さあ、何とかすべての渡船に乗れまして目的は果たしたのですが、最後の落合上渡船を降りたところに気になるものがありました。
昨日上げた動画にもちらっと映ってますが、これ。
どうもクリスマスということで、飾り付けをしたボートみたいです。
サンタさんも乗っかってますね。
個人の持ち物なのかな・・・?
写真を撮っていますと、渡船場の係員の方がやってきました。
ワ「これ、何ですか?」
の最初の「こ」あたりで、
係「これね、クリスマスボートですわ」
何も聞いていないのに教えてくださいました。
とても気さくな方のようです。
ワ「へええ。お客さん乗せるんですか?」
係「いや、ここでは、ちょっと走らせてお客さんに楽しんでもらうだけです。
あの、今、中之島でなんかにぎやかにやってるでしょ?」
ワ「ああ、あひるとか展示してますね」
係「明日は、そこでお客さん乗せて走る予定ですけどね」
ワ「そうなんですか! 僕、明日中之島にいますよ。あひるを見に大阪に来たんで」
ワタクシは、あひるちゃんと渡船は関係ないだろうけど、「水の都」の違った面を一度に見るのもおもしろいかも、と思っただけだったのですが、関係ないどころか、こんなところで絡んでくるとは!
さらに、こんな貴重なお話も!
係「あのあひる、前回9月に展示してから今回まで、もっと南の方にある倉庫で保管しとったんですけどね、前回終わった時に、ここを船に引かれて通りかかったんですわ」
ワ「へええ!」
あのあひるちゃんが船に引かれてしずしず進んでいく絵を思わず想像したのですが、もう一人の係の方にすかさず、
係2「空気抜いて、しぼんでましたけどね」
って言われてしまいました!
あはは。まぁ、そりゃあそうか。
この辺りは橋が高くて、大きな船も、それこそあひるちゃんでも行き来できるわけですが、中之島辺りはそうはいきません。
現にあひるちゃん展示場所も、低い橋に挟まれたところでして、この日の早朝にあひるちゃん撮影をしたワタクシは、その橋のおかげであひるちゃんの周囲をぐるりと回れたのですから、その恩を忘れちゃイカンですね。
しかし、前にも書いたように、橋が高いのが理由で未だに渡船が残っているわけですし、あひるちゃんと渡船って関係ないようで微妙に関係あるんですね・・・。
この後、さらに係の方が、
係「ちょっと点けてみましょか」
と言ってくださって、クリスマスボートのイルミネーションを点けて見せてくださいました!
係「ま、乗るよりも、外から見てる方がキレイですわ」
って係の方はおっしゃってて、思わず笑ってしまいましたが、いや、そうと知っていても、実際に会場で見たら、やっぱり乗ってみたいですよね!
(ちなみに、翌日、あひるちゃんのそばで探しましたが、このボートを見つけられませんでした)
それにしても、この時の落合上渡船場の係の方々は、楽しそうにお仕事をされてると言いますか、本当に渡船が好きなのだろうな、とワタクシは感じました。
こんな看板も、そう思って見ますと、また実にいい味わいですね。
貴重なお話など、ありがとうございました!
なんだか少し暖かい気持ちになって落合上渡船場を後にしたワタクシ。
渡船に全部乗ったので、さっきからこの木津川を3回も渡っているわけですが、4回目は徒歩で渡ることになりました。
少し北へ歩いたところにあった橋を渡ります。
なんかもう使われなくなった「卸売市場」みたいなのがありました。
この広さにちょっとグッときますね。
さらにさっき渡船から見た木津川水門がよく見えました。さっきとは反対側ですね。
水門の奥、右の方に、ワタクシが降りた方の渡船場が見えます。
さて、一応ワタクシは今日のゴールとして、南海汐見橋線の「木津川」駅を設定していたのでした。
汐見橋線は、確かに南海電鉄(http://www.nankai.co.jp/traffic/index.html)の一路線のはずですが、公式サイトで路線図(http://www.nankai.co.jp/traffic/railmap/index.html)を見ても「汐見橋線」の表記は見当たりません。
昔は汐見橋駅が南海高野線の始発駅だったはずですが、いつのまにか高野線も「なんば」から出ていることになってしまっています。
今や高野線とも分離された、ごく短い区間を結ぶ電車で、1日中ほぼどの時間帯でも30分に1本というどうみてもローカル線みたいなスタイル。
しかしですね! 汐見橋駅のすぐそばにある阪神なんば線「桜川」駅は、あのミナミの象徴「なんば」駅の隣なのですよ!
大都市大阪のど真ん中にローカル線みたいな電車が走っているというのが、どうもうまく理解できなかったのですが、大丈夫、理解する必要なんてありませんでした。
百聞は一見にしかず、という言葉が、これほど似つかわしい状況もないでしょう。
だってね、「木津川」駅、こんなですよ!
うわー。ワタクシの大好きなロマンあふれる駅舎! そして、駅の中から逆向きに撮ってみますと・・・
これです。
駅から一歩出たらジャリってどういうこと!?
本当に大阪市か、ここ!?
駅の中に遮断機があるというのも、今となってはとても珍しく、鉄心をくすぐるものがありますが、それにしてもこの絵は、完璧に小湊鉄道とかの雰囲気ですよね!
小湊行った時は、
「東京からたった2時間でこんな景色に出会えるなんて!」
と感動しきりのワタクシでしたが、これは2時間どころか大阪市そのものですからね!
いやぁ、さすがは西成区としか言いようがありません・・・。
ワタクシ以外の人影が全く見えない駅で、タップリ30分電車を待たされました・・・。
なんか、怖いよう・・・。
・・・あれ?
ところで、なんか、これに似た経験が昔あったような・・・ああ! 思い出した!
ワタクシ、大学の頃、この近くの教習所に通ったって言ったじゃないですか!
いつもは送迎バスで、大学への乗り換え駅まで送ってもらってたんですが、ある時教習後に時間があったもので、ふと思い立って歩いて帰ろうと思ったのですね。
別にいつもの駅まで歩かなくてもいいや。
あんまり知らないところだけれど、大阪市だし、歩いていれば駅にぐらい着くだろう、くらいの軽い気持ちで歩き出したのですが、これが見事にどこにも着かないのです。
見たことないような商店街だとかを散々さ迷い歩いて、ヘトヘトになるし、今どこにいるのかサッパリ解らないし、しまいには泣きそうな気分で歩き回りました。
だんだん、もしかすると本当に帰れないんじゃないだろうか、とかバカなことを考えさせるだけの迫力が、その時歩いた景色の中にはあったのです。
とっぷり日も暮れて、いよいよ本気であせりだした頃に、信じられないほどボロい駅にたどり着きまして、とにかくもう、どこへでもいいから、ここから連れ出してほしいという気持ちで長いこと電車を待った、ということがあったのでした。
あれは、多分この汐見橋線のどこかの駅だったのでしょうね。
あの時、どんどん知らない世界に埋もれていくような不安な気分になったのは、大阪市の中でも異世界と言われるこの辺り、西成区の雰囲気が、ワタクシがそれまで思っていた「大阪」の空気と全く違っていたからなのでしょう。
しかし、今、あれから20年ほどを経て、ようやくその時の「異世界」のことが解ったわけですが、
「なあんだ、この程度のことを、あんなに怖がってたのか」
なんていう風にちっとも思えないところがスゴイ。
西成は、今も変わらぬ迫力でそこに存在していまして、相変わらずワタクシにとっては「異世界」なのでした。
ようやく電車が来まして、終点の汐見橋まで乗ったのですが、さっきも言ったように「なんば」の隣りであるはずの汐見橋駅も、またものすごい迫力。
もはや不条理な力すら感じるレベルです。
何が、ここを、こんなにまで!?
この汐見橋線、大阪市にいながらにしてローカル線気分が味わえますのでオススメなのですが、ワタクシを誘うなら、明るいうちにしてくださいね!
汐見橋駅からすぐの所に阪神なんば線の「桜川」駅がありまして、この路線自体が新しいものですから駅なんかピカピカでした。
近鉄電車に直通になってますので、そこからは一本で生駒山の実家まで。
今回は久々に大阪をウロウロした気がします。
メインの渡船もバッチリ楽しめたのですが、さらに工場、ジャンクション、水門、橋、いろんな建物や街など、周りにあった諸々がいちいちおもしろかったのが、この日を内容濃く楽しめた要因だと思います。
この周辺の地域に、また歩きに来なければいけない理由が、たくさんできたような気がしますもんね。
とりあえず、渡船ツアーは季節がよくなったらまたもう一度、さらに工場風景巡りなんかも合わせてやりたいものです。
興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、次回はぜひご一緒しましょう!
・・・とは言っても、この遊び、かなり歩きますけどね!
