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「国民主権」 と 「国会主権」

2019年07月15日 | 法律

 民主主義の原則の一つに「国民主権」があります。

 主権とは、国家の在り方や国家の意思決定を「最終的に決める権利」です。そうすると、国民(の過半数)が共産主義政権を選んだ場合、その過程は民主主義と言えますが、その国家体制の性質上、反対した国民の権利は無視される事になるので、反対派の全てがが粛正されて初めて「真の民主主義国家」となります。なぜなら、生き残った人は全員同じ共産主義思想を持った「国民」であり、以後、何度選挙をしても同じ結果になる筈だからです。事実として、共産主義国家では結果が判り切った選挙は行われる事は有りません。これは、「共産主義下での民主主義」と言え「国民主権」は保障されています。但し、この時の「国民」は「人民」と呼ばれます。

憲法第11条

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 憲法では、国民の基本的人権は「現在及び将来の国民に与へられる。」と書いてあり、死んだ(殺された)人の人権は保障されませんが、「粛正は公共の福祉に合致する。」と認めれば「粛正の結果、生き残った人」の基本的人権は保障されます。共産党が「憲法を守れ!」と言うのも理解できます。

 国民の過半数が自由主義政権や民主主義政権を選択した場合は、これに反対する国民でも、自分の意に反する政権から権利は保障され、共産主義運動も自由に出来ます。これは、「自由主義下での共産主義思想」と言えます。

 「思想の自由」が保障された場合、共産党を非合法化しない限り、共産主義者は常に有利な活動が出来ると言えます。共産主義国家では思想の自由は認められないようにも思えますが、理論上、生き残った国民全員が「思想の自由」の元で、共産主義思想を持っているので問題は有りません。万が一、違う思想を持てば粛正されるので、結果として「自由意思」で共産主義思想を持つことが出来ます。これは、共産主義者にとっては「ユートピア」と言えます。

 現在の日本国の政治体制は間接民主主義(国民主権選挙)による「国会主権」国家です。

 国会が決定したことが正当とされるので、国会に主権が有ると言えます。行政は法律に従わなくてはなりませんし、司法によるチェック機能も保障されていますが、法律に則っていれば憲法よりも統治行為論が優先されるので、行政の根拠法が国会議決された場合に於いて、少なくとも反対派の「国民主権」は無視されます。これは、「長沼ナイキ基地訴訟」でも証明されています。

憲法第41条

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 これは、「国会主権主義」を保障しています。国会が国権の最高機関であると云う事は、司法権と行政権は立法権に対しての下層の権限と云う事になり、「三権分立」ではなく「三権分担」と言うべきです。

 国会議員は比較多数の国民により選ばれているだけで、最大多数の支持を得ている訳ではありません。多くの場合、選挙の投票率は60%前後で各議員の得票率も50%以下なので、与党議員の総支持率は全国民の30%以下である事が前提の「国民主権」です。その結果、国会で決まった法律に対する支持者数よりも、反対者数の方が多いことは普通にあります。

 経験上、最大多数の国民の意見は「分からない」なので、実は「この分からない人たち」の動向が日本の未来を決めているとも言えます。政治家は、この「分からない意見」に従っているだけなので、責任を取る事も有りません。これが「国民主権民主主義」の正体だと思います。




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