「カラーパープル（1985）」

【THE COLOR PURPLE】
1986/09/13公開　アメリカ　153分
監督：スティーヴン・スピルバーグ
出演：ウーピー・ゴールドバーグ、マーガレット・エイヴリー、ダニー・グローヴァー、オプラ・ウィンフリー

STORY:1909年、ジョージア州の小さな町で、まだ幼い黒人の少女セリーが子供を産む。だが、生まれたばかりの赤ん坊はどこかへ連れ去られ、セリーは「ミスター」と呼ばれる男と結婚。4人の子を持つミスターの家で、家事に明け暮れる奴隷のような生活を送ることになるが... 

 

スティーヴン・スピルバーグ監督がピュリツアー賞受賞の原作（アリス・ウォーカー）を基に映画化した人間ドラマ。ある一組の黒人姉妹を主人公に、彼女たちに降りかかる様々な人生の障害を通し、二人の絆や愛情を40年に渡って追っていく物語。

ミュージカル版が公開されるのでその前に未見だったオリジナル版を鑑賞。20世紀初めのアメリカでは、男性の女性に対する扱いの酷さに驚く。言うことを聞かなければ殴って従わせる...恐ろしい時代。冒頭の主人公のセリーの出産シーンでは生まれてすぐに赤ちゃんから引き離されてしまう。その後は強引にミスターという男と結婚させられるが奴隷扱い、頼ってきた妹ネティとも離れ離れになってしまう....観ていてつらくなる展開だった。

そんな黒人女性たちが、白人や男性に奴隷のように扱われながらも、様々な出会いや経験から、生きるために勇気を持ち前に進んでいく物語。スピルバーグ監督はこの頃から難しい問題をテーマに作品を作られてたのね。さぞかしアカデミー賞ではたくさんの賞を獲得していると思いきや、10部門でノミネートされたのに無冠だったとのこと...映画業界でもいろいろある時代だったのかな。1985年の作品だけれど、今観ても考えさせられる作品。

セリーを演じたウーピー・ゴールドバーグはデビュー作だそうだけど、何気ない表情とかとても良かったし、デビュー作とは思えない堂々とした演技だった。音楽も良かったし、後半のゴスペルも素敵だった。ミュージカル版が作られるのも納得。

鑑賞日：2024/02/09