ミネアポリス。
アナタはその街を、アメリカの地図の中で指さすことができるか!
・・・いえ、すみません。ワタクシもできません。
しかし、そんな、どこだか解らない街に、ワタクシはすでにいるのでして、それももう、かれこれ数時間、こうして座り込んでいるのです。
そう、ミネアポリス・セントポール国際空港A-13ゲートの床の絨毯の上に!
ええ、モチロンお話ししようじゃありませんか、ここまでのワタクシの壮絶な旅というところのものを。
みなさん、ワタクシは40歳のおっさん・吉田ナゴヤという者でして、今回訳あって単身オクラホマシティというところに行こうとしているところの、善良な観光客です。
しかし、それがどうして、こんな目に遭わされなきゃならないのか!
8月1日の午後、成田を発ちまして、ミネアポリスに着いたのが8月1日の12:55。
この辺、おなじみの時差による魔法が、早くも発生しているわけです。
で、ここからオクラホマシティ行きの便が14:15発。
着くまでは、
「待ち時間が少なくてすむな。よかった」
と思っていたのですが、実際着いてみてやっと解りました。
飛行機の乗り換えに1時間20分しかないってキツイんじゃないの?
ほんの少し不安になりつつ、入国審査に行ってみますと、朝のホノルル国際空港でも見ないような大混雑!
しかも、いくら待っても少しも列が進まないのです。
おいおいおいおい、こらこらこらこら。
入国審査なんて、形だけのもんだろ?
サッサとやればいいのに、何をそんなにもたついてるんだ?
あれか? ダラダラやれば仕事が少なくて済むって、お役所体質か?
ブツブツつぶやいていると、ようやく順番が回って来まして、はいはい、サイトシーイングで16デイズ! 早くしろ!
両手の指紋な。まず右手4本、OK? はい、じゃあ、右手親指・・・え? もういいの? 両手の指紋が決まりなんじゃないのかよ? そんなことでいいのか?
いや、そして、モタモタやってたんじゃなかったのかよ?
結局なんであんなに時間がかかってたのかはサッパリ解らないまま通過となりました。
じゃあ次は! また金属ゲートね! 成田でもやったのに、またやるのね!
はいはい、わかったわかった。どうせまたキンコン鳴るんだから、もう最初から全部脱ぐわ。
おれを裸にしろ、裸に!
わめいているうちに、ここもあっさりクリア。
外したものを身につけ直して時計を見て真っ青になりました。
もう出発時刻まで15分しかない! こんなのもう無理だろ!
飛行機って駆け込み乗車なんかできるわけないし!
しかし、そう思っても急いでしまうのがA型の悲しさ。
出発ゲートが「A-13」であることをモニターで確かめると、空港の通路を猛ダッシュしました。
これも後でわかるのですが、結局「A-13」の場所は、広い広いミネアポリス・セントポール国際空港の端っこの端っこなのでした。
それより先には「A-14」があるだけで、その向こうはもう滑走路というどん詰まり、最果ての地だったのです。
いや、そこまでを、走りましたね、ワタクシは。
動く歩道を全力疾走なんて初めての経験でしたよ。
しかし、とにかく是が非でも間に合わなければ!
オクラホマシティ行きの便が次にいつあるのかは知りませんし、レンタカー、宿泊場所も予約済み。
すべての予定が崩れてしまうわけだし、その修復は全部自分でやらなければいけないわけです。
知る人もいない! 英語で話す国で! できるわけないだろ、そんなこと!
走りましたとも。それ以外に何ができる。
もう時計も見ません。
何なら出発時刻をとうに過ぎてることなんかもう解ってるんです。
しかし! 走るしかない! オクラホマシティへ! 何としてもオクラホマシティへ!
行ったこともない街の名を心で必死に叫び、脂汗をまき散らしながら、空港を全力疾走する40男!
これが、こんなものが、楽しい海外旅行の真実の姿だなんて、誰が信じてくれるもんか。
・・・どのくらい走ったか、ようやく「A-13」に着いてみますと、なんだか不思議な空気が垂れこめていたのでした。
ゲート近辺の椅子は、乗客で占められていて、誰もが疲れたような顔で、奇妙にダラケ切ったムードになっています。
これは、もしや、と思ってカウンターにいた航空会社の人に聞いてみますと、
「悪天候のため、出発が14:51になりました」
とのこと! 時計を見ると14:25。やった、間に合ったんだ!
