テレビとうさん

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「新しい資本主義」 と 「古い資本主義」

2022年05月10日 | 経済
 世界の「資本主義」は、18世紀のイギリス産業革命による「合理主義」から始まったとされ、非合理かどうかは判りませんが伝統的な「共同体」が破壊され、地方崩壊の一因となりました。

 自国内の地方崩壊なら自業自得と言えるので、他国が口出しするまでも無いのですが、「資本主義」によって大侵略時代(通称、大航海時代)を凌ぐほどに世界中の植民地化が加速し、その崩壊を食い止めるために「口出し」をした日本帝国が世界中の植民地宗主国から叩かれて敗北しました。

 但し、この時代の「世界」とは”白人世界”の事を言い、有色人種は口出し無用とされていました。そのルールを無視した日本が間違っていたのかも知れません。現在でもサヨクは「日本が間違っていた」と言っているので、これは私だけの意見ではありませんww₂

 ここ迄が「古い資本主義」で、戦後になり現在に至るまでは「合意されたルールの下での資本主義」が一応主流となり、亜流として「国家資本主義」も併存しています。

 知ってか知らずか、「国家資本主義」では、共産国などの独裁者グループ(共産党員など)が「マルクス資本論」で言う独占資本家となり、それ以外の人民はプロレタリアートになります。つまり、「古い資本主義」の植民地構造と同じであり「大侵略時代」の縮小焼き直し版とも言えます。

 それは兎も角、1960年には池田内閣による「所得倍増計画」が発表され、10年間で国民所得を2倍にする計画と言われていますが、実際は「国民総生産(GNP)を10年で倍増させる」です。

 GNPは国内の居住者(基準を満たせば国籍は問わない)を対象にした指標で、海外活動での報酬も含まれます。一方、GDP(国内総生産)は、国内に於ける付加価値の合計を言います。

 「所得倍増計画」は見事に達成したのですが、それは池田隼人首相が「国民総所得=国民総生産=国民総支出」である事を理解していたからかもしれません。

 何やら「新しい資本主義」を唱える首相がいるようです。その目的は「資産所得倍増計画」を指すようで、GDPを倍増するとは言っていません。岸田文雄首相が「国内総所得=国内総生産=国内総支出」を理解しているかどうかは分からないのですが、資産(査定額)が増えてもGDPには影響しません。

 「資産・所得倍増計画」の内、所得だけで倍増すればGDPも倍増するのですが、所得が増えずに資産だけ倍増すると「失われた30年」が更に延長するだけです。例えば、土地や株価が二倍に成っても何も生産されず、誰かのお金が他の誰かに移転するだけなので、手数料以外はGDPには加算されません。

 それどころか、課税された分だけ「総所得」は減額され、税収は「財政健全化」と称される泥沼に捨てられます。

 経済成長のしない「資産倍増計画」は、ゼロサムゲームに過ぎず、資本家が労働者階級の僅かな資産を総取りする事に繋がります。

 経済成長しなければ総所得が増える事は無く、総資産の価値が増えると連動して物価が上がる傾向があります。別の言葉で言うと「デフレ時の物価高」で、これは一般に「スタグフレーション」と言い、経済状況としては最悪の状態とされています。

 但し、ここで言う経済は「経世済民」のことで、スタグフレーションでも富裕層には寧ろ有利で、公務員には殆ど影響しません。




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