オメガねこ

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「平均寿命」 と 「平均余命」 ②

2020年07月30日 | 雑感
 「平均寿命と平均余命」で、私の間違いを誰も「指摘」してくれなかったので、自分で「指摘」する事にしました。

---「Σ【Y=Z~最高年齢】(Y-Z)・Y歳の死亡数」を「Z歳の以上の定常人口総数」とし、例えば、80歳の「平均余命」を計算するには「Z=80」とし、(Y-80)に80歳以上の「現存する全世代」に於けるY歳の死亡数を掛け合わせた値の総和です。---

の、「現存する全世代」の部分が間違っていて、正しくは「現在の各世代の死亡率から導かれた生存曲線」になります。

 「現存する全世代」の分布曲線は「年代別人口分布曲線
(人口ピラミッド)」になり、現在の日本の「人口ピラミッド」の場合は、0歳児の人口が百万人に対して45歳や70歳が二百万人と2倍となっています。「生存曲線」の場合は毎年同じ人数(例えば10万人)が生まれたと仮定した場合の、現在の死亡率から計算された人口逓減曲線で「移民などで人為的な操作」が有ったとしても、確実に年長者は逓減し、良く言えば「統計手法としては信頼性が有る」と言え、穿った見方をすれば「政治的で、実態を隠蔽できる手法」とも言えます。

 統計上の「平均寿命(定常人口総数を0歳の人数で割った値)」や「寿命中位数(生命表で、0歳の人数の半分を示す年齢)」は、現状が維持された場合の期待値であり、実際に「0歳児が成長して、同級生が半数になる年齢」ではありません。

 平成30年男性の生命表での期待値は、

平均寿命 :81.25
寿命中位数:84.23

です。

 民間企業が「「生存曲線」を利用するのは、経済合理性の観点から当然と言えますが、政府は民間企業では負担できない「経済不合理」な部分を担うべきで、「平均寿命」の長さで国民を安心させたり、「余生の長さ」を心配させるのには、何らかの政策意図が隠されているような気もします。

 それは兎も角、例えば「生存している20歳の青年の心臓を、瀕死の80歳の老人に移植」した場合、実態としては20歳の青年の寿命が尽き、80歳の余命が増える事になります。また、戦争などで特定の年代の死亡率が高くなった時には、特定の年代の移民を同数受け入れる事で、人口動態は変化しません。同様に、少子化の解決策として「自然現象」を利用せずに、不足分を移民に頼ることは「人口統計」を「人工統計」に変質させる事になります。

 為政者が「人口統計」を弄くると、とんでもない事が起きます。




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