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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ガス燈」

2011-07-15 | 映画───サスペンス・ホラー
1944年の映画「ガス燈」は、夫に心理的に追いこまれていく新妻の狂気と、みごとな巻き返しを描いた傑作サスペンス。
終盤までは、冷徹な夫の仕打ちに気色ばむことこのうえないのですが、ラストに報われます。

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1870年のロンドン。
高名な歌手であった叔母が何者かに殺され、不安にさいなまれた姪のポーラは、乞われるままに音楽家のグレゴリーと結婚。殺人の現場であり、遺産として譲られた叔母の邸に住まう。
しかし、夜ごとに室内のガス燈が消え、天井からは奇妙な物音がする。おまけに記憶があやふやになって、物をなくしりして召使いにもさげずまれるポーラ。
夫からは、精神病で亡くなった母とおなじ道をたどるだろうと脅される始末。
だが、そんな夫婦を鋭い目で睨みつける男ブライアンがいた…。

ブライアンが叔母と因縁があって、殺人事件に疑惑を感じた彼の手によって、ポーラは救われます。
それまでは夫の催眠術のような巧みな言葉に操られて、自分を失っていた彼女ですが、屋根裏部屋での縛られた夫への”復讐”ともいえるやりとりは、ほんとうに胸がすきます。
夫の詐術にかかって、相手の言葉ひとつにさえ狼狽えてしまう弱々しい女から勝ち気に言い返す女へのみごとな変貌。イングリッド・バーグマンの演技力がみごとに光る傑作。そしてまたグレゴリー役のシャルル・ボワイエの小憎らしいほどの悪だくみも。

ロンドンという街は、あの暗さが独特な深さを与える街ですよね。
パリを舞台にしたモノクロ映画だと夜もなんとなく明るい雰囲気がするのですが。

監督は「マイ・フェア・レディ」のジョージ・キューカー。

ガス燈(1944) - goo 映画

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