公式装う通販サイト増加
大手の公式通販サイトを装った偽のショッピングサイトが
増加している。
公式サイトのロゴなどを使って本物そっくりにしているが、
高級ブランドの時計やバッグなどが100万円単位で値下げ
されるなど、不審点が多い。
代金を詐取されたり、商品が届かなかったりする被害もあり、
関係機関が注意を呼びかけている。
不自然な日本語
<GRAND FINAL SALE 本当に最後の在庫一掃、
終わり次第終了です>
交流サイト(SNS)に表示された広告をクリックすると、
閉店した大手百貨店の写真やロゴと共に、高級ブランドの
バッグや時計などが販売されているサイトが出てくる。
本来なら数百万円する高級時計は800万円引き、
高級ブランドバッグは150万円引きで販売されていた。
サイト自体は一見本物のようだが、漢字が通常日本で
使われる字体ではなかったり、「何か助けがありますか?」
など、不自然な日本語が所々見受けられたりする。
日本サイバー犯罪対策センター(JC3)が協力する、
ウェブサイトの危険性の有無を確認できる無料サイト
「SAGICHECK(https://sagicheck.jp/)で調べると
「このサイトは怪しいように思われます」との表示が出た。
被害を受けた百貨店はホームページで、「一切関係が
ございません」とし、偽サイトにアクセスしないよう
呼びかけている。
国民生活センターにも相談が寄せられているという。
公式通販サイトを装った偽のショッピングサイトは年々
増加しているセーファーインターネット協会からJC3へ
共有された情報によると、悪質なショッピングサイトなどの
通報件数は、令和4年は28,818軒で、3年の17,878件と比べ、
1万件以上増加した。
消費者庁もビーズソファの「Yogibo(ヨギボー)」や会員制量販店
「COSTCO(コストコ)」のロゴなど盗用した偽サイトに関する
相談が相次いでいるとし、注意を呼びかける。
国民生活センターによると、ネット通販の偽サイトに関する
相談件数は、令和3年度は12,649軒、4年度は15,779件、
今年度(5月末現在)は1393件に上る。「商品が届かない」
「粗悪品が届いた」などの相談が寄せられていると言う。
検索上位に表示
JC3によると、悪質なショッピングサイトはネット検索結果の
上位や検索エンジン、SNSの広告にも表示されるという。
偽サイトは、商品の価格が極端に安い、決済方法が銀行振込限定、
振込先が個人名義の口座、不自然な日本語表記、URLのTLD
(トップレベルドメイン)が見慣れない「.top」「.bid]ーなどの
特徴があるという。
被害に遭わないためには、市販のセキュリティ対策ソフトなどを
導入するほか、初めて利用するショッピングサイトについて、
実在する会社が運営しているかどうか確認することが重要だという。
JC3は「ウェブサイトの信憑性を確認する上で、SAGICHECKなどを
判断の参考として活用してほしい」としている。