◆ 『将来世代にツケを回してはならない』と願うならば
MMT 「現代貨幣理論」を知るうえで、最大のキモともいうべき「貨幣」について少しまとめてみようと思います。
市中(市場)にお金が生み出される仕組みとして、これまでは日銀が紙幣を刷ることによって市中にお金がばら撒かれると信じられてきました。いわゆる「おカネのプール論」です。
そして、このプールされたお金を政府が国債として借り入れることで〔赤字国債〕、国家予算として分配されます。結果、赤字国債が膨らみ1000兆円ともいわれる『国の借金』なるものが世間を賑わせることになります。
政治家もマスコミも「国の借金が1000兆円を超え…」といっては、わが国が世界最大規模の債務国家であるように国民を誘導し、あくまでも財政難を演出するのです。
しかし、MMTの理論によれば、通貨発行権の存する国家において財政難というのは存在しないというのです。(まさに、これは画期的な発想であり、私は胸をときめかせてしまいましたね。)
通常、私たち一般庶民は、借りたお金を返すのが当然のことと認識しており、特に市中銀行からお金を借りれば、必ずといって返済しなければならず、返済ができない状態になれば、何かしら社会的制裁を被ることになります。
ところが、1000兆円もの負債を抱えていながらも日本国政府は何の社会的制裁を被ってはおらず、それどころか毎年、何食わぬ顔で赤字国債を増大させており、民間のあいだでも「将来世代にツケを払わせればいいんだ」といった風潮に追いやられているようにも窺えるのです。
こうした風潮に一本の杭を打つかのように沸き上がってきたMMTの理論というのは、「将来世代にツケを払わせなくて済むんだ!」といった期待感が私の中に浮かびあがってきたのです。
ではなぜ、将来世代がツケを払わなくて済むのかといえば、私たち一般庶民というのは、市中銀行の口座はあっても、日本銀行の口座があるわけでなく、1000兆円もの日銀に対する債務を有していないのです。これはあくまで政府が日銀に対する債務であって、私たち一般庶民にとっては無関係なのです。
もし仮に返済するとしたら、自公政権及びその他主要政党が支払えばよいだけの話なのです。
しかしながら、これはあくまでも極論に過ぎず、やはり日本経済全体の富が拡大し、税収によって返済していくというのが、本来あるべき健全な経済システムといえるのですが、長らくデフレ状態が続いたことによって、国民の多くがその呪縛(意識改革による洗脳)から解放されずにいます。
また、財務省や主流派経済学者たちがこれまで、デフレ対策や少子化対策などのあらゆる経済政策というものを、真剣に取り組んでこなかったことがMMTによって証明されるとともに、デフレ下における健全な経済政策が一日も早く実施されることを期待したいものです。