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130816 父との時間

2013-08-16 | 父との時間
朝6時過ぎに行ってみると、母はすでに起きていて父の背中をさすっていた。かあさん、と父に起こされたから家にいることはちゃんと分かっているのね、と母は言った。夜中の痰の吸引は母がおこなったようだが、朝までにやはり看護師の言うようにすでに溜まっていたので、私が吸引を開始した。

ある程度喉の周りを吸った後、少し気管が開くのを探っていると、苦しそうな呼吸となった。その瞬間にすっとチューブを差し込み、今回やっと気管まで入れることが出来た。私もズルズルと大量の痰を吸い出した達成感があり、父もその後に心地良さそうに眠りに入れるのが何よりだった。

午前中に、入院前に見て頂いていた医師が来宅した。一通り検診し吸引も軽く行い、点滴の手配を段取りしていた。医師から、さらなる誤嚥肺炎や感染のリスクに対する注意を聞いた後、もしそうなった場合の、今現在の家族としての方向性を聞かれた。

私個人の気持ちとしては、自宅~病院間の搬送でさえ父には負荷が大きいだろうし、自宅で看取る覚悟は出来てはいるが、肺炎や発熱が激しくて本人が苦しそうであれば、病院への搬送もまだあり得ると思う、状況次第かと思う、と伝えた。

昨日の看護師が、点滴を準備して来宅しセッティングしてくれた。5時間で落ちるから夕方にまた来ます、と言い、医師と同様の一通りの検診と吸引も行なった。その後、介護ヘルパーさんが入ってくれた。

昼過ぎに、姉達が様子を見にきてくれた。姉達が来るまでは、父は母を枕元に呼んで、俺はもうダメだ、と弱音を履いていたと母は言った。皆で父を囲んで談笑し、あらためて家に戻れたことに安堵していた。

14時過ぎに一度吸引した後、気分が良くなったのか父は、ちょっと起こしてくれ、と言った。両脇を姉と私で支えてベッドの縁に腰掛けられたと思ったら次は、車椅子に座る、と言い出した。皆、驚きのまま用意した車椅子に移せたので、テレビを見ますか、と聞けば頷いた。テレビの方に向き直し、久しぶりの高校野球を眼鏡をかけて見始め、20分近く座ることができた。

ベッドに戻ったらさすがに疲れたようで、若干発熱した。姉達が帰った後、またヘルパーさんが入ってくれて、退院前の打合せに同席していたソーシャルワーカーも、父の顔を見に来てくれた。その後、再び看護師が入って点滴を外し、吸引と検診をした。父が車椅子に座ったことを話すと、皆、驚きと歓びを隠さなかった。

夕食後、22時前頃にそろそろ吸引かと見に行ったら、微熱は続いていたものの昼間の疲れからか静かに寝ていたので、昨日と同様に夜中の吸引を母に任せ、自宅に戻った。

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