に着く。
難所の岩場を下るのは登りよりさらに要注意だ。
分岐に戻り、大障子岩へ向かう。見えるピークをすべて越えるかと云えば、山頂手前のピークは全て巻くのだが、山襞に沿って結構なアップダウンを強いられる。
ピークを巻く鞍部から眺める祖母山の姿。この辺りまでのシャクナゲやアケボノツツジは峠を越えた感だ。
11時32分大障子岩の分岐を見て、昼飯を我慢しながらのキツイキツイ登りが終えた。
分岐から1分でアケボノツツジが咲き誇る大障子岩に11時34分着く。やっと昼飯にありつける。
胸突き八丁を終えて眺める祖母山(右)、障子岳、古祖母山の眺めは格別だ。手前の台地は池の原。
大障子岩から八丁越への下りは急峻で5mほどの鎖場もある。下る途中で挨拶したトレランの方に、九合目小屋の混み具合を訊ねると、今日は祖母山の山開きで大勢の人出だが、日帰りの方が多そうだったと。傾山登山口の駐車場が混んでいたので、小屋の混み具合が気がかりだったので少し安堵。
下り終わって、大障子岩山頂を眺めれば、つい先ほど会ったトレランの方が立っている。すごい速さだ、きつかっただけに羨ましい。
12時22分尾平からの道を合わせる八丁越へ着く。
この辺りから林には陽差しがふんだんに差し込む。心和む新緑の稜線歩きだ。
散りかけたシャクナゲが無くなり、赤い蕾も混じる見頃のものになって来た。
そして、12時58分ナイフリッジ鹿の背が突然現れる。短いが緊張するね。
鹿の背を通過して、池の原の台地に入れば平坦な歩きになり、
13時22分三角点のある池の原展望所に着く。アケボノツツジが山腹を彩る。ここまで登ればもう急登は無く、足取りも軽くなる。
眼下に尾平の宿が見える。宿の上に尾平越の鞍部。鞍部の左上に見える遠景の山並みは五葉岳・大崩山の大崩山系だろう。
30分強緩やかに下り登り返して行くと、14時4分左から尾平の道を合わせる宮原に着く。
ここまで登れば九合目小屋まで1時間強だ。緩やかに登る林に白く点々と咲くのはオオカメノキの花で、稜線のアケボノツツジは今が見頃だ。山開きもこの時期に合わせたのだろう。
左前方に見えるのは古祖母山(左)、障子岳だろう。
大障子岩までの疲れを忘れ、花を楽しみ歩みを進めると、15時山腹を彩るアケボノツツジの中に九合目小屋の屋根を見る、もう指呼の間だ。
しかし、痩せ尾根もあるので気を抜いては歩けない。
痩せ尾根を抜けて、同行者が見つけた今日一のアケボノツツジの眺めだ。青空に映えるね。
15時17分、小屋下のテン場を抜けて、
15時23分、九合目小屋に到着。心配した山小屋の混み具合は10人程度の宿泊者で杞憂に終わる。水場は1分ほどの近くにあり、バイオトイレも小屋内に。無人小屋だがソーラーによる照明や毛布の備えもあるなど、至れり尽くせりの小屋だ。以前は有料であったが今は無料だ。45年前の小屋とは隔世の感だ。維持管理に感謝。
予定より1時間遅れで小屋に到着したが、出発時刻が1時間早かったので、小屋到着時刻は予定通りであった。荷物が重い分、大障子岩までの登りで予定以上の時間を要したが、予定そのものが日帰り荷物の時のものだからこの程度は許容範囲だろう。この日の祖母山登頂は気力体力伴わず。夕刻には明日の縦走路にかかる滝雲景色のプレゼント。
夜半から雨風の音が聞こえ始める。
今日の行程(10.8km、累積上り1830m、下り582m)、
障子登山口6:15-8:50黒岩山-9:46前障子岩-11:34大障子岩(昼食)11:54-12:22八丁越-13:22池の原-14:04宮原14:13-15-23九合目小屋