宮古島の要塞化に反対する会

沖縄戦を繰り返すな!宮古島をはじめとする、琉球弧の軍事要塞化、自衛隊配備に反対します。

MLRとEABO

2023-06-20 21:24:55 | 主張

 今回は対中国封じ込め戦略における、米海兵隊の再編と戦略について見て行きます。
 米海兵隊は、現存する3個海兵連隊を改編して、海兵沿岸連隊(MLR)にする構想を持っています。手始めにハワイから、そして沖縄の海兵隊も2025年までにはMLR化され、地対艦ミサイルシステム(NMESIS…ネメシス)を持つことになります。参考資料によれば、
 それぞれのMLRは歩兵大隊及び長射程対艦ミサイル中隊を基幹とする沿岸戦闘団(Littoral Combat Team: LCT)を中心とし、防空、対空監視警戒、航空燃料・弾薬再補給を任務とする沿岸防空大隊(Littoral Anti-Air Battalion)及び兵站大隊(Combat Logistics Battalion)から編成される。
 のだそうです。

 これまで海兵隊は、敵地への殴り込み部隊として、実際はイラクやアフガニスタンにおいて地上戦を行う時に投入されています。(そのための訓練を沖縄でやっていたわけです)しかしそのような部隊では、中国の海空軍を「封じ込める」ことはできません。敵に奪われた島を”奪還”する戦力や装備は持っているのですが、それを行うためには制海権・制空権がなければならず、海兵隊単独でそれを確保することは出来ません。
 海兵隊を、琉球弧の島々を「第一列島線」として中国封じ込めに使うにはどうしたらよいか?そこで考えられているのが「遠征前進基地作戦(EABO)」です。資料によれば、在沖海兵隊ⅢMEF(第三海兵遠征軍)は
 III MEFは唯一これに特化して前方に配備されるスタンド・イン・フォース、すなわち、敵の軍事的影響力を受ける地域、例えばミサイルなどの長距離火力の射程内にあって、敢えて立ち向かい続ける部隊である。
 とのことで、具体的には相手にミサイルを撃ち込む部隊として、あらかじめ島々に展開しておくというものです。

 皆さまお気づきかと思いますが、これは宮古島を始め、石垣島や与那国島にミサイル部隊を配備している自衛隊と同じことをやろうとしているのです。ただ自衛隊の場合、島々に恒久的な基地(駐屯地や弾薬庫)を整備していますが、MLRでは自衛隊も米軍も普段は駐屯していない島に赴き、ミサイルを発射してはそこから離脱するというようなことを考えているようです。いわばミサイルの「撃ち逃げ」戦術ですね。

 米海兵隊の「EABO」戦略に合わせて、自衛隊もまた共同訓練・共同演習をしているようにも見えます。もちろん防衛戦略として、日米共同で動くことが求められるでしょう。しかし、EABOが日本の戦略…自衛隊ミサイル部隊を島々に置く…を規定しているのではなく、むしろ自衛隊の島々への展開に”刺激されて”米海兵隊が戦略を新たにしたのではないか?と考えるのが正しいのかも知れません。

参考資料:米海兵隊の作戦構想転換と日本の南西地域防衛 | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団

 






最新の画像もっと見る

コメントを投稿