2人の姉と私が母の元に集まり、昼食を取った。4人で取る食事も久しぶりだったが、母の用意してくれた鶏飯の薄い味付けに、実家の味を思い出した。
昼食後に予約しておいたレンタカーを取りに行き、3人を乗せて、計3ヶ所の医療型ホーム(以下、病院)の見学へと出発した。走り出した感じの道路事情と、見学にどれくらい時間が掛かるかを想定しながら、事前に母がしていた予約の順番を変更すべく、車内で下の姉が2番目と3番目の病院との連絡に奮闘していた。
まず1番目、予定より早く到着したものの、すぐに営業らしき愛想の良い若者が対応し院内を案内してくれた。その後、談話コーナーにて説明を受けた。
・基本的に当院は、延命治療は行っていない。いざというときの心臓マッサージや、電気ショックなどもやらない。
・そして、仮に容態が悪化しても、内科的な対処療法しか行わない。
この2点の方針を御理解頂き、当院を選んで頂いた後に病院側も判断させて頂く、父が居る救急病院とは治療行為の内容は、全く違うことを御理解頂きたい、とのこと。
次に、今入院している病院からの紹介状云々の、受け入れまでの流れの説明が続いた。
H18年に厚労省で作られた「医療区分制度」によって、区分2と区分3という重篤な患者以外は「社会的入院を正しい場所へ誘導する」という名目で、老人介護保険施設等に入れられるようになった。以前は歩けたりする患者も居てイベントなどに利用していた談話室も、今は見舞いに来た御家族の休憩くらいにしか使われなくなったという。
父は「中心静脈栄養(高カロリー点滴)を実施(明後日に予定)している」(区分3)のと、「1日8回以上の喀痰吸引を実施している」(区分2)に該当しているため、おそらく問題ないだろう、とのこと。
そして、料金の説明があり、保険の種類が「後期高齢者」の1割負担で、古い本館4人部屋の場合、医療費44,400円、食事代24,180円(中心静脈の場合はナシ)、日用品セット60,000円前後、オムツ(持込禁止)代55,000円、で食事ナシの計16万円前後、その他、散髪代やTV代は別途、新館の場合は、+8万円、保証金25万円(退院時に返却)とのこと。(ちなみに個室は60万円前後)
母が、入院後に家族はどれくらい関われるのか、と質問したところ、基本的には完全看護・介護ですが、お手伝い頂けるのであればその部分で可能です、と言われた。
2番目の病院へと向かう車内で、母はすでに疲れたようだった。説明はほぼ同じだったが、施設が昨年の4月に新しくなったばかりできれいで清潔感があり、その分値段も高かった。
3番目は、院長が直々に面接をしてくれて、ソーシャルワーカーの方も「気さくな」と言っていた通りの方だった。廊下ですれ違った看護師たちも皆、明るくにこやかな雰囲気だった。しかし、施設自体は相当に古く6人部屋で、値段も一番安かった。明後日埋め込む予定となっている中心静脈用のポートというものを、院長が見せてくれた。直径1cmくらいのボタンマイクのようなもので、正直、これを埋め込むのか…と思った。
3つの病院を廻った後、4人で父の所へ行こうということになった。4人とも疲れ果て、車内では何だか煮え切らない様子だった。私自身、3つのうち何処を選ぶかといわれれば、3番目かなというところだったけれど、いまいち父がそこへ入ることがイメージ出来なかった。有り得なかった。重篤な患者が居並んでいる風景、まさに終末医療の現場で「生かされている」人々の中に、父を入れることの薄ら寒ささえ感じた。
病院で、父は発語も覚束なくなってきてはいたけれど姉たちとも順番に言葉を交わし、私はいつものように髭を剃ってあげた。姉たちを駅まで送り、母を家まで送り、レンタカーを返却しに行った時には、もう既に自分の中では答えが出ていた。
昼食後に予約しておいたレンタカーを取りに行き、3人を乗せて、計3ヶ所の医療型ホーム(以下、病院)の見学へと出発した。走り出した感じの道路事情と、見学にどれくらい時間が掛かるかを想定しながら、事前に母がしていた予約の順番を変更すべく、車内で下の姉が2番目と3番目の病院との連絡に奮闘していた。
まず1番目、予定より早く到着したものの、すぐに営業らしき愛想の良い若者が対応し院内を案内してくれた。その後、談話コーナーにて説明を受けた。
・基本的に当院は、延命治療は行っていない。いざというときの心臓マッサージや、電気ショックなどもやらない。
・そして、仮に容態が悪化しても、内科的な対処療法しか行わない。
この2点の方針を御理解頂き、当院を選んで頂いた後に病院側も判断させて頂く、父が居る救急病院とは治療行為の内容は、全く違うことを御理解頂きたい、とのこと。
次に、今入院している病院からの紹介状云々の、受け入れまでの流れの説明が続いた。
H18年に厚労省で作られた「医療区分制度」によって、区分2と区分3という重篤な患者以外は「社会的入院を正しい場所へ誘導する」という名目で、老人介護保険施設等に入れられるようになった。以前は歩けたりする患者も居てイベントなどに利用していた談話室も、今は見舞いに来た御家族の休憩くらいにしか使われなくなったという。
父は「中心静脈栄養(高カロリー点滴)を実施(明後日に予定)している」(区分3)のと、「1日8回以上の喀痰吸引を実施している」(区分2)に該当しているため、おそらく問題ないだろう、とのこと。
そして、料金の説明があり、保険の種類が「後期高齢者」の1割負担で、古い本館4人部屋の場合、医療費44,400円、食事代24,180円(中心静脈の場合はナシ)、日用品セット60,000円前後、オムツ(持込禁止)代55,000円、で食事ナシの計16万円前後、その他、散髪代やTV代は別途、新館の場合は、+8万円、保証金25万円(退院時に返却)とのこと。(ちなみに個室は60万円前後)
母が、入院後に家族はどれくらい関われるのか、と質問したところ、基本的には完全看護・介護ですが、お手伝い頂けるのであればその部分で可能です、と言われた。
2番目の病院へと向かう車内で、母はすでに疲れたようだった。説明はほぼ同じだったが、施設が昨年の4月に新しくなったばかりできれいで清潔感があり、その分値段も高かった。
3番目は、院長が直々に面接をしてくれて、ソーシャルワーカーの方も「気さくな」と言っていた通りの方だった。廊下ですれ違った看護師たちも皆、明るくにこやかな雰囲気だった。しかし、施設自体は相当に古く6人部屋で、値段も一番安かった。明後日埋め込む予定となっている中心静脈用のポートというものを、院長が見せてくれた。直径1cmくらいのボタンマイクのようなもので、正直、これを埋め込むのか…と思った。
3つの病院を廻った後、4人で父の所へ行こうということになった。4人とも疲れ果て、車内では何だか煮え切らない様子だった。私自身、3つのうち何処を選ぶかといわれれば、3番目かなというところだったけれど、いまいち父がそこへ入ることがイメージ出来なかった。有り得なかった。重篤な患者が居並んでいる風景、まさに終末医療の現場で「生かされている」人々の中に、父を入れることの薄ら寒ささえ感じた。
病院で、父は発語も覚束なくなってきてはいたけれど姉たちとも順番に言葉を交わし、私はいつものように髭を剃ってあげた。姉たちを駅まで送り、母を家まで送り、レンタカーを返却しに行った時には、もう既に自分の中では答えが出ていた。
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