地震発生直後に73基すべて停止
風車のブレード(羽根)が折れて落下!
報道によれば、石川県能登地方で稼働している73基の風力発電施設すべてが、能登半島地震で運転を停止した。風車のブレードが折れて落下したほか、施設を動かす電源が使えなくなるなどした。施設の半数超で運転の見通しが立っておらず、能登で進む風力発電の大規模な新設計画への影響は避けられない。
◆ブレードが折れて落下した原因は不明
ブレードに被害があったのは少なくとも2基で、志賀町富来地域の風車のブレード1枚が折れて、一部が地上に落下した。珠洲市ではブレード1枚が破損した。いずれも原因はわかっていない。そのほか、強い揺れで自動停止したり、施設を動かす電源が使えなくなったりして、運転停止した施設もあった。日本風力エネルギー学会によると、大型風力発電施設が地震で大きな被害を受けた事例は少なく、過去の事例は鉄塔や基礎の損傷で、ブレードが損傷した例はないという。地元住民団体「能登の風力発電を考える会なたうち」は2月中旬、七尾市にある10基の施設を視察。変電設備が傾いたり、発電施設の基礎と地面の間にすき間ができたりしていたという。
◆設置計画の見直しは必至
能登地方では風力発電の設置計画が多く、2月末時点で181基の環境影響評価(アセス)の手続きが進んでいる。これらの計画に市民団体などは、「開発行為で山の保水能力が低下、土砂崩れや川の氾濫を招く恐れがある」などと、中止や見直しを求めている。能登半島地震では強い揺れだけでなく、津波や地盤隆起、大規模な土砂崩れが相次ぎ、懸念の声が強まるのは避けられない。
~地震・津波は洋上風車をなぎ倒す?~
一方、建設が進む北九州市若松区沖の響灘洋上風力発電25基は、能登半島地震のような地震と津波に対しては、どの程度まで耐えられるのでしょうか。まず海底地盤の振動やずれによって、風車タワーが傾き、発生した津波は沿岸に近づくほど大きくなるため、離岸距離数キロの洋上風車がなぎ倒され、津波と一緒に陸上に押し寄せる・・・など、想像したくないですね。福岡県沖の海底活断層も不気味です。
洋上風力発電のような巨大な海洋構造物については、津波の影響を考慮する設計方法は確立されていない状況のようです(※)。つまり洋上風力発電の耐震設計法は確立されていないということになります。であるならば、現在建設中の響灘の洋上風車は地震・津波に対しては大丈夫とは言えないことになりはしませんか? そんな心配をするより、建設工事を中止してもらったほうが沿岸に住む住民の皆さんには安心でしょう。大きな海原の向こうには白島の男島と女島、東側には藍島や馬島と、北九州市では稀な島嶼景観を大切にしたいですね。無機質な巨大風車は似つかわしくないでしょう。(※)防災推進機構理事長:鈴木猛康氏講演資料より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます