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フィールドスコープ?望遠鏡?BORG 45EDⅡ

2009-01-31 22:07:45 | equipment

 バードウォッチングでの撮影用に、BORG ED45Ⅱを購入しました。

 バードウォッチングといえば、昔から三脚にフィールドスコープを取り付けて観察するのが一般的でした。当然、重く嵩張るので、よほどマニアックなバードウォッチャーでない限り、山奥や森の中までフィールドスコープを担いで行くことは無かったでしょう。ところが近年、このフィールドスコープの接眼レンズにコンパクトなデジカメを取り付けて撮影する”デジスコ”(デジタルカメラ+フィールドスコープの略?)が急速に広まり、一般のバードウォッチャーでも(本格的な超望遠レンズに比べれば)手軽に野鳥の姿を撮影できるようになりました。

 しかし、私の行動範囲は一般のバードウォッチャーより若干広く多様で、バズーカ砲のように大げさなフィールドスコープや、それを取り付けるしっかりとした三脚を持ち歩くのは敬遠していました。そんな私の器材は、双眼鏡が中心。2年前にはキャノンのIS(手振れ補正機能)付き12倍双眼鏡を購入し、国内のバードウォッチングサイトはもとより、沖縄や海外へのダイビングにも持って行って旅先でバードウォッチングも楽しんでいます。

 そんな折、最近になってビクセンからED52-Sというコンパクトなフィールドスコープが発売されているのを知り、しかも「手持ちでサッと構えて観察できる」とのキャッチコピーに目が止まりました。ネットでカタログ等を調べると、デジスコに使うためのデジカメ用アダプタや、一眼レフカメラ用のアダプタも用意されていることが判りました。仕事帰りにヨドバシカメラに立ち寄って、ED52-Sの展示品を実際に手にとってみると、大きさ、重さ、視野の明るさは満足のいくもので、急速に購入に向けて意志が固まりつつありました。しかし、手持ちのキャノンのデジカメ用にはアダプタがなく、がっかり。デジ一眼の方はオリンパスを含むフォーサーズ仕様OK. しかし、デジ一眼を取り付けて使用する場合の仕組みや使い勝手がイマイチ判りません。そこで土曜日の午後、秋葉原の協栄産業のショールームまで出かけてみました。

 初めて訪れたショールームには本格的な大きな望遠鏡が所狭しと並んでいて、私が探しているコンパクトなフィールドスコープの展示はなく、ちょっと引いてしまいました。しかし、思い切って店員さんを呼び止めてED52-Sの購入を考えていることを伝え、デジ一眼を取り付けて撮影する方法を詳しく知りたいとリクエストしました。すると、最初はED52-Sの機動性と十分な光学性能を前向きに説明してくれていた店員さんでしたが、デジ一眼での撮影となった途端に口数が少なく重くなりました。やはり接眼レンズと共にフィールドスコープには欠かせないプリズムを経由して一眼レフカメラで撮影するのは、視野と画質である程度妥協が求められてしまうようです。う~む、やはりフィールドスコープは観察する目的が中心で、撮影は二の次か~。そうなると、自分はすでにIS付き12倍双眼鏡で観察目的は十分に満たしているので、投資対効果がイマイチです。

 すると店員さんは「撮影がメインなら、BORGがお勧めですよ。」と、私には耳慣れないブランド名が出てきました。「来たな! セールストーク。こうやって優秀なセールスマンは巧みに上級機種へ誘導するんだ。」と自制しながらも、「BORGって、何ですか?」と聴いてみました。「こちらに展示していますよ」と案内されたところには、真っ白い鏡筒の天体望遠鏡がいっぱい並んでいます。しかし、その中に一台、えらくスリムな一本が、天体のある上向きではなく、三脚の上に水平に取り付けられています。しかし、口径は45mmと聞いて、「エっ?暗くないの?」と質問すると、「...(途中省略)...F11相当、実はすごく明るいです。」との意外な答え。私の頭の中は、完全に混乱してしまいました。何でこんな小口径でシンプルな構造で、明るく高倍率が出来るの? 店員さん曰く、「撮影にはお勧め出来る代わりに、観察する目的にはイマイチな点もあるんです。一眼で撮影する人には大人気ですよ。」

 そうか、やっと判ってきたぞ。一眼レフカメラの超望遠レンズの代わりに、望遠鏡の対物レンズをとりつけるんだ! 明るさや歪みなどの原因になるプリズムもなし。倒立の問題は、プリズムの代わりにカメラが対応してくれる。長さは少し長くなるけど、スリムで軽量なので機動性も問題なし。たまたま自分の一眼カメラは撮像素子が小さいフォーサーズ規格なので、倍率の面ではさらに有利。価格は予定していたED52-Sのセットより3割ほどアップするが、まぁ許容範囲か(甘いね~)。一気にグラついてしまったのでした。「在庫はありますか?」と聞くと、「人気商品で品薄なんです。今、調べてきます」と。数分してセールスさん、「最後の一台があります。フォーサーズ用のアダプタもセットです。」 やられたな~、この言葉には弱いんだよな~ でも即決してしまいました。BORG 45EDⅡ望遠レンズセット ¥54,800.- 衝動買い.

 家に帰ってセットの箱を開けると、中は大小7個もの小箱に入ったパーツに分かれています。何しろすべてのパーツはほぼ同じ直径の円筒形ですから、組み立てと言っても正しい順番に繋ぎ合わせるだけ。しかし、望遠鏡ビギナーの自分には、これがなかなか難しいのです。幸いシンプルで判りやすい組み立て図(下)と、ほとんどのパーツに識別番号が刻印されているので、それほど悩むことなく無事に組み立てできました。

  三脚に取り付け、オリンパス E-410を取り付け、ほぼ野外での使用時の長さに鏡筒を延ばしたところです。

ちょっと見たところ、とてもフィールドスコープには見えない、常識破りのスタイルです。収納時にはカメラボディを外して、鏡筒を短く出来ますが、それでも組み立てた状態で325mmあります。小型の三段三脚が足を縮めると約37cmですから、それより少し短いくらいです。幸い、全長にわたってほぼ均一な約7cmの直径なので、荷物のパッキングにはうまく収まりそうです。

 フォーカシングは、まずは大まかに白色の鏡筒部分をスライドさせてピントを合わせ、さらに前方のヘリコイドを回転させてピントを微調整します。工作精度はとても精密な感じで、白色鏡筒のスライドやヘリコイドの回転にはギクシャクした感じが一切なく、スムーズでしっかりした手応えがあります。さっそく試してみたいのですが、最短撮影長が5mなので、自分の部屋では端から端でもピントが合いません。窓を開けて屋外の被写体に向けてみるのですが、すでに日も暮れてレンズ越しでは遠方の景色は暗くて何も判りません。手持ちでフラフラを向きを変えていると、ふと数百メートル先のマンションの一室の窓の明かりがボンヤリと視野に入ってきました。ヘリコイドでピントを微調整すると、何とそんな先のマンションの室内がはっきりと見えるではありませんか! こんなに暗くて、しかも手持ちで。 期待した以上の倍率、鮮明さ、明るさで、満足というより驚きのファーストインプレッションでした。


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