【IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME/I'VE LOVED YOU SO LONG】
2009/12/26公開 フランス 117分
監督:フィリップ・クローデル
出演:クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・グレヴィル、フレデリック・ピエロ、リズ・セギュール、ジャン=クロード・アルノー
15年の刑期を終えたジュリエット。
悲しみに沈む彼女の過去に犯した罪と罰、そして赦し。
人間の心の深淵に迫る、愛と再生の物語。
息子を手にかけた罪で15年の刑期を終えたジュリエットが、身を寄せた妹家族のもとで孤独と絶望から立ち直っていく姿を描いたお話です。
これは思ってた以上に良い作品でした。フランスの人気小説家フィリップ・クローデルが監督に初挑戦したそうですが、小説家の方がここまで映像で表現できるとは驚きです。ジュリエットの傷ついた心をとても丁寧に描かれていて見終った後に余韻の残るお話でした。
妹のレアは夫と義父、ベトナムからの養子の8歳のプチ・リスと幼いアメリアの5人家族。ジュリエットの事件はレアが幼い頃に起きたため詳しいことはわからない。でもレアはジュリエットとの空白の時間を埋め合せたいと思っているのに、ジュリエットはなかなか心を開かずに距離をとってしまうのです。
しかし、プチ・リスとの交流をきっかけに少しずつ心を開いていって、次第に妹家族との距離も縮まっていくと同時にジュリエットの表情が変わっていくのが印象的でした。自分の子を殺してしまったのに子供が立ち直るきっかけになるとは・・・何とも。
姉が刑務所帰りという設定はショッキングなものがありますが、登場人物たちのそれぞれの心情がとっても丁寧に描かれていたのも良かったですし、淡々と進むお話の中でジュリエットがなぜ息子を手に掛けてしまったのかが気になってぐいぐい引き込まれてしまいました。子供たちも演技が上手かったし、しゃべることができないおじいちゃんは存在感がバッチリでしたね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます