オメガねこ

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「コロナ死亡者数」 と 「老人人口」 其の弐

2023年06月02日 | 統計
 東洋経済ONLINEの「新型コロナウイルス国内感染の状況(最終更新:2023年5月8日)」の「コロナ死亡数」と、各地域の死因を問わない「全死亡数(死因を問わない死亡数;表には示していない))」を「老人人口」で除した「全死亡比」を、「老人人口」順に上下12傑を表にすると、

都道府県:コロナ死亡数:老人人口 :参照比:全死亡比: 死亡率
 (日本: 74669:36270:2.1:37.6:1097)
東京  :  8124: 3202:2.5:37.2: 894
大阪  :  8557: 2442:3.5:36.6:1036
神奈川 :  4335: 2376:1.8:34.7: 916
埼玉  :  4009: 2000:2.0:33.9: 943
愛知  :  4363: 1918:2.3:35.9: 940
千葉  :  3944: 1748:2.3:34.0: 970
北海道 :  4609: 1686:2.7:38.1:1222
兵庫  :  3908: 1608:2.4:35.8:1065
福岡  :  3205: 1445:2.2:36.9:1056
静岡  :  1408: 1099:1.3:38.2:1172
茨城  :  1300:  860:1.5:38.3:1140
広島  :  1373:  827:1.7:37.9:1129
・  (老人人口上位12地域の平均:2.4:39.6:1040)


沖縄  :  1016:  339:3.0:35.9: 849
石川  :   523:  338:1.5:37.6:1126
富山  :   324:  337:1.0:38.8:1262
和歌山 :   530:  308:1.7:42.4:1406
香川  :   626:  303:2.1:40.2:1278
山梨  :   421:  252:1.7:39.3:1232
佐賀  :   496:  251:2.0:40.3:1244
徳島  :   423:  247:1.7:40.5:1369
高知  :   602:  245:2.5:41.8:1460
福井  :   200:  236:0.9:39.1:1210
島根  :   304:  229:1.3:42.5:1449
鳥取  :   267:  180:1.5:40.6:1315
   (老人人口下位12地域の平均:1.7:39.9:1267)

コロナ死亡数;生前死後を問わず、コロナ陽性と判断された死亡者数。
老人人口  ;65歳以上の人口(千人)。
参照比   ;(「コロナ死亡数]/[老人人口])X1000
全死亡比  ;([全死亡数]  /[老人人口])X1000
 死亡率  ;人口10万人当りの死因を問わない死亡数。

[参照比]の最高/最低; 3.5/0.9 =3.89
[全死亡比]  〃  ;42.5/33.9=1.25
[死亡率]   〃  ;1460/849 =1.72

です。

・各地域の高齢者率は考慮していないのですが、概して「
老人人口」の多い地域は「死亡率」が低くなっています。
・「老人人口」の少ない地域は、「死亡率」が高くなる傾向にありますが、「参照比」は全体としては低くなっています。
・「全死亡比」は、「老人人口」の多少にかかわらず、あまり差がありません。


 この表から、殆ど死ぬことのない若者を加えた「全人口」ではなく、例年の「年間総死亡数の90%が65歳以上」で、且つ必ず死亡する「老人人口」を母数に使用した方が死亡統計の精度も上がり、対策の的を絞りやすくなると思います。

 「参照比」を見ると、「コロナ死亡数」と地域別の「老人人口」には相関性が無いと思われ、大阪(3.5)・沖縄(3・0)を、福井(0.9)・静岡(1,3)・島根(1.3)と比較し徹底的に検証する事で、「コロナ禍」或いは「コロナ対策禍」の問題点を炙り出すことが出来るような気もします。

 ちなみに人口分布を見ると、島根・福井は全国平均に比して老人が多く、沖縄と大阪は少ないようです。つまり、老人比率が高ければ「コロナ死亡率」が低くなり、逆に老人比率が低い地域はコロナで死亡し易くなると言えます。

 但し、「老人人口」が多い12地域の方が「参照比平均」が大きいので、「老人の人数が多ければコロナ死亡確率が高くなる」ようにも見えます。

 ところが、「死亡率(死因を問わない10万人当りの死亡数)」は、「老人人口」が多い地域の方が小さくなっています。これが成立するには、老人が多ければそれ以上に若者も多くなる必要が有ります。これを逆に言うと、「老人人口」が少ない地域では若者も更に少なく、老人比率が高くなる傾向がある事になります。

 老人比率が高ければ「コロナ死亡率(地域の全人口が母数)」も高くなると思われがちですが、「参照比(地域の老人人口が分母)」の値が分散している事から、「老人はコロナ感染で死亡し易い」とは言い切れない事を示唆しています。

 「コロナ陽性判定された老人」の、特に「老人人口の多い地域」での、死亡原因は他にあるようにも思えます。




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