オメガねこ

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「憲法98条」 と 「自衛権」

2019年07月06日 | 法律

 憲法第98条

1 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 締結した条約による行為が「国務に関するその他の行為」に相当するのなら、そしてその条約が憲法に違反する場合は第一項の規定でその効力は無効になりますが、反対に第二項によって「条約の遵守」が義務付けられています。

 憲法では、憲法に違反する条約の締結を禁止していないので、条約そのものは有効と言えますが、条約による行為が無効になるので「条約の遵守」は出来なくなります。つまり、憲法を守ると憲法違反になり、憲法を守らないことが合憲になります。

 例えば、国連憲章第45条、

国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。

では、憲法9条第2項が有る為、空軍を保持する事が出来ません。これは国連憲章違反であり「自衛隊は戦力ではない。」と主張する事は、同時に憲法98条違反にもなります。

 自衛隊は軍隊ではないので、警察権しか行使できませんし、軍事裁判所が無いので自衛隊が武力行使をした場合、それが自衛権行使に当たるかどうかを刑事裁判で裁かれます。

更に、緊急事態法が無いので、敵軍が攻めて来て自衛権の行使中でも、自衛隊員(歩兵)は横断歩道を赤信号で止まり、警察から走行許可を得た特殊車両(戦車)でも制限速度内で走行しなくてはなりません。敵軍が現れた時には、民間人は救急車に頼った方が安全と云う事になります。

 国連憲章第51条にあるように、各国の自衛権は保障されています。その自衛権の発動の為には、軍隊を保持する必要が有ります。保持できない場合は、外国と安保(軍事同盟)などを締結して解決する必要があります。この締結された軍事同盟も憲法98条の規定で守ることが義務付けられています。

 憲法9条第2項は、国連憲章第45条により、憲法98条違反の状態にあります。条約が憲法違反でも、締結した条約を守らなければ、更なる憲法違反となります。  

現在の国政選挙は、1票の格差問題で違憲状態にありますが、選挙結果は有効となっています。つまり、自衛隊を軍隊に編成し直しても、「違憲状態ではあるが有効」であると言えます。

 国連憲章を守り「自衛権」を保持する為には、憲法9条第二項を改正し自衛軍を創設するか、現憲法のまま自衛隊を「違憲状態の軍隊」に改編するしか方法は有りません。



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