オメガねこ

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「学歴詐称」 と「採用試験」

2021年06月04日 | ニュース
「大卒なのに高卒と偽り20年、市職員を懲戒免職…大卒対象の採用試験は難しいと思った」と、学歴詐称問題が取りざたされていますが、

 憲法第一四条第一項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 社会的身分には、
 
・帰属的身分:個人の才能や労力とは無関係に出生とともに決まる身分関係。
・獲得的身分:競争あるいは個々の労力の結果として獲得される身分関係。

があるとされています。

 採用試験で、「資格」を要件とする場合は、業務内容の特殊性が考慮される場合は正しい方法だと思いますが、「学歴」は殆ど業務とは関係ありません。確かに「東大卒」には「ノーパンしゃぶしゃぶ」に通う能力が特異的に備わっているのかも知れませんが、「高卒」でも努力すれば行く事は可能です。これは、「学歴によって能力の差は無い」事を示しています。総ては努力次第です。

 「社会的身分(獲得的身分)」に、通念上「学歴」が含まれるのは当然だと思いますが、「憲法は為政者を拘束する法」と考える人は除外して、一般に「最終学歴」で採用試験の資格を定めるのは「憲法違反」です。但し、「学歴相当の能力(資格)」を必要とする場合はその限りではないと思われます。

 私の様に「高校卒業はおろか、入学すらした事のない理系貧乏人」は、「受験資格は高校卒まで」に限定された場合は微妙になります。世の中には「高校」「大学」以外にも多くの学び舎が有って、それらが「高校以上」なのか「高校以下」なのかは判然としません。それでも「能力が高卒程度と自認している大卒者」を排除する事は明らかに不公平と言えます。

 以前、郵便局が「高卒相当の採用試験」で大卒者が郵便配達員に採用されたと云う話を聞きましたが、解雇されたという話は聞いた事が有りません。今では、帰属的身分である「外見男性・内心女性」が自分が思う性別を認めるようにと騒がれている時代です。それなら、獲得的身分である「大卒資格は有るが実力は高卒」を自認する能力に正当性を認めるのは当然です。

 表題には「大卒なのに高卒と偽り」と書いてあり「なのに」のニュアンスが分からないのですが、記事には「受験資格が高校卒までに限定」と書いています。「大卒」のほうが「身分が上にある」と言っているようで不愉快です。

 逆に「高卒なのに大卒と偽り、採用試験に合格した。」と言った場合の「なのに」も、褒めているのか蔑んでいるのかが微妙です。

 「最終学歴」で言うと、大学を卒業した後に「高校に再入学・卒業」した場合は「最終学歴は高卒」になります。この場合も「懲戒免職処分」されるのか聞きたいものです。




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