今日は、父の命日。亡くなって14年になります。
4月に降る雨は、父が亡くなる日のことをふと思い出してしまいます。
亡くなる2日前、父は奇跡的に私の肩を借りて起き上がることが出来ました。
病室の窓から見える桜が満開でした。
「ガリガリ君とざるそばが食べたい」
私は近くのコンビニで、買って来ました。
完食は出来なかったけれど、美味しそうに食べていました。
しかし、容態が急変し、危篤状態になりました。
いつ死んでもおかしくないと言われ、家の掃除を必死にしていましたが、なかなか思うように身体が動いてくれませんでした。
これから迎えようとする悲しい現実を、どう受け止めるべきか?
4ヶ月前に、父の実父が急死したばかりなのに。
立て続けに身内の不幸が続くなんて、信じたくありませんでした。
父は、中学を卒業してすぐに塗装の道に進んだ、所謂職人でした。
塗装だけにとどまらず、窓の付け替え、電気の配線など、別の意味で器用な技術を持っていました。
今となって、私も父のような職人気質を持つ仕事に就きたかったと、すごく後悔しています。
違う形で、仕事に携わっていますが。
まともに睡眠を取っていなかった母が、珍しくうたた寝している間に、父は静かに旅立ちました。
52年と、あまりにも短い人生でした。
再婚した頃は、あまり父のことが好きではありませんでした。
しょっちゅう母と殴り合いの大喧嘩をしたり、何度も何度も離婚すると言い争ったり。
思春期の頃は、本当に迷惑でした。
そんな親のことが嫌になり、自分が製造の道を志し、実家を出たにも関らず、数年後、うつが酷くなって帰阪すると決めた時、真っ先に迎えに来てくれたのは、父でした。
長旅にも関わらず、父は久々の九州の空気を思う存分楽しんでいました。
この先、長くない命だから、生きている内に色んなことを楽しみたかったのかもしれません。
半年後。
父の死と入れ替わりで、弟の初子が産まれました。
今年の春から中学2年です。