ワ「いやぁ、こないだの東京湾もおもしろかったね!
さぁ、じゃ、次どこ行く?」
うん、そうですね。
まず、この問いかけからしておかしい。何か間違っとる。
いい年したおっさん達が、こうも散歩ばっかりしてていいのでしょうか?
「もっとこう、何かやるべきことがあるんじゃないのかい?」とおっしゃるムキもありましょう。
しかし、それにしても、あまりにも散歩が絶好調で、もはや歯止めの利かないワタクシ達なのですよ!
東京やその周囲にもまだまだ楽しめる場所がたくさんあることに気づいたものですから、もっとドンドン攻めて行きたいわけです。
間違ってたって、かまうもんか!
おれは行くんだ! 楽しい散歩に!
高「そうだな、海辺が続いたから、内陸方面はどうだろう?」
ワ「・・・とすると、埼玉だな。近いし、ほとんど行ったことないし・・・おお、そうだ!」
最近見た本に、埼玉県を代表する観光地「長瀞(ながとろ)」のことが載っていたのを思い出したのです。
特別天然記念物「岩畳」は、ぜひ一度見てみたい!
しかも、そこを流れてる川を舟に乗って下ることもできるんですよ!
これはいい! 絶対行こう! そうしよう! と例によって強硬に提案。
じゃあ、まあ、そうしようか、と、ここまではスンナリ行ったのです。
ところが、行き方を調べるところで、えらくつまづきました。
まず、遠い!
東京近郊路線図を見ていると、ナゴヤ堂アジトのある荻窪からは、中央線で八王子か拝島あたりまで。
そこからJR八高線という、乗ったこともない電車に乗ることになります。
八高線の「八」は「八王子」ですが、「高」って「高崎」のことですからね! 群馬県!
で、途中の寄居で秩父鉄道に乗り換え。
モチロン、これも乗ったことありません。
数駅行けばようやく目指す長瀞に到着できるわけです。遠いなあ!
しかし、それはまだ序の口でした。
かかる時間や金額を調べようと、路線情報、ま、ハッキリ言って「Yahoo!路線情報」で「荻窪→長瀞」で調べますと、どんなに頑張っても上記のルートが出てこないのです。
Y!「ま、悪いこと言わないから、黙って池袋へ出て東武東上線で行きなって。その方がいいって」
などと意味不明の回答。
ワタクシはまだしも、高倉仮面は川崎市に住んでいますので、一旦都心へ出るなんていうのはえらい無駄なのです。
お互いの妥協点と思われる立川あたりで合流、ということにしたいじゃないですか。
ワタクシも意地になりまして、経由駅に「立川」を入れて再度調べますと、なんとY!の野郎は、
Y!「そうか、立川に寄りたいのか。じゃ、立川まで行ってUターンして、西国分寺から武蔵野線ってのがあるから・・・」
などと言い始めやがったのです。
どうもわざと八高線をシカトしているとしか思えません。
まさか、八高線には何か重大な秘密が・・・。
しかし、まぁ、冷静に考えれば、Y!は早く安く着けるルートを案内してくれているはずです。
八高線には一度乗ってみたかったところですが、時間がかかるんじゃしょうがない、ってことで、高倉仮面に電話で、
ワ「・・・というわけだから、立川集合から考え直さなきゃならんな」
と言いますと、意外にも高倉仮面は、
高「でも、せっかくだから八高線に乗りたいだろ」
と言い出すのです。
あら、人のことを「鉄だ、鉄だ」言うわりに、高倉仮面さんも鉄道好きなんじゃん。
それなら、もう、そういうことで行きましょうか、と心置きなく当初の予定通り八高線を使うということでルートを決定しました。
めでたしめでたしだったのですが、しかし、その方法でまずまずの時間に長瀞に着くためには、結果的に朝8時に立川駅集合という非情なスケジュール!
そして、ワタクシ達も遊びのためなら、見事そいつを実行したことだね!
・・・というわけで、オープニングから必要以上にむくんだ顔のおっさん2人が電車に乗り込むことになったのでした・・・。
で、さて、八高線。
これのどこが、そんなに時間がかかるのか、と思っていたのですが、乗った途端にそれが解りました。
なんと、いきなり単線なのです!
線路が1組しか走っとらんのです!
と言うことは、そう! 駅に止まると、逆方向の電車とのすれ違い待ちが発生するのです! ほぼ毎駅!
