snow tears

俳優の緒方拳さんが亡くなられた。

父と同じ肝臓を患ってらっしゃったのだ。

その一報を聞き、ふい病床の父を思い出した。


「まさか……親父が死ぬなんて…有り得ないよな」


不安でいっぱいになってしまった。

けれど、それを払拭しようと、一生懸命仕事に没頭した。

没頭したけれど、なかなか前に進めない。

私が必死に前へ進もうとしているのに、周囲の人間が阻止しようとしている。

阻止する力を跳ね返そうと、自分も必死になった。

しかし、いつまで経っても、阻止する力が大きくなるばかりだった。


そして……遂に、自分の中の感情が壊れてしまったのだ。


ぽたりぽたり……頬を伝う涙は、非常に冷たかった。

どうすることも出来ない自分。

何も出来ない自分。

それが悔しくて悔しくて、溜まらずに涙がこぼれてしまった。


色々とありすぎたこの二週間あまり。

色々とありすぎて、苦痛になった。

苦痛になって、又しても自分を追い込んでしまった。


何も先が見えてこない明日を、どう生きようか？

深く、強く、悩んでいる。