オメガねこ

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「通貨滞留」 と 「国債発行」

2019年05月18日 | 通貨(貨幣・紙幣・証券)
好景気時に、現金を預金通貨に替えると銀行により再投資に回りますが、不景気時には通貨滞留を起こします。
現金を暗号通貨であるビットコイン等に替える行為は商品先物取引と同様に投機と言えます。この投機での利益は(損失が出ても他の収入とは相殺できないので)実質的に税収増になります。

一見、預金通帳に印字されている数値は自分の預金高であり仮想通貨では無いように思えますが、ネット上に記憶された数値である暗号通貨と同様に、預金通帳の数値も銀行のシステム上に記憶されたデータでしか有りません。その証拠に、預入銀行が倒産した場合には、最大1千万円しか保障されません。

不景気時の預金通貨増は法定通貨である現金の滞留が原因であり、銀行の融資(信用創造)ではないのでGDPが増えないどころか、マイナス成長の原因にもなります。
預金通貨の発行益は、貸出金利と預入金利の差から計算されますが、不景気の時には預入量が多くなり貸出量は減少するので、本業での収益は減ります。

民間需要の見込みが無い時に、政府が公共事業で経済活性化を目論んでも、その財源が増税ならば、民間資金が吸い取られる事になり、不景気は継続します。
不景気時に政府が国債を発行しても、民間の余剰資金により国債が買われるので、経済に悪影響は及びません。民間の滞留資金が政府に集まり予算を組みやすくなります。更に、発行済み国債を日銀が買い取る事により金利低下が起き、政府の金利負担が減少します。勿論、日銀に買われた国債は、その利息は元本も含めて政府に還流するので実質的に負債とは言えません。

但し、この予算を社会保障に充てると資金が還流してGDPが増えそうにも見えますが、老人医療や年金などの社会保障費予算は年に一回転もしません。支払われた保障費の一部しか消費に回らず、余剰の通貨は滞留します。消費されて企業の利益にになっても、その余剰資金は預金通貨のまま内部留保になります。
企業は、需要見込みが見込まれない時には、新規設備投資をしない事が正しいとされるからです。

不景気時に、企業努力で収益が出て給与が増額されても、その現金は企業の内部留保から個人のタンス預金に場所を変えるだけなので、GDPの増加にはつながりません。

政府が基盤整備等の公共事業に予算を多く配分すると、その予算執行額は社会保障費とは違い、ほぼ全額消費され、更に整備された基盤を利用した新しい産業が生まれます。経済活動で通貨が移動する事により収益と税収を生みます。

民間需要が不足の時にGDPを増加させる為には、政府が国債を発行して日銀が買い取るか、政府通貨を発行して、予算執行を通し基盤整備の為の公共事業を増加させる以外に手段は有りません。



2 コメント

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ほれぼれ (インドラネット)
2019-05-19 10:42:54
全くそのとおりだと思います。
本日はじめて本ブログを閲覧させていただきましたが、自分のブログとは大違いに理路整然としていて、ただひたすら感心しました。
これからもちょくちょく訪問させていただきます。
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インドラさんへ。 (テレビとうさん)
2019-05-19 11:34:50
コメント有難うございます。

このブログは私自身の頭の中を整理するために書いているので、自分が後から見ても理解しやすいように書いています。
正しいかどうかは、二の次です。なので、反証は大歓迎です。
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