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遠き夏越

2015-08-31 | 日々是日記
全く先の見えぬ現実が、そびえ立っています。


母の手術は、無事に終わりました。

けれど、がん細胞が、まさかのstage3。

明確には言いませんでしたが、ほぼ進行性に近い癌でした。


一気に細胞を殺す為に、抗ガン剤投与が決まりました。



今日は、抗ガン剤投与の2回目までについて、振り返ります。



正直、私の中では、

抗ガン剤治療をする=余命宣告

というイメージが強かった。


けれど、実際に治療を続けてゆくことで気付いたのだが、それは、昔の癌治療のことであって、今はかなり進歩しているそうだ。


副作用の代表的な例で言えば、激しい嘔吐。

今は、嘔吐を抑える薬が出ており、昔と比較すれば進化はしている。

けれど、脱毛、口内炎、激しい倦怠感、時には、高熱に襲われることも。


母は、逃げなかった。

前向きに、ガンと向き合った。


だが、疑いの当初は、不安を隠しきれず、毎日のように泣いていた。

今なら、最初の絶望感が晴れなければ、滞りなくガン治療を続けられなかっただろう。


晴れたのは、手術前日ギリギリだった。


再び病院に戻る車の中で、短く切った母の髪を見て、

ヤマヒロみたいになるんや~、と、私が口にすると、

そや、ヤマヒロみたいになるんやで~、と、軽快に笑い飛ばす母。

覚悟は出来てるな…と、確信した。


1回目の投与で、70%近くの髪を失った。

白髪は全て抜け切った。

黒く生え変わるんや~と、1年後の自分に期待を馳せる母。

ヤマヒロさんみたいなおぼろ昆布状態のまま、外出時はウイッグ着用をしている。


投与中の食事は、ほぼ肉抜き。

魚や野菜類、特にスイカやゼリー、お粥ものを食べていた。

ご飯などの固形物は、あまり受け付け難い。

青汁も果敢に挑戦した。今や主食にするほど、毎日飲んでいる。


一番悩みだった便通と口内炎問題。

やはり、抗ガン剤の成分を含まれているからか、今まで気にしていなかった皮膚のただれが、一気に進行した。

(投与中、食べられなかった理由の一つが、口内炎でもある)

そこで、便通を打破すべき、液体を錠剤へ変えてもらったり、赤ちゃん用のお尻拭きを用意したり、より水分補給をマメにしたり。

肌の強かった母の、一つの盲点でもあった。


まだまだ伝えきれないくらい、とにかく、色んなことがあった。




ガンの闘いは、母だけではない。

家族皆の闘いだった。

仕事を蹴ってまで、母の代わりに、家のことを率先してきた。

不器用な弟も、力を貸してくれた。


そんな中で、

母のガンをきっかけに、今の自分の生き方に疑問を抱くようになった。


希望も、未来さえもない現場で、いつまでも全力を注ぎ続けている自分が馬鹿らしくなった。





悩みは続いた。

眠れない時もあった。



そして、自分なりに結論を出した。

この現場を辞めよう。と…。



派遣からバイトとして移籍出来た恩のきっかけになった部長殿は、もういない。

ならば、いる意味なんてない。


私がいない間、自分のフロアは、無茶苦茶になった。

何もかも、全て。


パートから社員になった先輩が、あんなに傲慢になっていくなんて。

露骨に現れてきた、本当の暗の部分………それを知ったとき、とても悲しかった。


吹っ切れたのは、7月に入ってからだった。


後輩・Aのシカトな態度を知ってから。

所詮、ガキはガキだった。


これ以上、ワヤな奴らと張り合うつもりもない。

自分から身を引く決意を出した。


けれど、次の進路が決まっていない。

どう見つけるべきか??

未だ、見つかっていない。





つづく(かもしれない?!)

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