書く。
それは、進化によって人間だけが手に入れた技術、能力だ。
人は、書くという行為の重要性になかなか気づけない。
書くことの何がいいのか。
それはやはり記憶だろう。自分が何を考えていたのか、何が起こったのかを残すことができる。
人は忘れる生き物だ。
あなたは、今日の午前中、どんなことを思って過ごしていただろうか。昨日は?
その一時一時考えていたことなんて、覚えているほうが不思議だ。
だからこそ書く。メモを取る。
自分の中での出来事をメモすることで、見える化し、過去の自分と今の自分を比べることができる。新たな自分に気づくこともできる。
自分も含め多くの人が、書くことをせず頭の中で済ませようとする。
アイデアを出そうとするとき、問題を解こうとするとき、悩み事について考えるとき。
しかし、人間の頭は私たちが思っているより賢くないのかもしれない。
頭の中だけで考えていると、何度も何度も同じ内容について考えている自分がいる。あれ、これさっきも考えたな、と。要するに、整理ができていないのだ。
文章を書く際、頭の中で大体こういうことを書こう、と考えてから書く人が多いと思う。でも、私は少し違うと思う。
書くために考えるのではない。考えるために書くのだ。
文章もそう、絵もそう。書くことで考えが、イメージが明確になってくる。
あなたが何か考えているとき。
なかなかいいアイデアが思いつかないとき。
是非手を動かして、自分の頭の中にあるものを紙に吐き出してみてほしい。
できるだけたくさん。何も考えず。
そして、頭の中のことであふれかえった紙を見返してみてほしい。
きっといいアイデアがそこには書いてあるはずだ。
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