オメガねこ

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「トリチウム君」 と 「低線量放射線」

2021年04月16日 | ニュース
 「トリチウム君」が数十件(人数は不明)の歴史的な「批判殺到」で話題になっています。

 どうやら「ゆるキャラ」である事が問題のようです。その名前が「フクシマ君」なら問題かもしれませんが、世界中の雨水や地下水・水道水にも含まれている「天然の放射性物質(ベータ線を放出)」である「トリチウム」を漫画チックに書いたからと言って問題が有るとは思えません。

 復興庁が福一原発の処理水の安全性をPRするために電通と総額3億700万円で契約し、「トリチウム君」のチラシや動画には数百万円かかったそうです。少し前なら「電通のお仕事」に苦情を言う事は禁忌だったのですが、電通が赤字決算を出してからは様変わりです。

 電通の2020年12月期の決算は、

売上高 : 9,392億円
経常利益:-1,411億円
純利益 :  -160億円

1株当たり純利益: -571円
1株当たり純資産:2,690円

です。株価は3,500円なので、今倒産すると帳簿上は、株主は一株当たり800円ほど損をします。

 それは兎も角、「ベータ線」とは「電子線」のことで、中性子は電子線を放出して陽子になります。「トリチウム(三重水素)」の場合は2ヶの中性子の内1ヶがベータ線を放出して陽子になり、安定な「ヘリウム3」になります。トリチウムの半減期は12年なので、福一事故の時に生成したトリチウムの放射能はほゞ1/2になっています。

 福一原発は事故前には通常運転で「トリチウム」を年間2兆ベクレル程海洋放出していました。日本の排出基準は6万ベクレル/リットルなので、基準の最大濃度で3,333万リットルを一年間かけて放流すると「福一通常運転」と同じ値になります。

 この時に放流された「トリチウムを含む水」はサヨク的には「汚染水」と言えるかもしれませんが、その場合は下水処理場から処理して河川に流される水も「汚染水」という必要があります。しかし、BODやCODなどを基準以下に処理した状態なので、常識的には科学的な「処理水」を使います。同様に、原発排水も「基準以下の排水」を「処理水」と言います。

 世界中の稼働原発では通常放出が年間50~500兆ベクレルを超えている(フランスの様に1京ベクレルを超える施設も有る)のが普通なので、福一も数年で排水処理できるのですが、政府は処理水を千倍以上に薄めて放出するそうです。放出にあたっては、トリチウムの濃度を国の基準の1/40、WHOが示す飲料水の基準1/7程度に薄めるとしています。つまり「1,500ベクレル/リットル」になります。

 当然ながら、薄めて基準以下にするのは違法行為になるので、薄める前の「処理水」が基準内である必要があります。

 WHOが示すトリチウムの飲料水中の濃度基準は「1万ベクレル/リットル」で、この水を「1年間毎日2リットル」飲んだ場合の被ばく線量は0.13ミリシーベルトになるそうです。

 事故後に保存している処理水タンクに1,000兆ベクレル(報道では860兆ベクレル)溜まっているとして、タンクに貯蔵している処理水が12億リットルなので、平均濃度は83万ベクレル/リットルです。これを15倍に薄めれば排水基準を満たすのですが、千倍に薄めるそうです。

 薄めても放射能の総放出量は同じなので小賢しいようにも思えますが、「低線量放射線」の無害性を意識すれば当然とも言えます。また、「トリチウムの半減期」は12年なので放って置いても40年あれば放射能は1/8以下になります。

 「コロナ騒動」が明ければ、のんびり岩盤浴放射線や温泉放射線を浴びるのも良いと思いますが、福一海岸で
「低線量放射線」による「ホルミシス効果」を堪能するのも良いと思います。但し、福一の場合は放射能が弱すぎて「プラセボ効果」しか無いかも知れません。

 ちなみに、温泉の源泉放射能は、

三朝温泉 :683.3マッヘ(ラドン)
増富温泉 :12,300マッヘ(ラドン)
玉川温泉 :15~20ミリシーベルト/年(ラジウム)

希釈放流した時の福一処理排水
:毎日2L飲んだら、一年間に 0.02ミリシーベルト被曝する(トリチウム)

です。

注)「1マッヘ」は「約13.5 Bq/L」で、水や空気から放射されるラドンの放射能。
--【表題訂正】--
「低線量放射線」と「ワクチン」は、書きかけ中に「トリチウム君」の話題が飛び込んできたので、文章を書き換えたのですが、表題を書き換えるのを忘れました。
「トリチウム君」と「低線量放射線」に直しました。



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