小島慶子さん 過干渉の母、失恋…食欲止まらず アナウンサーになっても続いた過食嘔吐
11/13(土) 7:11配信
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一病息災
写真・田中秀敏
10歳代後半から20歳代にかけて、人知れず摂食障害に苦しんだ。 干渉の強い母との関係に悩み、ダイエットの反動や失恋も重なり、食欲が止まらなくなった。体重が16~17キロ増えてしまった頃、食べたいだけ食べて、吐くことを覚えた。 アナウンサーになってからも、過食嘔吐(おうと)は続いていた。「当時は病気だと知らず、『恥ずかしい癖』だと自分では思っていました」 30歳で長男を出産した頃から、育児が忙しくなったこともあり、過食することは自然になくなった。だが、次男を出産した33歳の時、理由もなく漠然とした不安に襲われる不安障害を発症した。 20歳代半ばから、「なんだか、しんどいな」と、会社の産業医にはよく相談していた。「海外ドラマの『アリー・マイ・ラブ』が好きで、登場人物が気軽に精神科を受診するのを見ていたので、カウンセリングを受けることには、全く抵抗がなかったんです」 不安障害が落ち着いた後も、定期的にカウンセリングに通っていたことが、ADHD(注意欠如・多動症)の診断につながった。 摂食障害や不安障害はADHDの二次障害なのか、気になって主治医に尋ねた。「人間はとても複雑な存在です。そうかもしれないし、そうでないかもしれない」と主治医。「なるほどと思い、複雑でいいんだとホッとしました」
耳にする「クラスに発達障害の子がいて不安」…ウェブで公表 理解広げたい
写真・田中秀敏
3年前にウェブのエッセーで、ADHD(注意欠如・多動症)を公表した。周囲には話していたし、特に隠していたわけでもなかったが、反響は予想外に大きかった。 発達障害やADHDという言葉が広く知られ、関心を持たれるようになったことは、とてもよかったと思う。 だが、「うちの子のクラスに発達障害の子がいて不安」とか、「あの芸能人、きっと発達障害だね」という決めつけも、しばしば耳にする。自己診断で「天才の称号」のように言う人もいる。 「捉え方が極端だし、なんだか雑だな」と感じていた。 ADHDでも、困りごとの内容やその度合いは、人によって違う。 「『私がADHDを代表して話します』ではなく、『私の場合は、こうなんです』ということを話してみようと考えたのが、公表した理由です」 公表後、「実は私も同じようなことで悩んでいる。受診してみたい」とか、「小島さんもそうだと知って安心した」といった声を多くいただいた。 ただ少し困るのは、何でも「ADHDのせいですね」と理由付けられること。「例えば、ADHDは時間管理が苦手な面がありますが、他の人同様、電車の遅延で遅れることもある(笑)。善意の一言でも、ちょっと複雑な思いはあります」
3年前にADHD(注意欠如・多動症)を公表して以来、発達障害についてもっと知ってもらおうと、情報発信を続けている。 「大切なのは、今、困っている人の困りごとが少しでも減って、生きやすくなることなんです」 そのために、「専門家の先生に相談してみようかな」と思った人は、そうすればいいと思う。一方で「専門家にかかるのは何か怖いな」と感じている人に対して、無理に受診を勧めるのは違うと感じている。 「個性が強い」と言われるのはいいけど「障害がある」とは言われたくないとか、「発達障害っぽい」はいいけど「発達障害だ」と言われるのは嫌だとか、複雑な思いも耳にする。 「診断は、負の烙印(らくいん)ではなく、困りごとを抱えている人が生きやすくなるために必要な手段の一つと考えてほしいです」 働いている人もいれば、本人も家族も生活が立ちゆかないほど、大変な思いをしている人もいる。人それぞれに事情が違う。 どう接したらよいのか分からないという声もよく聞く。「障害の有無にかかわらず、『この人は何に困っているのかな。自分に出来ることはないかな』という気持ちで接すれば、相手は安心できると思います」
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