91年には、もう一つの明菜の物語があった。竹内まりやが明菜のために書き上げた「駅」を主題歌にした松竹映画の「グッバイ・ママ」が公開されたのだ(91年4月20日)。松坂慶子と緒形拳の主演で、当時松竹の取締役映画製作兼映画宣伝担当だった奥山和由の指揮で製作されたが、作詞家の秋元康の初監督作品としても話題になった。 同作について映像宣伝部プロデューサーの松居俊彦は「ターゲットは25歳の女性」と語った。その上で「『駅』は明菜さんの曲でしたが、竹内さんのアルバム『リクエスト』にも収録され、130万枚のロングセラーを記録。カラオケでは女性が3曲に1回は歌うスタンダードになった。25歳の女性にとって竹内まりやは気になるシンガーなのです」と強調。当時の興行収入で10億円を上げる大ヒットとなった。
「駅」は「20歳過ぎの女性が誰でも経験しそうな物語」をイメージして、まりやが明菜のために書き上げた作品。デモテープを聴いた明菜は「完璧じゃない。私なんかが歌うよりも上手い」とつぶやいたという。 明菜が86年12月24日に発売した通算10枚目のアルバム「CRIMSON」に収録されたが、明菜の歌い方に、まりやの夫であるシンガー・ソングライターの山下達郎が憤慨。翌87年に達郎自らアレンジし直し、まりやがセルフカバーした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます