YOU-PROJECT BLOG

公演情報詳細


詳細情報の掲載準備が整いましたので、連載「演出家の眼」に代わってお知らせします。

なお、前記事にも掲載しましたが、今週のCDFワークショップはお休みです。


◇枚方なぎさ高校演劇部+演劇ユニットYOU企画「Par/sec」プレスリリース◇

■プロデュースより。

 2006年全国大会準優勝の枚方なぎさ高校演劇部と私が出会ったのは、普通の学校の授業でした。

枚方市にある“なぎさ”という洒落た名前を冠せられた府立高校は、総合選択制(ある程度大学のように授業を取れる)という科目の中で「演劇入門」「舞台芸術」というおよそ今までの教育行政から忘れ去られていたお洒落な芸術科目を持つ全国的にも特異な場所でした。

ちょうど2000年に演劇活動を開始し、旗揚げ公演を2001年4月に行ったYOU企画は、10年目を無事に終え新たな10年を迎えようとしています。「挑戦と継続」という芸術活動を行う団体としての命題を抱え、「新たな俳優と組みたい!」「新たな表現方法を開拓したい!」と私は考えていました。

そして、授業での縁が幸いし、枚方なぎさ高校演劇部の1,2年生との創作を開始いたしました。
私自身、学生時代には大いに燃えた秋の文化祭に向けてです。
学校の体育館という、懐かしく、また青春を思わせる会場で、実際に学校をも舞台にした作品を上演できるのです。

劇団粋雅堂が2009年に発表した戯曲「Par/sec」に出会った私は、この作品にプロジェクターやビデオカメラ・テレビモニターなどを駆使した演劇作品創作の可能性を感じました。
光に近い速度で遠ざかっていく宇宙船のコックピットや、宇宙を水素の林檎の中で見守り続ける少女を観続ける少年など、本当に面白い発想に対し、「演劇に不可能はない」と言い切る演出家としての意地と誇りが自分自身の中で沸き立ちました。

この「Par/sec」は、『ほしのこえ』『雲の向こう、約束の場所』『秒速5センチメートル』そして、今年公開された『星を追う子ども』と類を見ない特異なアニメーション作家である新海誠氏の初期の三作品の二次創作戯曲です。

2次元のアニメーションで新海氏が表現しようとしたことを、3次元の演劇で表現するこの大胆な試みをぜひ目撃してください。

■演出より
この作品を創り上げながら一つ思うのは、「閉ざされたものを観続ける」ということです。
それは「こじ開けるのではなく、見守る」とも言い換えられます。

10代、それも思春期特有のナイーブな感性。それが時に増幅され、とんでもない硬さでバリアーを張る子どもたち。
引きこもりやニートはホンの10年で見事に当たり前のことになってしまいました。
もちろん過去から10代という時期が多感で、傷つきやすかったのはそうでしょう。
しかし、パール・バックの「大地」で主人公が息子の反抗期に気づいたときのように、それが発展途上国ではあり得ない病であることもまた事実です。

現代日本において、この若者たちといかに向き合うか、否、若者たちこそどう向き合うのか。
どのように生きて、決めて、責任を持つようになるのか。
そんなことを日々つぶやきながら稽古場である高校に向かう毎日です。     


■物語 … 

『354メートル』
 準光速で航行する初の有人宇宙船の実験中、事故が起こり、彼女は遠く飛び去ってしまった。
彼女が帰還するまで、彼女の時間では24時間。そして、地球の、ぼくらの時間では30年――。
『光速に近い速度で飛行する物体中では、時間の進みが収縮する。』
相対性理論とローレンツ収縮の生む、時間と速さの物語。

『133センチメートル』
――都会の真ん中の、古びた図書室の書架を、向かい合わせにそれぞれの端から。
一冊に一歩ずつ。中学最後の都市、少年と少女は、ゆっくりと歩み始める。
お互いに向かって。そんな生活の中、少女は毎夜、夢を見る。
水素の林檎の中で、宇宙を見守り続ける少女の夢。
ひとりぼっちの宇宙で、宇宙を見守る少女と、それを観る少年の物語。

『(30万+1)キロメートル』
 「先生、質問が、あるんです。」大学で宇宙論を教える男の前に現れたのは、
12年前に死んだはずの少女。「先生、光の速さを越えた先には、何があるんですか?」
少女の問いに、止まっていた男の足が、ゆっくりと加速されてゆく。
光速の、その一歩先にある世界の物語。

■公演概要 …

日時:2011年9月10日〔土〕14:50-15:50
        11日〔日〕 9:00-10:00

会場:大阪府立枚方なぎさ高校体育館 (京阪御殿山駅下車大阪方面へ徒歩10分)

申し込み方法:tic@you-project.com に氏名と、当日連絡の取れるお電話番号を明記の上、観劇日時をご連絡ください。


■演出家プロフィール・YOU企画略歴 …

松浦 友(まつうら とも)
中学・高校演劇を経て,1999年劇団立命芸術劇場に入団後、2000年4月、演劇ユニットYOU企画を設立。
2002・3年と5月に長野県飯田にて演劇大学演出コース(講師:鈴木裕美、宮田慶子)を受講、6月にはロンドンにてPhilippe Goulier(フィリップ・ゴーリエ) に師事。
日本演出者協会「若手演出家コンクール」2004年、2005年度二次審査合格。
2002年9月より三年間、京都芸術センターアートコーデイネーター。
2001年から2008年までCTT事務局(代表:杉山準)所属。
2006年10月から2009年3月まで京都府立文化芸術会館にて事業企画。
枚方演劇連絡会2003-10年度運営委員。

○YOU企画略歴
2001年 4月 スペース・イサン東福寺にて、公演「ハーフ」(CTT上演会参加)
2002年 5月 樟葉公民館にて演劇的朗読会「本を読む―出会い―」を開催
2002年 8月 京都と枚方にて公演「ゲーム」
2002年12月 京田辺市にて、朗読オムニバス「本を読む・聞く」上演
2003年 9月 枚方市にて、「HELP!」上演
2003年12月 京田辺市にて、朗読オムニバス「本を読む~手紙・伝えたい何か」上演
2004年11月 京都市東山青少年活動センターにて「HELLO OUT THERE」上演
2005年12月 京都市東山青少年活動センターにて「Train~横光利一「幸福を計る機械」より~」上演
2006年 4月 アートコンプレックス1928(京都/提携公演)にて「ジュリエット」上演
2006年10月 アートコンプレックス1928(京都/提携公演)にて「ハーフ -Where the heart will be- 」上演
2009年 11月 Cocktail BARNAGISAにて「チェロとケチャップ」(作:金明和 翻訳:木村典子)上演
2010年 10月 Cocktail BARNAGISAにて「UNEQUAL」(原作:W.サローヤン 脚本:クスキユウ)上演


◆お問い合わせ◆
本公演に関するお問い合わせは、YOU-PROJECT事務局まで。
090-1713-3764 tic@you-project.com (@は半角にしてお送りください。)
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