朝鮮戦争は、南下して来た北朝鮮が仕掛けた、韓国との国際紛争で、1950年6月25日に開戦し1953年7月27日に休戦協定が結ばれるまでの3年間の戦争です。そして、日本はこの朝鮮戦争の特需で経済成長をしたと言われています。
国連軍(主に米軍)の直接調達方式などにより、日本から大量の物資が買い付けられ、その額は3年間に直接特需として10億ドル、1955年までの間接特需も含めると36億ドルと言われています。当時の日本円にして年間2600億円程で「合計1.3兆円の売上」です。
確かにこの時期にもGDPが増加し、この増加分を「経済成長」と言うのなら、これは「朝鮮特需」と言えますが、当時はGHQによる統制貿易が行われていて、周辺諸国の倍以上の価格で米国から資材・原料を輸入していた為、赤字生産を余儀なくされた場合も有り、更に民需に対する供給にも影響が出て日本の経済は疲弊していました。
そのうえ、当時の在日米軍の駐留経費は年間2000億円以上かかり、これを日本が負担していたので、寧ろ「朝鮮戦争特損」と言う方が正しいと思います。
1965年には、「日韓基本条約」が結ばれ、日本が終戦前、朝鮮に投資した資本と日本人の個別財産の全てを放棄し、約11億ドル(当時の韓国の年間予算の3年分)の無償資金と借款を援助することで、韓国は対日請求権を放棄することに合意しました。これが「漢江の奇跡」の原資です。
この時代は、日本は国内からの借金は殆ど無く、外国や国際機関からの借金で賄っていました。つまり、GDPの原資は「外国からの借金」であったと言えます。
米軍ガリオア・エロア(占領地域救済政府資金)供与で、日本は1946年からの5年間で17億ドル(西ドイツはガリオア資金だけで1兆6500億ドル)の援助を受けましたが、最初は無償だったのが途中から返せと言われ、1970代に完済しました。他に、1945年に設立した国際復興開発銀行(世界銀行)からの低利借入金は8.6億ドルで1990年には完済しました。日本円にして総額1兆円程です。
無償援助に関しては、アメリカの日系人が作ったNGO「ララ物資」が支援した400億円(脱脂粉乳や肉など)もアメリカの発表では「アメリカの民間支援団体の援助」としていました。アメリカの国策NGO「ケア物資」が日本にした援助は180億円程です。ここに書いたのは総て当時の価値で、現在の価値にすると、合計約1.3兆円になりますが、勿論、日本が援助した額や借金も現在の価値にすると1ドル360円換算した後の約20倍程になります。但し、この無償援助や借入資金そのものはGDPには加算されません。
何故、多額の負担を強いられても尚、借金を難なく返せたかと言うと、「物価上昇(お金の価値が低下)」とそれを上回る「経済成長(GDPの増加)」があったことも否定は出来ませんが、実際には外国からの借金を国内から調達して返したとも言えます。
政府が本格的に国債発行によって資金調達を始めたのは1965年の1兆円からで、1990年には300兆円になり、この年には外国からの「借金」は完済しています。今では、日本国政府の負債は国内調達で1300兆円になりましたが、これは日本人が同額の資産を持っている事を意味します。
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