ワ「いやぁ、一応まだ東京だろ!?」
ワタクシの叫びも虚しく、車窓はどんどん山の中の景色に。
高「これ、アレだな、吉田くん。ボクら、こんな方向の趣味がさらに進んじゃったら、そのうち猟銃とか持つようになっちゃって・・・」
ワ「そっちへ進むのか! 毛皮のベスト着て、アライグマのしっぽの帽子かぶって、ってかい?」
高「おれ、猟友会入っちゃったわ、とか言い出しちゃうんだぞ?」
ワ「高倉、散弾銃の所持許可取った? まだ? ダメだなぁ!」
高「遊びに行ったら、キミが足を縛ったイノシシを持って帰ってきて『ちょうどよかった! 鍋にしようぜ!』とか言い出して・・・」
ワ「余ったから持ってけ、なんていって、帰りに肉を持たされたりな」
いや、さすがにそっちの方向へは進まないと思うんですが・・・。
さて、八高線とは言うものの、実は八王子から高崎へ直通する電車は1本もないのですね。
八王子から出た電車は、ほとんどが川越行き。
高崎方面へは、途中の「高麗川」駅で乗り換えなきゃいけないのです。
そして、そこからが非電化区間。
いよいよローカル線として本気を出してきます。
いきなり、見たこともないような電車が姿を現しました。
高「なんか、かわいいね」
ワ「いい色だね」
おっさん達には、おおむね好評。
こいつで、秩父鉄道との乗換駅「寄居」を目指します。
高麗川駅を出た途端、
「次はモロに止まります」
というアナウンスがあって爆笑しました。
ワ「いや! モロはちょっと! できれば少しぼやかして止まっていただいた方が!」
ま、「毛呂」駅なんですけどね。
他にも、いまどき珍しいキンチョールだかハイアースだかの琺瑯看板があったり(すみません、ワタクシは看板ファンでもあるのです)、セメント工場が見えたり(工場ファンでもあるのです)、さすがローカル線、なかなか楽しめました。
やっぱり、多少無理しても八高線で来てよかった!
寄居駅に着きまして、勇んでホームに降り立ちますと、
もう、イキナリこんな景色ですもんね!
いやぁ、さっきまで東京にいたんですけど・・・。
秩父鉄道に乗り換え。
これも初めて乗るわけですが、秩父鉄道と言えば、いろんな電車の払い下げ車両の再利用が有名だそうです。
待ってますと、まず逆方向の電車が来まして、これは総武線の黄色い車両。
さらに、ワタクシ達が乗った電車は、ブルーの京浜東北線色でした。
鉄道マニアの方には、たまらないでしょうね!
ワタクシは違いますけどね!
で、10分ちょいも乗りますと、長瀞駅に到着しました。
テレビの撮影スタッフの方々も、この看板を一所懸命撮っておられました。
何の番組でしょう? アド街?
<つづく>
さぁ、じゃ、次どこ行く?」
うん、そうですね。
まず、この問いかけからしておかしい。何か間違っとる。
いい年したおっさん達が、こうも散歩ばっかりしてていいのでしょうか?
「もっとこう、何かやるべきことがあるんじゃないのかい?」とおっしゃるムキもありましょう。
しかし、それにしても、あまりにも散歩が絶好調で、もはや歯止めの利かないワタクシ達なのですよ!
東京やその周囲にもまだまだ楽しめる場所がたくさんあることに気づいたものですから、もっとドンドン攻めて行きたいわけです。
間違ってたって、かまうもんか!
おれは行くんだ! 楽しい散歩に!
高「そうだな、海辺が続いたから、内陸方面はどうだろう?」
ワ「・・・とすると、埼玉だな。近いし、ほとんど行ったことないし・・・おお、そうだ!」
最近見た本に、埼玉県を代表する観光地「長瀞(ながとろ)」のことが載っていたのを思い出したのです。
特別天然記念物「岩畳」は、ぜひ一度見てみたい!
しかも、そこを流れてる川を舟に乗って下ることもできるんですよ!
これはいい! 絶対行こう! そうしよう! と例によって強硬に提案。
じゃあ、まあ、そうしようか、と、ここまではスンナリ行ったのです。
ところが、行き方を調べるところで、えらくつまづきました。
まず、遠い!
東京近郊路線図を見ていると、ナゴヤ堂アジトのある荻窪からは、中央線で八王子か拝島あたりまで。
そこからJR八高線という、乗ったこともない電車に乗ることになります。
八高線の「八」は「八王子」ですが、「高」って「高崎」のことですからね! 群馬県!
で、途中の寄居で秩父鉄道に乗り換え。
モチロン、これも乗ったことありません。
数駅行けばようやく目指す長瀞に到着できるわけです。遠いなあ!
