日本の「貨幣」は政府が発行する「通貨」で、種類ごとに枚数制限は有りますが強制決裁権が有り、「紙幣」は日銀の発行通貨で、無制限の強制決裁権が有ります。日本銀行は、政府から独立した法人ですが、政府が55%政府以外が45%を出資いている(特殊)法人です。その法人が発行する「紙キレ」は、他の企業や個人に対して「強制決裁権」が与えられています。勿論、税金もこの「紙キレ」で払えば拒否される事は有りません。
「国債」は政府が発効する「紙キレ」ですが、何故この「紙キレ」を担保に日銀の負債である「紙幣」を発行できるかと言えば、その「国債」は国民の未来の「供給能力」を担保にしているからです。国民の過去の「供給力」の結果から発生するのが「固定資産税」で、現在の「供給力」の結果から発生するのが「所得税」です。赤字国債や建設国債などは、国民の供給力の将来価値なので長期国債が発行可能になり、短期国債の場合は現在の供給余力の範囲以内で最大限発行する事で、最大の経済成長を達成する事が可能になります。
「国債」と「紙幣」は決済時期と発行者が違うだけで、その原資は国民の「供給能力」に有ると言え、「供給能力」以上に発行すると何れ破綻すると云う事になります。「国債」は政府発行通貨で、「紙幣」は日銀発行通貨です。「国債」と「紙幣」は等価で、政府と日銀が負債と資産を互いに交換しているだけです。
つまり、「通貨(国債・紙幣)」の発行額が「国民の供給能力」を超えなければ破綻する事は有得ないと言えます。今回の「武漢肺炎騒動」以前は、「供給余力」が大きいにも関わらず「通貨」の発行額が少なすぎてデフレが継続していました。現在は「供給制限」があるので、通貨を発行しすぎて需要が増えるとインフレが起きます。物流にはタイムラグがあるので、常に「供給余力」を残しておかなければなりません。この「余力」は、モノの価値を「割高」にしますが、この「割高分」をインフレと言います。現在の産業構造では「2%程度のインフレ」は適正とされています。
「供給余力」が過剰な時に「消費税」を高くすると需要は減り、益々「供給余力」が大きくなってデフレが拡大します。「供給不足」や「供給制限」が有る時にはインフレになる為、「需要力」を抑えるには「消費税」が効果的と言えます。
これらの経済構造や「通貨の仕組み」が分かれば、「国民の供給能力」以内での「借金」では、財政破綻が起こらない事は理解できます。
財務省は、政府の借金を「国の借金」と言い換え、国民の資産を「国民一人当たりの借金」と言い換え、「財政破綻」で国が崩壊すると脅しました。
① 「A=B」で「B=C」ならば、「A=C」である。
② 「A≠B」で「B≠C」ならば、「A≠C」とは言い切れない。「A=C」の可能性もある。
①は、総てが正しければ結果も正しい事を意味します。
②は、総てがウソでも、結果が間違っている事もありますが、正しい事も有り得て、その場合は「嘘から出た真」と言います。
財務省は②の「嘘から出た真」を期待したのか、国民を騙したのか、或いは本気で日本を破壊しようとしているのかは判りません。
素人考えですが、「国民の供給能力がある」という前提が破綻することはないのでしょうか?
将来に於いて、ユートピア思想が蔓延したら「供給不足の常態化」が起こると思います。
しかし、人間のサガで「常に上昇志向」が働き、普通は「金儲け」である供給過多に動き経済成長が可能になりますが、一時的に需要過多になる事が考えられ、「インフレの加速」を抑える為に「消費税」で可処分所得を強制的に奪う事が有効な手段であると、私は考えています。
私は「消費税不要論」ではなく、「消費税は過剰流動性を抑え込む手段」としては有効と考えています。
消費税は財政目的税ではなく、経済調整目的税です。財務省ではなく経産省の管轄にすべきだと思います。