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「消費税」 と 「GDP」 ②

2022年08月19日 | 経済
 「GDP(国内総生産)」は、国内で生産(価値が付加)された総額なので、総生産額(=総支出額=総分配額)から輸入額を減ずる事で算出されます。

GDP=政府支出額+民間支出額+(輸出額-輸入額)

 「消費税」は、(名目上は)消費に掛かる税とされているので、輸入品にも商品販売価格の税率分(10%)が加算されます。例えば、輸入原価が1万円の「舶来品A」でも、3万円で売られた場合は3千円の消費税が加算され3万3千円を支払う事になります。

 Aに対する国内での付加価値は2万円なので、若しも「付加価値税」ならば2千円で済む事になりますが、「消費税」なので3千円になります。この差額の1千円は実質的に「輸入関税」の働きがあり、本来は「関税0%の自由貿易協定」に違反するのですが、今のところは問題にはなっていません。逆に、消費税は輸出時には還付されるので外国から見ると「輸出補助金に見えます。

 また、民間支出は消費税込みで支出されるのですが、この時の消費税は民間から政府への「所得移転」になるので、GDPには含まれません。つまり、実際に民間が支出する金額から消費税を差し引いた分しかGDPに加算されず、消費税分だけGDPが減少する事になり、継続的に(意図的に?)経済成長率を減少させる事が可能になります(計算上は間接税もGDPに加算されますが、消費税は社会保障費として目的税化しているので実質0円で、実際には国債の償還にも充てられている)

 民間から政府に「移転された所得」がそのまま補助金などとして民間に支給された場合も単なる「所得移転」に過ぎず、その時点ではGDPには加算せれません。これを「所得の再配分」と言い、同時に公務員やレントシーカー(超過利潤を得る人)に中抜きされるので、縮小再生産に繋がり経済には悪影響を与えます。

 レントシーカー等に中抜きされた資金が、日本国内で消費に回れば結果としてGDPも増えるのですが、メガソーラーの例でも明らかなように外国資本企業が国外に持ち出したり、日本企業でも余剰資金として対外投資に回されるのが大半です。

 対外投資は「輸出」ではなく資金の移動に過ぎないので、多くは移転された外国の設備投資に回され、外国のGDPを増加させます。

 日本の資金で、奴隷労働などで生産コストが安価な中国で生産し逆輸入しても、日本のGDPを減ずるだけであり、しかも中国で得た利益は中国で再投資する事が義務付けられていて、日本に還流する事は出来ません。それでも「企業決算」では利益が上乗せされているので、恰も企業経営が順調であるかのように見えます。

 中国に進出した企業が、最終的にどれだけの利益を得たかは、その企業が中国から撤退した時に分かる仕組みになっています。おそらく、撤退時には全ての投資資金や設備が没収されるので、日本本社も危うくなり、今度は日本国内企業が中共資本に買収されて従業員は中国企業で働くことになります。

 それでも、日本国内で生産された場合は「GDP」に加算され、日本国内で消費された場合には「消費税」を徴収できるので、公務員には痛くも痒くもありません。



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