しかし、それはまだ序の口でした。
かかる時間や金額を調べようと、路線情報、ま、ハッキリ言って「Yahoo!路線情報」で「荻窪→長瀞」で調べますと、どんなに頑張っても上記のルートが出てこないのです。
Y!「ま、悪いこと言わないから、黙って池袋へ出て東武東上線で行きなって。その方がいいって」
などと意味不明の回答。
ワタクシはまだしも、高倉仮面は川崎市に住んでいますので、一旦都心へ出るなんていうのはえらい無駄なのです。
お互いの妥協点と思われる立川あたりで合流、ということにしたいじゃないですか。
ワタクシも意地になりまして、経由駅に「立川」を入れて再度調べますと、なんとY!の野郎は、
Y!「そうか、立川に寄りたいのか。じゃ、立川まで行ってUターンして、西国分寺から武蔵野線ってのがあるから・・・」
などと言い始めやがったのです。
どうもわざと八高線をシカトしているとしか思えません。
まさか、八高線には何か重大な秘密が・・・。
しかし、まぁ、冷静に考えれば、Y!は早く安く着けるルートを案内してくれているはずです。
八高線には一度乗ってみたかったところですが、時間がかかるんじゃしょうがない、ってことで、高倉仮面に電話で、
ワ「・・・というわけだから、立川集合から考え直さなきゃならんな」
と言いますと、意外にも高倉仮面は、
高「でも、せっかくだから八高線に乗りたいだろ」
と言い出すのです。
あら、人のことを「鉄だ、鉄だ」言うわりに、高倉仮面さんも鉄道好きなんじゃん。
それなら、もう、そういうことで行きましょうか、と心置きなく当初の予定通り八高線を使うということでルートを決定しました。
めでたしめでたしだったのですが、しかし、その方法でまずまずの時間に長瀞に着くためには、結果的に朝8時に立川駅集合という非情なスケジュール!
そして、ワタクシ達も遊びのためなら、見事そいつを実行したことだね!
・・・というわけで、オープニングから必要以上にむくんだ顔のおっさん2人が電車に乗り込むことになったのでした・・・。
で、さて、八高線。
これのどこが、そんなに時間がかかるのか、と思っていたのですが、乗った途端にそれが解りました。
なんと、いきなり単線なのです!
線路が1組しか走っとらんのです!
と言うことは、そう! 駅に止まると、逆方向の電車とのすれ違い待ちが発生するのです! ほぼ毎駅!
ワ「いやぁ、一応まだ東京だろ!?」
ワタクシの叫びも虚しく、車窓はどんどん山の中の景色に。
高「これ、アレだな、吉田くん。ボクら、こんな方向の趣味がさらに進んじゃったら、そのうち猟銃とか持つようになっちゃって・・・」
ワ「そっちへ進むのか! 毛皮のベスト着て、アライグマのしっぽの帽子かぶって、ってかい?」
高「おれ、猟友会入っちゃったわ、とか言い出しちゃうんだぞ?」
ワ「高倉、散弾銃の所持許可取った? まだ? ダメだなぁ!」
高「遊びに行ったら、キミが足を縛ったイノシシを持って帰ってきて『ちょうどよかった! 鍋にしようぜ!』とか言い出して・・・」
ワ「余ったから持ってけ、なんていって、帰りに肉を持たされたりな」
いや、さすがにそっちの方向へは進まないと思うんですが・・・。
さて、八高線とは言うものの、実は八王子から高崎へ直通する電車は1本もないのですね。
八王子から出た電車は、ほとんどが川越行き。
高崎方面へは、途中の「高麗川」駅で乗り換えなきゃいけないのです。
そして、そこからが非電化区間。
いよいよローカル線として本気を出してきます。
いきなり、見たこともないような電車が姿を現しました。
高「なんか、かわいいね」
ワ「いい色だね」
おっさん達には、おおむね好評。
こいつで、秩父鉄道との乗換駅「寄居」を目指します。
高麗川駅を出た途端、
「次はモロに止まります」
というアナウンスがあって爆笑しました。
ワ「いや! モロはちょっと! できれば少しぼやかして止まっていただいた方が!」
ま、「毛呂」駅なんですけどね。
他にも、いまどき珍しいキンチョールだかハイアースだかの琺瑯看板があったり(すみません、ワタクシは看板ファンでもあるのです)、セメント工場が見えたり(工場ファンでもあるのです)、さすがローカル線、なかなか楽しめました。
やっぱり、多少無理しても八高線で来てよかった!
寄居駅に着きまして、勇んでホームに降り立ちますと、
もう、イキナリこんな景色ですもんね!
いやぁ、さっきまで東京にいたんですけど・・・。
秩父鉄道に乗り換え。
これも初めて乗るわけですが、秩父鉄道と言えば、いろんな電車の払い下げ車両の再利用が有名だそうです。
待ってますと、まず逆方向の電車が来まして、これは総武線の黄色い車両。
さらに、ワタクシ達が乗った電車は、ブルーの京浜東北線色でした。
鉄道マニアの方には、たまらないでしょうね!
ワタクシは違いますけどね!
で、10分ちょいも乗りますと、長瀞駅に到着しました。
テレビの撮影スタッフの方々も、この看板を一所懸命撮っておられました。
何の番組でしょう? アド街?
<つづく>