・・・いやでも、そんなのはたまたま天気が悪かっただけで、もしも晴れてたらワタクシは乗り遅れ。
そもそもこの乗り継ぎには無理があったんじゃないのか!
まぁ、それでも一応セーフはセーフ。
ホッとして、絨毯に座り込む(もう椅子は空いてなかったんです)ワタクシでしたが、さあ、しかし、これでは何も終わってはいないのです。
まだオクラホマに着いたわけじゃありませんからね。
で、今度は、この飛行機が遅れに遅れを重ね出したのです!
全く、一難去ってまた一難。
しかしまぁ、こちらはワタクシにはどうしようもない神の味噌汁、みなさまと同じようにダラケ切るしかありませんでした。
ここでは冷房がキツかったんですよね。
一応と思って持ってきた上着は、預けたスーツケースの中。
アロハ1枚で寒さに震えました。
結局飛行機、14:51なんてのは大嘘で、1時間遅れ、2時間遅れ、ミネアポリスを発ったのが、なんと4時間遅れの午後6時過ぎ。
もはやとっくにオクラホマに着いてるはずの時刻にようやく出発ということで、もうヘトヘト。
さすがに乗り物で眠るのが得意でないワタクシも、この機内ではドリンクサービスも受けられないほどグッスリでした。
オクラホマシティ着は20:30くらいでしたが、外は夕焼けの真っ最中でビックリ。
荷物を受取って「Hertz」レンタカーのオフィスに向かいました。
バリバリの英語を気合いで聞き分けて、なんとか諸手続きを完了。
担当の快活でカワイイ女の子に案内されて、今回の相棒とご対面。
ワタクシを待っていました青のトヨタカローラの運転席に座って、いろいろゴチャゴチャやってるうちに、どうやら午後9時を過ぎたようで、ビビりながら空港の外へとカローラを運んでみますと、さすがに夜の雰囲気になっていました。
初のアメリカ本土でのドライブを、なんとナイターで飾れるなんて、感激!
空港からほど近いモーテル「La Quinta Inn」に到着しますと、ほぼ無言でベッドに倒れ込むワタクシだったのでした。
今回は、一体どういう旅をするつもりなのか、次回お知らせしますよ!
アナタはその街を、アメリカの地図の中で指さすことができるか!
・・・いえ、すみません。ワタクシもできません。
しかし、そんな、どこだか解らない街に、ワタクシはすでにいるのでして、それももう、かれこれ数時間、こうして座り込んでいるのです。
そう、ミネアポリス・セントポール国際空港A-13ゲートの床の絨毯の上に!
ええ、モチロンお話ししようじゃありませんか、ここまでのワタクシの壮絶な旅というところのものを。
みなさん、ワタクシは40歳のおっさん・吉田ナゴヤという者でして、今回訳あって単身オクラホマシティというところに行こうとしているところの、善良な観光客です。
しかし、それがどうして、こんな目に遭わされなきゃならないのか!
8月1日の午後、成田を発ちまして、ミネアポリスに着いたのが8月1日の12:55。
この辺、おなじみの時差による魔法が、早くも発生しているわけです。
で、ここからオクラホマシティ行きの便が14:15発。
着くまでは、
「待ち時間が少なくてすむな。よかった」
と思っていたのですが、実際着いてみてやっと解りました。
飛行機の乗り換えに1時間20分しかないってキツイんじゃないの?
ほんの少し不安になりつつ、入国審査に行ってみますと、朝のホノルル国際空港でも見ないような大混雑!
しかも、いくら待っても少しも列が進まないのです。
おいおいおいおい、こらこらこらこら。
入国審査なんて、形だけのもんだろ?
サッサとやればいいのに、何をそんなにもたついてるんだ?
あれか? ダラダラやれば仕事が少なくて済むって、お役所体質か?
ブツブツつぶやいていると、ようやく順番が回って来まして、はいはい、サイトシーイングで16デイズ! 早くしろ!
両手の指紋な。まず右手4本、OK? はい、じゃあ、右手親指・・・え? もういいの? 両手の指紋が決まりなんじゃないのかよ? そんなことでいいのか?
いや、そして、モタモタやってたんじゃなかったのかよ?
結局なんであんなに時間がかかってたのかはサッパリ解らないまま通過となりました。
じゃあ次は! また金属ゲートね! 成田でもやったのに、またやるのね!
