おはなし:ちばひでき
ぶん:たかはしのぶえ
せいさく:結みさんがチーム
という、結みさんがのはなしという冊子があります。
少し長いですが、紹介します。
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ゆいみさんがのはなし
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ふたつ ならんだ、きのビーズ。
ひとつはケヤキで、
ひとつはミズナラ。
いつも いっしょに ゆれている。
とおくでうまれた 2ほんのき。
どうして いっしょにいるのか・・・
それは、きいてのおたのしみ。
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2011ねん3がつ11にち。
そのひ、だいくのヒデさんは、
しごとばで ほんだなをつくっていた。
ぐらぐらぐら~~~~~~~。
おおきな よこゆれに、
おもわず ほんだなを おさえた。
ぐらぐらぐら~~~~~~~。
すぐに、またゆれた。
おおきな、おおきな、ゆれだった。
「これは、ただごとではないぞ」
そとに でてみると、
ゆきどけみずの みずたまりが、
ちゃぷん、ちゃぷん、と なみうっていた。
うみのむのうの「とうほく」で、
おおじしんがおきたのだった。
----------------------------------------------------
そのひから、
ヒデさんは いてもたってもいられなくなった。
まいにち テレビにうつるのは、
つなみにさらわれた からっぽのまち。
やけこげたけしき。
「いきよう」と、がんばるひとたちのかお。
「ああ、にねんまえのオレみたいだ」
にねんまえ、ヒデさんのしごとばは
かじになって、
すっかりもえてしまったのだった。
あのときとおなじ、
やけたきと じめんのいろ。
「なにかしたい。ほおっておけない」
ヒデさんは、じぶんになにができるのか、
かんがえつづけた。
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4がつになって、
ヒデさんは だいくなかまといっしょに
「とうほく」までいくことになった。
じしんとつなみで、おおきなひがいをうけたまち、
「けせんぬま」へ。
たくさんのきと どうぐを くるまにつんで、
ひとばん ふねにのって、
みなとから はしって、はしって、はしって・・・
ついたらすぐに しごとにかかった。
あまもりのする やねのしゅうり。
ゆかのはりかえ。
やねのうえにのっかってしまった、べつのやねを
おろすしごともあった。
「ありがとう。これでゆっくりねむれるよ」
けせんぬまのひとたちのえがお。
だいくさんたちも えがお。
「オレたち、だいくでよかったよな」
と、ヒデさんたちはおもった。
-----------------------------------------------------------
かえるひがくるのは、あっというまだった。
くるまに にもつをつんでいると、
なかよくなった ひとたちのかおが、うかんできた。
だいくの かわむらさんも、そのひとりだった。
「このき、もってけ」
りっぱなケヤキやスギのいたを、
かわむらさんは ヒデさんにくれた。
「すきなもの、つくれよ」
ものずくりのすきなだいくどうし、
かわむらさんと ヒデさんは、きがあった。
「いす、つくろうかな、
テーブルがいいかな」
もくめの きれいな、りっぱなきをもらって、
ヒデさんは わくわくした。
そのかおをみて、かわむらさんもわらった。
たくさんのきと、たくさんのおもいでをつんで、
はしって、はしって、はしって・・・
くるまは、みなとへとむかった。
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いえにもってかえったケヤキをみて、
ヒデさんは おもった。
「このきと、ほっかいどうのきと、
ひとつにむすんで みにつけたい。
むこうで であったひとたちと、
いつも つながっていられるように」
どうしたらいいのか、ヒデさんはかんがえた。
なにをつくったらいいのか、
くるひも、くるひも、かんがえた。
---------------------------------------------------------
そうして、このひもがうまれた。
とうほくでそだったケヤキのきと、
ほっかいどうでそだったミズナラのき。
とおくでうまれた2ほんの気が、
いっぽんのひもで、むすばれている。
「ゆいみさんが」は、
いのりをこめた、ねがいのひも。
ふたつならんだ、きのビーズ。
どうして いっしょに いるのか・・・
これは、
ほんとに、ほんとの おはなし。
とっぴんしゃん。
おしまい。
ぶん:たかはしのぶえ
