テレビとうさん

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「死亡率」 と 「死亡率指数」 ②

2021年05月13日 | 統計
 均質化した母集団から任意に取り出した「部分集合(標本)」は、母集団の特徴を全て受け継いでいますが、標本を完全に引き離すとその規模が小さくなる以外に、全体からの影響(相互作用)が無くなり、総てが「等価」とは言えなくなります。

 つまり、引き剥がされた標本による統計調査を、全体として敷衍する事には注意深さが必要になり、例えば日本人は全体的に均質化・平準化された民族で、小さな集団なら何処を取り出しても「大人しい」など同じような特徴を見ることが出来ますが、これを母集団に戻すと「他の県民に対して排他的」になったり、「一億総火の玉」に成ったりします。

 それは兎も角、「武漢肺炎」の統計を扱う場合の、私のブログでの定義を書きます。

感染者(数):PCR検査でのCT値が32以下の陽性確認者(ここでは扱わない)。
感染率(%):(過去に感染した実人数/総人口)X100(ここでは扱わない)。

陽性者(数):PCR検査での陽性確認者で、各国のCT値は不定(凡そ25~45)。
死亡者(数):WHOの通達により、死因に拠らず陽性者が死亡した場合。
陽性率   :百万人当りの累計陽性者数(再陽性者も追加加算)。
死亡率   :百万人当りの累計死亡者数(この場合は一人1回のみww)。

人口密度  :平方キロメートル当りの人口。

致死率(%):(死亡者数/陽性者数)X100
死亡率指数δ:死亡率/人口密度

接種回数  :百人当たりのワクチン接種回数(2回接種の場合は200回まで)。


 中国を例に計算すると、

中国  :中国共産党が主張する、現時点の支配地域。
人口  :1,400百万人
面積  :9,597,000平方Km
人口密度:146

陽性者数:68,158人(当局が確認しない場合は対象外)
死亡者数: 4,512人(当局が確認しない場合は対象外)
致死率 :  6.62%

陽性率 :48.7
死亡率 : 3.22

δ   : 0.022

接種回数:20.7

です。同様に各国の値を地域、人口密度順に書くと、

国名    :人口密度 致死率   死亡率    δ  接種回数

全世界   :  53 2.08  420  7.92   15.6

モンゴル  :   2 0.37   51 25.5    54.5 
ロシア   :   9 2.30  760 84.6    14.4
アルゼンチン:  16 2.13 1482 92.6    18.7
スウェーデン:  23 2.78 1978 79.2    33.9
アメリカ  :  34 1.78 1773 52.1    75.2
南ア    :  49 3.45  937 19.1     0.6
メキシコ  :  65 9.26 1695 26.1    15.2
スペイン  :  93 2.21 1684 18.1    38.1
トルコ   : 107 0.85  507  4.74   28.9
フランス  : 118 1.83 1676 14.2    34.8
インドネシア: 142 2.74  171  1.20    7.6
中国    : 146 6.62    3  0.022  20.7
イタリア  : 200 2.99 2033 10.1    36.7
ドイツ   : 233 2.40 1010  4.33   39.2
イギリス  : 275 2.88 1883  6.85   76.8
日本    : 332 1.69   87  0.26    3.3
フィリピン : 363 1.68  167  0.46    2.0
オランダ  : 419 1.11 1053  2.51   34.2
インド   : 419 1.09  175  0.42   11.7
イスラエル : 443 0.76  682  1.54  115.8
台湾    : 650 1.01  1未満  0.001   0.3
バングラ  :1109 1.55   76  0.07    5.5
  
北海道   :  66 3.40  169  2.56
大阪府   :4627 1.91  193  0.04
東京都   :6367 1.32  135  0.02

札幌市   :1749 2.76  230  0.13

注)上記のデータは、当該国での数値ですが
「国籍は考慮していません」。つまり、日本で宇宙人が死んでも、日本国での死者数に加えられます。


 常識で考えると、人口密度の高い地域では感染率が上がり、当然「人口当たりの死亡数(死亡率)」も高くなると考えるので、死亡率を人口密度で除すると「定数」になると思いますが
「δ(死亡率指数)」が「人口密度」の高い地域で小さくなる傾向が有る事は、以前書きました。

 上の表を見ると、「致死率」も同じ傾向が有るように思えます。つまり、「過密な程、致死率が小さくなり」、万が一感染しても「都会の方が安心」と言えます。過密な東京・大阪は、過疎な北海道に比べると死に難いので、安心してください。私は北海道でも「札幌在住の日本人」なので安心しています。

 日本全体(母集団)から地域(部分集合)を選び隔離(都市封鎖)することは、標本を分離する事になり他の集合からの影響を受けなくなりますが、「感染症」の場合はその標本を元に戻すと免疫力が弱まった状態なので、感染拡大の原因になります。言い換えると、都市封鎖した状態での統計調査は、母集団の特徴と乖離するので注意が必要と言えます。




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