はいはい、わかったわかった。どうせまたキンコン鳴るんだから、もう最初から全部脱ぐわ。
おれを裸にしろ、裸に!
わめいているうちに、ここもあっさりクリア。
外したものを身につけ直して時計を見て真っ青になりました。
もう出発時刻まで15分しかない! こんなのもう無理だろ!
飛行機って駆け込み乗車なんかできるわけないし!
しかし、そう思っても急いでしまうのがA型の悲しさ。
出発ゲートが「A-13」であることをモニターで確かめると、空港の通路を猛ダッシュしました。
これも後でわかるのですが、結局「A-13」の場所は、広い広いミネアポリス・セントポール国際空港の端っこの端っこなのでした。
それより先には「A-14」があるだけで、その向こうはもう滑走路というどん詰まり、最果ての地だったのです。
いや、そこまでを、走りましたね、ワタクシは。
動く歩道を全力疾走なんて初めての経験でしたよ。
しかし、とにかく是が非でも間に合わなければ!
オクラホマシティ行きの便が次にいつあるのかは知りませんし、レンタカー、宿泊場所も予約済み。
すべての予定が崩れてしまうわけだし、その修復は全部自分でやらなければいけないわけです。
知る人もいない! 英語で話す国で! できるわけないだろ、そんなこと!
走りましたとも。それ以外に何ができる。
もう時計も見ません。
何なら出発時刻をとうに過ぎてることなんかもう解ってるんです。
しかし! 走るしかない! オクラホマシティへ! 何としてもオクラホマシティへ!
行ったこともない街の名を心で必死に叫び、脂汗をまき散らしながら、空港を全力疾走する40男!
これが、こんなものが、楽しい海外旅行の真実の姿だなんて、誰が信じてくれるもんか。
・・・どのくらい走ったか、ようやく「A-13」に着いてみますと、なんだか不思議な空気が垂れこめていたのでした。
ゲート近辺の椅子は、乗客で占められていて、誰もが疲れたような顔で、奇妙にダラケ切ったムードになっています。
これは、もしや、と思ってカウンターにいた航空会社の人に聞いてみますと、
「悪天候のため、出発が14:51になりました」
とのこと! 時計を見ると14:25。やった、間に合ったんだ!
・・・いやでも、そんなのはたまたま天気が悪かっただけで、もしも晴れてたらワタクシは乗り遅れ。
そもそもこの乗り継ぎには無理があったんじゃないのか!
まぁ、それでも一応セーフはセーフ。
ホッとして、絨毯に座り込む(もう椅子は空いてなかったんです)ワタクシでしたが、さあ、しかし、これでは何も終わってはいないのです。
まだオクラホマに着いたわけじゃありませんからね。
で、今度は、この飛行機が遅れに遅れを重ね出したのです!
全く、一難去ってまた一難。
しかしまぁ、こちらはワタクシにはどうしようもない神の味噌汁、みなさまと同じようにダラケ切るしかありませんでした。
ここでは冷房がキツかったんですよね。
一応と思って持ってきた上着は、預けたスーツケースの中。
アロハ1枚で寒さに震えました。
結局飛行機、14:51なんてのは大嘘で、1時間遅れ、2時間遅れ、ミネアポリスを発ったのが、なんと4時間遅れの午後6時過ぎ。
もはやとっくにオクラホマに着いてるはずの時刻にようやく出発ということで、もうヘトヘト。
さすがに乗り物で眠るのが得意でないワタクシも、この機内ではドリンクサービスも受けられないほどグッスリでした。
オクラホマシティ着は20:30くらいでしたが、外は夕焼けの真っ最中でビックリ。
荷物を受取って「Hertz」レンタカーのオフィスに向かいました。
バリバリの英語を気合いで聞き分けて、なんとか諸手続きを完了。
担当の快活でカワイイ女の子に案内されて、今回の相棒とご対面。
ワタクシを待っていました青のトヨタカローラの運転席に座って、いろいろゴチャゴチャやってるうちに、どうやら午後9時を過ぎたようで、ビビりながら空港の外へとカローラを運んでみますと、さすがに夜の雰囲気になっていました。
初のアメリカ本土でのドライブを、なんとナイターで飾れるなんて、感激!
空港からほど近いモーテル「La Quinta Inn」に到着しますと、ほぼ無言でベッドに倒れ込むワタクシだったのでした。
今回は、一体どういう旅をするつもりなのか、次回お知らせしますよ!