<大阪渡船一日で全部乗り 完>
昨日上げた動画にもちらっと映ってますが、これ。
どうもクリスマスということで、飾り付けをしたボートみたいです。
サンタさんも乗っかってますね。
個人の持ち物なのかな・・・?
写真を撮っていますと、渡船場の係員の方がやってきました。
ワ「これ、何ですか?」
の最初の「こ」あたりで、
係「これね、クリスマスボートですわ」
何も聞いていないのに教えてくださいました。
とても気さくな方のようです。
ワ「へええ。お客さん乗せるんですか?」
係「いや、ここでは、ちょっと走らせてお客さんに楽しんでもらうだけです。
あの、今、中之島でなんかにぎやかにやってるでしょ?」
ワ「ああ、あひるとか展示してますね」
係「明日は、そこでお客さん乗せて走る予定ですけどね」
ワ「そうなんですか! 僕、明日中之島にいますよ。あひるを見に大阪に来たんで」
ワタクシは、あひるちゃんと渡船は関係ないだろうけど、「水の都」の違った面を一度に見るのもおもしろいかも、と思っただけだったのですが、関係ないどころか、こんなところで絡んでくるとは!
さらに、こんな貴重なお話も!
係「あのあひる、前回9月に展示してから今回まで、もっと南の方にある倉庫で保管しとったんですけどね、前回終わった時に、ここを船に引かれて通りかかったんですわ」
ワ「へええ!」
あのあひるちゃんが船に引かれてしずしず進んでいく絵を思わず想像したのですが、もう一人の係の方にすかさず、
係2「空気抜いて、しぼんでましたけどね」
って言われてしまいました!
あはは。まぁ、そりゃあそうか。
この辺りは橋が高くて、大きな船も、それこそあひるちゃんでも行き来できるわけですが、中之島辺りはそうはいきません。
現にあひるちゃん展示場所も、低い橋に挟まれたところでして、この日の早朝にあひるちゃん撮影をしたワタクシは、その橋のおかげであひるちゃんの周囲をぐるりと回れたのですから、その恩を忘れちゃイカンですね。
しかし、前にも書いたように、橋が高いのが理由で未だに渡船が残っているわけですし、あひるちゃんと渡船って関係ないようで微妙に関係あるんですね・・・。
この後、さらに係の方が、
係「ちょっと点けてみましょか」
と言ってくださって、クリスマスボートのイルミネーションを点けて見せてくださいました!
係「ま、乗るよりも、外から見てる方がキレイですわ」
って係の方はおっしゃってて、思わず笑ってしまいましたが、いや、そうと知っていても、実際に会場で見たら、やっぱり乗ってみたいですよね!
(ちなみに、翌日、あひるちゃんのそばで探しましたが、このボートを見つけられませんでした)
それにしても、この時の落合上渡船場の係の方々は、楽しそうにお仕事をされてると言いますか、本当に渡船が好きなのだろうな、とワタクシは感じました。
こんな看板も、そう思って見ますと、また実にいい味わいですね。
貴重なお話など、ありがとうございました!
なんだか少し暖かい気持ちになって落合上渡船場を後にしたワタクシ。
渡船に全部乗ったので、さっきからこの木津川を3回も渡っているわけですが、4回目は徒歩で渡ることになりました。
少し北へ歩いたところにあった橋を渡ります。
なんかもう使われなくなった「卸売市場」みたいなのがありました。
この広さにちょっとグッときますね。
さらにさっき渡船から見た木津川水門がよく見えました。さっきとは反対側ですね。
水門の奥、右の方に、ワタクシが降りた方の渡船場が見えます。
さて、一応ワタクシは今日のゴールとして、南海汐見橋線の「木津川」駅を設定していたのでした。
汐見橋線は、確かに南海電鉄(http://www.nankai.co.jp/traffic/index.html)の一路線のはずですが、公式サイトで路線図(http://www.nankai.co.jp/traffic/railmap/index.html)を見ても「汐見橋線」の表記は見当たりません。
昔は汐見橋駅が南海高野線の始発駅だったはずですが、いつのまにか高野線も「なんば」から出ていることになってしまっています。
今や高野線とも分離された、ごく短い区間を結ぶ電車で、1日中ほぼどの時間帯でも30分に1本というどうみてもローカル線みたいなスタイル。
しかしですね! 汐見橋駅のすぐそばにある阪神なんば線「桜川」駅は、あのミナミの象徴「なんば」駅の隣なのですよ!
