おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

ダーウィンの肩に座るフロイトを「心のダーウィン」と呼んだアーネスト・ジョーンズの視座は??-ダーウィンと人間心理への理会②-

2023-11-27 06:18:47 | 日記
「人間も動物も、快楽や苦痛、幸福や不幸を感じる能力に、根本的な違いはない。」
(チャールズ・ダーウィン)

ダーウィンは、自分が唱える新しい進化心理学が、
どれほど人間のプライドを傷つけるのか十二分にわかっていた。

なぜなら、人間の身体のみならず、心も、魂とされる者も含めて動物だ、と、ダーウィンは、唱えようとしていたのであるから、である。

今でこそ、冒頭に挙げたことばが、ダーウィンの深い洞察と近代心理学のはじまりであり、近代心理学の中核をなすものであると評されるが、それは、時間の経過による受容がかなりの役割を担った結果だ、と、私は、思う。

ダーウィンは、当時の社会(≒人びと)に対し、
人間の身体の形態は、進化を通じて得られたもので、人間の心理的形態も進化から生じた、と、アッパーでパンチしてから、

人間の本能、感情、知性は、霊長類の祖先から進化してきた、と、フックを浴びせ、

人間の動機づけや行動様式の多くは、自覚した意識や制御の外側にあり、感情、行動、思考の大部分を決定しているのだ、とストレートを打とう、とした、ようなものである。ξ1

だからこそ、ダーウィンは、自分が発見したことを、引き出しにしまい続け、気が進まないながらも最終的に発表するに至るまでには、35年の歳月を要した。
その理由として、
彼が理論を提示するまで事実の収集に細心の注意を払っており、
かつ、人間に対するこの唯物論的な見方が、世界ではまだ受け入れられないと認識し、
さらには、
彼の発見によって、人間の独自性を頑なに守ろうとする批判家たちとの対立が避けられなくなることを好まなかったということが在る。

なんと人間は複雑なのであろうか。
人間は、おそらく一時的に生い茂った万物の木のただ1本の枝であり、「自由意志」のようなものはなく、かといって、動物が持って生まれた本能に完全に縛られているわけでもないのだから。

心理学に対してかつて行われていた哲学的な考察は主観的推論でしかなかった。
自己観察は、強い先入観を伴うものであり、「私たちは何者なのか?」という問いの多くは、意識レベルで考えることが出来ないため、
「内省」という行為は、決して、それだけでは、適切な考察の方法たり得ることはない。

心臓がひとつの機能として拍動し続けることと、本質的に違わない形で、
脳が機能した結果として、人間の心と意識が生まれるとすれば、
心理学は、実験と観察という科学の標準的な手法を用いて研究することが、可能である。

つまり、私たちが、心理面と身体面両方の進化の段階について考察することは、自身を最もよく理会できる手段のひとつであると言うことが出来るのではないか、と、私は、思う。

ダーウィンは、心理学の新たな経験的手法の確立には着手した。
それが、その後、心理学の分野における標準的な手法となったのである。

例えば、子どもの観察、比較文化調査、写真を使った表情の研究など、当時(ある意味今でさえも)の最前線に在る手法である。

チャールズ・ダーウィンが亡くなった1882年に、ジークムント・フロイトは、26歳で、2人は直接会う機会は無かった。
しかし、フロイトの師匠はほぼ皆ダーウィンの影響を受けていたため、気づかぬうちにいわゆる「ダーウィン語」を話していた。
現在の私たちが無意識のうちに「フロイト語」と呼ばれる専門用語に囲まれ、口にしているように、フロイトは「ダーウィン語」に囲まれ、フロイトもまた、無意識のうちに「ダーウィン語」を話している。

ニュートンが自身を、先人たちという名の巨人の肩に座る者であると表現した。
心理学でダーウィンの肩に座っているのがフロイトであろう。
フロイトは、進化に関するダーウィンの洞察を、精神症状や夢、神話、芸術、人類学などの幅広い分野において巧みに応用した。

アーネスト・ジョーンズは、フロイトを英雄と崇め、フロイトの伝記を著し、フロイトのことを
「心のダーウィン」と呼んだ。
しかし、実際は、アーネスト・ジョーンズにとって、チャールズ・ダーウィンが
「心のダーウィン」そのものであった。
ジョーンズは、フロイトに対して、ダーウィンの最も偉大な弟子としての尊敬のまなざしを持っていた。

人間心理の理解/理会における最も重要な前進は、人間精神生活の大部分が、理性や意志でコントロールされず、自動的かつ無意識に営まれていると気付いたことである。

ダーウィンが人間の心と霊長類の歴史を結びつけたことは、それまで説明されていなかった空白の部分の多くを埋めることを可能にした。

それは同時に、現在の世界で、私たちが多くの誤った決断を下すのは、5000万年の哺乳類の進化の過程で私たちの先祖が直面した状況に脳が適応するようになっているからだという事実をまざまざと私たちに示しているのである。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
力が入りすぎて、長文になってしまいました(;^_^A
ξ1の部分はボクシングについてはあやふやだったので、「ボクシング パンチ」などと検索しまくりながら描きました。
インターネット検索の偉大さに感動した朝です(T-T)
今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね。
では、また、次回。
*見出し画像が今はもう面影も無い(→かなり取り壊されていますが、まだ日々取り壊され中)、散歩コースの建物です。
想い出だなあ、と思ったので出してみました。