「理論」 と 「屁理屈」

　対話型生成ＡＩは「屁理屈」を生成する事が苦手なようで、今のところは「質問に対する（過去の）情報の提供」に拘っているようです。

理屈　；物事の筋道。道理。無理につじつまを合わせた論理。こじつけの理論。
屁理屈；筋道の立たない理屈。道理の通らぬ理屈。こじつけにもならない理論。

　「理屈」も「屁理屈」も概して否定的に使われるようです。一方、本来は「理論」「論理」「道理」には定まった正しさは無く、国柄・宗教・体制・慣習などにより様々な論が有るのですが、肯定的に受け取られます。

　例えば、「共産主義理論」は共産主義国家では「正しい」とされますが、自由主義国家では一般に「間違い」とされます。それぞれの体制維持の理論に対する「反対論」は一般に「屁理屈」とされ、場所を転じると「理論」に昇格する場合が多いようです。

　つまり、「屁理屈」かどうかの判断は体制側（他人）がするものであり、当人にしてみれば「理路整然」話している（つもり）と云う事です。

　「アスペルガー症候群（ASD）」の人は「理屈っぽい」或いは「屁理屈を言う」ように思われがちですが、他人の違う考えでも「ＡＳＤ本人」が納得すれば素直になるそうです。これは、他人の意見を否定するだけの「サヨキスト」とは大きく違い、「ＡＳＤ」の人は他人の意見を受け入れる能力が備わっていると云う事です。

注）ここでの「ＡＳＤ：Asperger Syndrome Disorder 」は、アスペルガー症候群（ＡＳ）の内で永続的に障害認定（Ｄ）される状態。「ＡＳ」だけなら殆どの人の若年時に一時的な「才能」として備わっていると思われます。若しかすると、将来の「ＡＩ独裁」と対峙できるのは「ＡＳＤ」かも知れません。

　但し、「ＡＳＤ」の人にとっては「他人の意見」が論理破綻していると認識した場合は受け入れ難く、興奮気味になるようです。それでも、その他人に対して「屁理屈をこねるな！」と罵倒する事は無いようなので、「ＡＳＤ」の人の方が「サヨキスト症候群（SAD）」の人よりも、当然ですが人間的にも優れているようです。

　一般に「屁理屈を言うな！」と言う人は、人間性は兎も角、自ら「論理の発展性を否定する人」なので、科学者には向いていません。科学は、その対象が間違いではないかと思うところから始まります。一方、文学には最初から起承転結が有り「結果は定まっている」ようです。「良い作品」は結論に向かって論理構成をするので、一見して「正しい事が書かれている」ように思われがちですが、科学とは正反対の思考と言えます。

　有名大学文学部卒の政治家や公務員には注意が必要で、正しさはさて置いて、結論に向かって如何様にも政策文書を練る事が出来ます。「優性保護法」「男女雇用機会均等法」「ＬＧＢＴ法」等々を、「屁理屈」と判らないように文章を書き上げます。

　ＧＨＱ占領統治時代に成立した「優性保護法制」の間違いを糺すのに半世紀程かかりましたが、これは法律制定時の国会議員や関係者の大半が天寿を迎えた後です。科学的に不合理な「法制度」の間違を指摘しても、その後数十年間は、正しい指摘が「屁理屈」として無視され続ける覚悟が必要ですww