大都市大阪のど真ん中にローカル線みたいな電車が走っているというのが、どうもうまく理解できなかったのですが、大丈夫、理解する必要なんてありませんでした。
百聞は一見にしかず、という言葉が、これほど似つかわしい状況もないでしょう。
だってね、「木津川」駅、こんなですよ!
うわー。ワタクシの大好きなロマンあふれる駅舎! そして、駅の中から逆向きに撮ってみますと・・・
これです。
駅から一歩出たらジャリってどういうこと!?
本当に大阪市か、ここ!?
駅の中に遮断機があるというのも、今となってはとても珍しく、鉄心をくすぐるものがありますが、それにしてもこの絵は、完璧に小湊鉄道とかの雰囲気ですよね!
小湊行った時は、
「東京からたった2時間でこんな景色に出会えるなんて!」
と感動しきりのワタクシでしたが、これは2時間どころか大阪市そのものですからね!
いやぁ、さすがは西成区としか言いようがありません・・・。
ワタクシ以外の人影が全く見えない駅で、タップリ30分電車を待たされました・・・。
なんか、怖いよう・・・。
・・・あれ?
ところで、なんか、これに似た経験が昔あったような・・・ああ! 思い出した!
ワタクシ、大学の頃、この近くの教習所に通ったって言ったじゃないですか!
いつもは送迎バスで、大学への乗り換え駅まで送ってもらってたんですが、ある時教習後に時間があったもので、ふと思い立って歩いて帰ろうと思ったのですね。
別にいつもの駅まで歩かなくてもいいや。
あんまり知らないところだけれど、大阪市だし、歩いていれば駅にぐらい着くだろう、くらいの軽い気持ちで歩き出したのですが、これが見事にどこにも着かないのです。
見たことないような商店街だとかを散々さ迷い歩いて、ヘトヘトになるし、今どこにいるのかサッパリ解らないし、しまいには泣きそうな気分で歩き回りました。
だんだん、もしかすると本当に帰れないんじゃないだろうか、とかバカなことを考えさせるだけの迫力が、その時歩いた景色の中にはあったのです。
とっぷり日も暮れて、いよいよ本気であせりだした頃に、信じられないほどボロい駅にたどり着きまして、とにかくもう、どこへでもいいから、ここから連れ出してほしいという気持ちで長いこと電車を待った、ということがあったのでした。
あれは、多分この汐見橋線のどこかの駅だったのでしょうね。
あの時、どんどん知らない世界に埋もれていくような不安な気分になったのは、大阪市の中でも異世界と言われるこの辺り、西成区の雰囲気が、ワタクシがそれまで思っていた「大阪」の空気と全く違っていたからなのでしょう。
しかし、今、あれから20年ほどを経て、ようやくその時の「異世界」のことが解ったわけですが、
「なあんだ、この程度のことを、あんなに怖がってたのか」
なんていう風にちっとも思えないところがスゴイ。
西成は、今も変わらぬ迫力でそこに存在していまして、相変わらずワタクシにとっては「異世界」なのでした。
ようやく電車が来まして、終点の汐見橋まで乗ったのですが、さっきも言ったように「なんば」の隣りであるはずの汐見橋駅も、またものすごい迫力。
もはや不条理な力すら感じるレベルです。
何が、ここを、こんなにまで!?
この汐見橋線、大阪市にいながらにしてローカル線気分が味わえますのでオススメなのですが、ワタクシを誘うなら、明るいうちにしてくださいね!
汐見橋駅からすぐの所に阪神なんば線の「桜川」駅がありまして、この路線自体が新しいものですから駅なんかピカピカでした。
近鉄電車に直通になってますので、そこからは一本で生駒山の実家まで。
今回は久々に大阪をウロウロした気がします。
メインの渡船もバッチリ楽しめたのですが、さらに工場、ジャンクション、水門、橋、いろんな建物や街など、周りにあった諸々がいちいちおもしろかったのが、この日を内容濃く楽しめた要因だと思います。
この周辺の地域に、また歩きに来なければいけない理由が、たくさんできたような気がしますもんね。
とりあえず、渡船ツアーは季節がよくなったらまたもう一度、さらに工場風景巡りなんかも合わせてやりたいものです。
興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、次回はぜひご一緒しましょう!
・・・とは言っても、この遊び、かなり歩きますけどね!
<大阪渡船一日で全部乗り 完>