ある場所で同じときを過ごした人が、
「あの場所にいたときがよかったから、そこにまた行ってみたけれど、あのときの自分ではなかった。」
続けて、「もう戻れないことを知ってしまい、行かなければよかった。」と。
先が見えない不安で立ち止まってしまったら、どこかに居場所を見つけたくなる。例えば、思い出の場所に。
時間の経過とともに過去とは違った今に生きる自分は、捉え方も違ってきている。それは、よいこともあれば、よくないこともある。
変えられないことのもどかしさ。
季節が変わると、旬の花が咲き始める。繰り返される命の美しさは、変えられない自失を包み込む。
ハナミズキの近くで深呼吸。
風薫る休日。