「科学」 と 「反科学」

　「科学」とは、あらゆる事象が間違いである事を前提に「新しい学説を定立」する学問です。

　「定立」とは、証明されるべき対象の存在や命題の真理性を「肯定的に判断」することです。つまり、証明された命題は所謂「常識」と言われて、既に「科学」の対象では無くなります。

　世間では、この「常識」を科学的帰結と思っているフシがありますが、正しくは「（一時的に）科学の対象外」になっただけであり、この「常識」により多くの人が被害に遭いました。つまり、「常識」を殊更主張する人は「反科学的」と言え「科学に従わない人」になりますが、他人に対しては「科学（実際は反科学）に従え」と、常識を強制します。

　他に「非科学」と云うのも有り、これは「宗教」に有りがちな思想です。先ず「絶対真（神）」が有り、そこから派生する事象は正しいモノとされます。これに似た（似非）宗教が「共産主義」です。

　「共産主義」は絶対に正しいので、間違った人が粛清される事でボルシェビキ（多数派）を構成し、その正当性が証明されます。更に、これに似た思想に「民主主義」も有りますが、この場合は域内の多数を正義とします。あくまでも「域内の多数」であって「全体の多数」ではありません。唯一、これが「民主主義の安全性」を担保する手段と言え、全体の過半数を正義とする場合は、「独裁主義」と言います。「共産主義」の別名を「民主独裁」と云う事からも理解できます。

　最近流行したパンデミクス（パンデミックを利用した経済思想）もこの一例で、「常識」が多用されました。日本人は「常識人」が多い所為もあり、世界で最も被害を受けた国です。勿論、被害者当人は「学識者の常識」を正しいと信じているので被害者意識は有りません。

　卑近な例では、「マスクが感染を防ぐのは常識で、既にスパコン富岳（百京？）により科学的にも証明されている」と云うものです。「富岳」は「スパコン京」の百倍の計算速度が有るとされていますが、実は「直線計算」では１０倍に満たないと言われています。

　「富岳」は画像処理が速いようなので、「マスクによる飛沫防止効果」をシミュレートしたのは良かったのですが、研究者が「マスクによる飛沫拡散効果」を失念した（或いは知っていて無視した）為に、マスクの飛沫防止効果だけが「常識」となり、そこで「科学」が終わってしまいました。

　クシャミをした時に、マスクを着用しなければ飛沫の拡散距離は精々数メートルで済みますが、例えばマスクにウイルス捕獲効果が有るとして、マスクを着用した場合はマスクに付着し濃縮されたウイルスも人と一緒に移動するので、その移動距離だけ拡散範囲が拡大します。

　以前の私のブログでは「マスクの効果は、２０回ほど呼吸するとマスク未着用と大差はない」と書いたのですが、「マスクのウイルス捕獲能力による濃縮効果によって寧ろ危険性が増す」とまでは書きませんでした。それは、どの程度の濃縮でコロナウイルスが危険になるのかが判断できなかったからです。

　私は、「症状が出ない程度、或いは軽い症状で済む場合は、常に感染していた方が、免疫を獲得できるので有利」と云う考えでした。しかし、今となっては「マスク着用者による感染拡大が功を奏したのかも知れない」とさえ思うようになりました。

　人間万事塞翁が馬

　つまり、「科学的な継続思考」とは否定の否定でもあり、科学的帰結である「常識」の否定こそが「科学」であると云う事です。

　ここで、マスク常時着用の皆さまに、謹んでお詫びと御礼を申し上げます。

　自費でマスクを購入着用し、感染拡大に協力して下さって有難う御座います。お陰様で多くの人が免疫を獲得する事に成功し、第八波では「陽性者」は多発するかも知れませんが「感染被害者」は少なくなると思われます。但し、ワクチンの多重接種者はこの限りではありません。

　それに比べると、私は殆どマスクを着用せず、コロナワクチンを一度も接種しなかった所為も有り、症状が出るような感染もせずに、他人の免疫獲得にも協力できませんでした。

　御免なさいww