せいさく:結みさんがチーム
という、結みさんがのはなしという冊子があります。
少し長いですが、紹介します。
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ゆいみさんがのはなし
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ふたつ ならんだ、きのビーズ。
ひとつはケヤキで、
ひとつはミズナラ。
いつも いっしょに ゆれている。
とおくでうまれた 2ほんのき。
どうして いっしょにいるのか・・・
それは、きいてのおたのしみ。
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2011ねん3がつ11にち。
そのひ、だいくのヒデさんは、
しごとばで ほんだなをつくっていた。
ぐらぐらぐら~~~~~~~。
おおきな よこゆれに、
おもわず ほんだなを おさえた。
ぐらぐらぐら~~~~~~~。
すぐに、またゆれた。
おおきな、おおきな、ゆれだった。
「これは、ただごとではないぞ」
そとに でてみると、
ゆきどけみずの みずたまりが、
ちゃぷん、ちゃぷん、と なみうっていた。
うみのむのうの「とうほく」で、
おおじしんがおきたのだった。
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そのひから、
ヒデさんは いてもたってもいられなくなった。
まいにち テレビにうつるのは、
つなみにさらわれた からっぽのまち。
やけこげたけしき。
「いきよう」と、がんばるひとたちのかお。
「ああ、にねんまえのオレみたいだ」
にねんまえ、ヒデさんのしごとばは
かじになって、
すっかりもえてしまったのだった。
あのときとおなじ、
やけたきと じめんのいろ。
「なにかしたい。ほおっておけない」
ヒデさんは、じぶんになにができるのか、
かんがえつづけた。
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4がつになって、
ヒデさんは だいくなかまといっしょに
「とうほく」までいくことになった。
じしんとつなみで、おおきなひがいをうけたまち、
「けせんぬま」へ。
たくさんのきと どうぐを くるまにつんで、
ひとばん ふねにのって、
みなとから はしって、はしって、はしって・・・
ついたらすぐに しごとにかかった。
あまもりのする やねのしゅうり。
ゆかのはりかえ。
やねのうえにのっかってしまった、べつのやねを
おろすしごともあった。
「ありがとう。これでゆっくりねむれるよ」
けせんぬまのひとたちのえがお。
だいくさんたちも えがお。
「オレたち、だいくでよかったよな」
と、ヒデさんたちはおもった。
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かえるひがくるのは、あっというまだった。
くるまに にもつをつんでいると、
なかよくなった ひとたちのかおが、うかんできた。
だいくの かわむらさんも、そのひとりだった。
「このき、もってけ」
りっぱなケヤキやスギのいたを、
かわむらさんは ヒデさんにくれた。
「すきなもの、つくれよ」
ものずくりのすきなだいくどうし、
かわむらさんと ヒデさんは、きがあった。
「いす、つくろうかな、
テーブルがいいかな」
もくめの きれいな、りっぱなきをもらって、
ヒデさんは わくわくした。
そのかおをみて、かわむらさんもわらった。
たくさんのきと、たくさんのおもいでをつんで、
はしって、はしって、はしって・・・
くるまは、みなとへとむかった。
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いえにもってかえったケヤキをみて、
ヒデさんは おもった。
「このきと、ほっかいどうのきと、
ひとつにむすんで みにつけたい。
むこうで であったひとたちと、
いつも つながっていられるように」
どうしたらいいのか、ヒデさんはかんがえた。
なにをつくったらいいのか、
くるひも、くるひも、かんがえた。
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そうして、このひもがうまれた。
とうほくでそだったケヤキのきと、
ほっかいどうでそだったミズナラのき。
とおくでうまれた2ほんの気が、
いっぽんのひもで、むすばれている。
「ゆいみさんが」は、
いのりをこめた、ねがいのひも。
ふたつならんだ、きのビーズ。
どうして いっしょに いるのか・・・
これは、
ほんとに、ほんとの おはなし。
とっぴんしゃん。
おしまい。
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