昨日、Amazonプライムで映画を観ていてふと、学生時代のことを思い出した。
すべては海になるという映画。
大学生の頃、貧乏学生だった私は
色々なアルバイトをしたのだけど
一番長く続いたのは宝石店だった。
友達の紹介で、デパートの中の
宝石店の店員をさせて頂いていた。
バイト代自体は
それほど高くはなかったけれど
店長や社員の方に
ご飯を奢って頂いたり
おやつの差し入れがあったり
苦学生だった私には
とても行けなかったお店とか
高級なお菓子とか
今までにない世界を見せてもらった。
お化粧の仕方とか
服の選び方なども教えてもらって
田舎育ちのイモガールが
そこそこ見れるくらいに成長したのも
このアルバイトのおかげだった。
宝石店というお店柄
アルバイトやパートを雇うときには
身元をしっかり調べられるとの事で
貧乏だけど、親が公務員だった私は
なんとか入れてもらえたが
他のパートやアルバイトの方は
お金に困っていそうに無い
裕福そうな方々ばかりだった。
もちろん私は最年少で、
色々な失敗もちろん大目に見てもらい
ADDのわたしには居心地の良い職場だった。
扱う商品は高額で
100万円以上もするダイヤのリングを
おもちゃのように
指にはめてみたらしたけれど
欲しいという感覚は全くなかった。
大学のテスト期間で非番だったある日、
お店から電話がかかってきた。
指紋を採取したいので
お店に来てもらえないかとの事
何事かとびっくりして
お店に向かったら
万引きで300万円相当の商品が
盗まれたそうで、
ショーケースに触った可能性のある人間
全ての指紋が必要との事。
その日非番でラッキーだった。
疑われなくて済んで良かったと思った。
何しろ従業員で疑われるとしたら
貧乏な私くらいだもんね。
そして事件は早急には解決した。
なんと、パートさんの仕業だったのだ。
それも、お金に全く困っていない
裕福な奥様だった。
今回が初犯ではないらしい。
優しくて、親切な方だった。
私はにわかにその事実を
信じることが出来なくて…
何故、お金に困ってなくて
物を盗んだりするんだろう。
今なら理解出来るけれど
未熟な当時の私は
人が信じれなくなるくらい
ショックな出来事だった
すべては海になる
に出てくる万引き常習犯の母親…
その人と
彼女が重なって見えた。
若い頃は正義が全てだと思ったけれど
どうしようもなく
どうしようもなく
追い込まれていって
自分がコントロール出来ない場合もある。
平凡な人生なんてない。
今日が平凡である事に感謝しなければ…
たとえ自分自身が
しっかりしていたとしても
明日コロナになるかもしれない。
交通事故に会うかもしれない。
犯罪に巻き込まれるかもしれない。
いつも人生は危険と隣り合わせ。
映画よりスリリングな現実が
あちこちに散らばっている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます