配慮が必要なのは漁業だけではない!
It is not only the fishing industry that needs to be taken into consideration!
福岡県宗像市、岡垣町、芦屋町、北九州市沖の響灘に、洋上風力発電促進区域指定を目論む福岡県は、今、関係する漁業協同組合と協議を進めています。まずは漁協との協議が進まなければ準備段階から有望段階に進めないからです。しかし、そこには自然環境や人の健康、景観などの影響は後回し、今の段階では協議する必要がないと思っているのでしょう。
そこで、本日(2月3日)福岡県「県民の声」に下記の要望を送りました。
Requests were sent to Fukuoka Prefecture “Prefectural Citizens' Voice”
<要望>
漁協との協議を進めると同時に、洋上風力発電が鳥類に与える影響や景観、健康問題について、識者・専門家、保護団体、沿岸住民との協議を進める必要があります。
福岡県としては、促進区域に指定され、事業者からの計画が出れば、環境アセス手続きで自然環境などへの影響低減を図ることになると主張するでしょうが、我が国では洋上風力発電による影響の知見が乏しいため、懸念されることが多く、出来るだけ早い機会に、予想される様々な影響を把握しておくことが重要です。漁業との協議に併せて、並行して協議を進めるべきです。
現在の環境アセスについては、形骸化が著しく、環境審査会委員や市民からの厳しい意見は、ただ聴くだけに留めるという事業者のスタンスであり、「検討します」「参考意見として聴いておきます」が常態化しています。調査のやり直しや計画の見直しなどは全く意に介していません。また、不十分な調査や過去のデータに頼るなど、事業者自らが責任を持てる調査は実施しないで済むなら実施しないという事業者の考え方のようです。さらに、鳥類への影響を例に上げれば、影響軽減について実効性ある対策は皆無であるにもかかわらず、「影響は小さい」の結論に向けての環境アセスとなっています。そのいい事例が現在北九州市若松沖で建設工事中の着床式洋上風力発電25基の事業です。まさに事業者にとって環境アセスは、単なる手続きと化しています。
国内の事例においても、不十分な調査が多く、データ改ざん疑惑もあるなど、面倒な環境アセスを手早く済ませてしまおうという、事業者の意図が見えます。また、住民への説明も丁寧さに欠けるなど、紛糾事例も少なくありません。
よって、戦略的アセスの観点から、至急鳥類をはじめとする野生生物への影響や、岡垣町から芦屋町につづく「三里松原」(玄海国定公園)の景観への影響、沿岸住民への低周波音による健康への影響など、至急協議を始めることを要望します。
このブログをご覧のみなさま、ご賛同いただける方は、下記の福岡県「県民の声」にご意見を送っていただくようお願い致します。懸念材料が盛りだくさんの洋上風力発電でありながら、促進区域指定に奔走する福岡県に一言物申してください。懸念しているのは北九州からだけではないことを知ってもらわなければです。私たち会以外にも多くの人が、洋上風力発電が引き起こす影響を懸念し、注視していることを知ってもらわなければです。県外の方も意見を送ることができます。回答を求めることもできます。よろしくお願いいたします。
Dear readers of this blog, please send your opinions to Fukuoka Prefecture “Prefectural Citizen's Voice”!
福岡県「県民の声」クリック→HARPフォーム受付
※当該海域に生息する海鳥などの調査データは、過去に北九州市がゾーニングを試みたときのデータがあるだけのようです。それもカモメ類が多く渡来する冬期には調査されていません。この調査が不十分であることは北九州市も認めており、改めて詳細な調査を望んでいます。福岡県はこの不十分な調査データしか把握していないため、福岡県独自に精度の高い調査を実施することを、今後求めていかなければなりません。
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