オメガねこ

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「治療効果」 と 「感染予防効果」

2021年02月21日 | 統計
 イベルメクチンの武漢肺炎に対する「治療効果」は、死者数を80%減少させるとの研究結果が有る事から「有効」とされています。

 「有効率」の計算式は、患者の内の半数に「真薬:T」を、残りの半数に「偽薬:P」を投与した場合の有効性の割合から算出されます。Tの死者数を「Tn」とし、Pの死者数を「Pn」とした場合は、

有効率(%)=(1-Tn/Pn)X100

です。

 例えば、T群の死者が8人(致死率 1.6%)で、P群の死者が40人(致死率 8%)だった場合は「有効率80%」とされます。この場合は、「致死率」が書いてあるので元の「サンプル数」は1000人(500+500)で有る事は分かりますが、多くの場合「有効率」のみが書かれているだけで、全体として実際にどれだけの「人数」が救われるのかが分からない場合も有ります。

 例えば一億人の人を対象に、何もしない場合は10人が死亡し、薬を与えて9人が助かった場合は「有効率=90%」になり、優れた医薬品の部類に入ります。逆に、何もしない時に1,000人が死亡し、薬を与えて100人が助かった場合は、多くの人を救命しても「有効率=10%」なので、有効性に疑問が残る薬になります。

 ところで、ワクチンの予防接種の場合にもこの「有効率」が有効かどうかは疑問です。ここでは、被験者(未感染者)の半数に「ワクチンを接種:W」、残りの半数は「接種しない:N」で観察するだけです。但し、接種による「副反応」は無視して計算します。本来は感染して発病した人数や割合を計算するのですが、世間はそれを許してくれないので、「陽性反応を示した感染者」を対象にします。

Wn:接種した人で、陽性反応を示した人数。(率はW%)
Nn:非接種の人で、陽性反応を示した人数。(率はN%)

有効率(%)=(1-Wn/Nn)×100

Wn=Nn(1-有効率/100)
W%=N%(1-有効率/100)

です。ワクチンの有無に拘わらず同数が陽性を示した場合は「有効率0%」になり、接種した人から陽性者がでなかった場合は「有効率=100%」になるので、納得できる式です。

 そこで「有効率=90%」のワクチンを一億人に接種した場合で、過去一年間の「陽性率N%」が0.3%のJ国と、9%のB国で計算します。但し、検査を受けていない人の中には「陽性者」がいないと仮定し、「有効率」は人種に関係なく有効とすると、

J国の場合:W%=0.3(1-0.9)=0.03

なので、接種以降一年間の陽性者数は3万人になり、誰も接種しなかった場合の30万人の1/10です。

B国の場合:W%=9.0(1-0.9)=0.9

なので、同様に90万人が陽性となり、誰も接種しなかった場合の1/10に減少します。

 全員が接種するとB国の陽性者は一年間で90万人に減少するのですが、J国が誰も接種しなかった時の30万人の3倍の陽性者がB国で誕生する事になります。

 B国は、当然ながら陽性者が1/10になったら緊急事態は解除され、経済活動はフル稼働すると思いますが、現時点でその1/3しか陽性者のいないJ国では「緊急事態宣言」を解除しません。しかも、J国の検査手法は「クラスター対策(集中検査)」と「Ct=45」なので、陽性率は高めに出ます。

 J国では、これからは「Ct=35」に変更するそうなので、かなりの「ワクチン効果」がでそうです。それでも効果が見られない場合は「Ct=30」にすれば、実態は同じでもパンデミックは終息します。

 白人の開発した「mRNAワクチン(科学的にはワクチンではない)」を日本での治験なしで承認しましたが、黄色人種の開発した「80%の死者数を減少できるとされるイベルメクチン」は新型コロナ治療薬としての承認は下りません。

 理系の私には理解不能です。




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