なくもの哲学と歴史ブログ

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インターネットのプライバシー侵害

2024-05-10 12:38:00 | インターネット関連

【プライバシー侵害とは?】

 プライバシーとは、これまで公開されていなかった、個人情報や私生活に関する事実を、正当な理由なく、第三者に公表されない権利です。「氏名」「住所」「病歴」「体の特徴」「電話番号」「結婚離婚歴」など、個人を特定出来る情報が、個人情報だとされています。個人情報の中で「他人に知られたくないもの」が、プライバシーです。そのため、個人情報の全てが、プライバシーというわけではありません。プライバシーとは、他人に知られて、精神的に苦痛を感じたという「主観的なもの」です。

  それを本人の同意なく公開することを「プライバシー侵害」と言います。プライバシー侵害とは、本人が非公開だった情報を、インターネットなど誰でも見れるようなところに、書き込んだりすることです。しかし、すでに自分で公開している情報は、これに当たりません。その他、プライバシー侵害に当たらないのは、その情報に「公益性」がある場合です。例えば、大物政治家の不倫などは、それが事実であった場合は、公益性があります。なぜなら、その情報が有権者の投票行動の判断材料となるからです。

 【損害賠償請求】 

 プライバシー権の侵害には、刑事上の刑事罰が存在しません。しかし、不法行為として、民事的責任を負わせることは出来きます。裁判所が、プライバシー侵害の条件をすべて満たしたと判断した場合は、相手方の不法行為が認められ、損害賠償を請求することが出来きます。しかし、それを立証しなくてはいけません。プライバシー侵害の立証責任は、被害者自身にあります。つまり、プライバシー侵害の証拠を揃えるのは、被害者側です。ただし、加害者が、証拠を隠蔽する恐れがあります。そのため、迅速に対応しなくてはいけません。その証拠をそろえるために活用されるのがスクショや魚拓サイトです。 

 【削除請求】 

 プライバシー侵害の書き込みの削除依頼は、まずは書き込んだ本人に対して行います。もし、それに応じなければ、運営会社やサイト管理者などに対してです。だいたい、そこの利用規約違反なら削除してもらえます。 しかし、サイト管理者の対応は、あくまで任意です。そのため、必ずしも削除してくれるわけではありません。インターネットのプライバシー侵害には、時間が経てば、拡散されるという問題点があります。その拡散防止のためにとられる対策が、裁判所による法的削除請求である仮処分です。だだし、書き込みの削除は「表現の自由」の制約になるので、なんでもかんでも削除できるわけではありません。仮処分は、条件さえ揃っていれば、迅速な対応をしてくれます。その条件とは、迅速に対応する「必要性」と「違法」にプライバシーが侵害されているという事実です。仮処分は、だいたい名誉毀損などが伴っていると認められる傾向にあります。

 個人で出来るのは、任意の削除請求と、発信者情報開示請求のみです。ただし、弁護士を通せば、サイト管理者との任意での削除請求や情報開示請求に応じてもらいやすくなります。また、弁護士ならば、損害賠償請求、刑事告訴まですることが可能です。そのため、弁護士に頼んだ方が、一連の交渉を有利に進めることが出来ます。


インターネット、検索エンジンとアルゴリズム

2024-05-08 12:18:00 | インターネット関連

【アルゴリズム】

 アルゴリズムとは、問題解決のために、コンピュータにやらせる機械的な「計算方法」や「手順」のことです。日本語では「算法」とも呼ばれています。アルゴリズムとは、ある結果にたどり着くための「やり方」のことです。その処理手順に従えば、誰でも同じ答えが得られます。 Google検索でのアルゴリズムと言えば、検索結果の順位を決める計算方法「プログラム」のことです。その計算方法によって、どのページを上位に表示させるかが決められています。検索結果で、上位に来るページは、ユーザーが見たいものでなくてはなりません。大体の人は、検索結果の上の方から順々にページを見ていくものです。そのため、上位の方に表示されていれば、閲覧される可能性が高くなります。クリエイターが、検索結果の順位を上げようとするのは、そのためです。

 【検索エンジン】 

 Googleなどの検索エンジンには、検索結果の表示順を決めるためのアルゴリズムが働いています。検索エンジンとは、様々な条件を入れることで、関連性の高いページを表示させるシステムのことです。Googleの検索エンジンは、収集した膨大なデータベースを解析し、ユーザーが求めている情報を素早く正確に出してくれます。優れた検索エンジンほど、効率良く短時間で、よりユーザーが見たいページを表示させることが可能です。Googleは、そうしたアルゴリズムを作るため、どの検索エンジン会社より、多額の資金と人材を使っています。 

 【ランキングシステム】 

 検索ワードを「クエリ」と言います。そのクエリごとに、順位を決めることが、Googleの最も重要な仕事です。Googleのランキングシステムは、評価が高い順に検索順位が決まります。見たいページが上位に来るような仕組みになっているのは、そのためです。逆にユーザーが必要としないようなページは、上位に表示させないようにしなくてはなりません。なぜなら、インターネットのサービスは、基本的にユーザーファーストだからです。ちなみに、Googleは、このアルゴリズムの詳しい順位の決め方を公開していません。もし、公開されていれば、みんながそのやり方を真似てしまうからです。 

 【検索の意図】 

 ユーザーに適切な回答を返すためには、まずは「検索の意図」を把握しなくてはいけません。検索の意図とは、どういう理由で、その情報を探しているかという意味です。Googleのアルゴリズムは、ユーザーの検索の意図を推測し、検索クエリと「関連性」のある検索結果を瞬時に出してくれます。関連性の判断基準は、そのページに検索クエリと同じ語句が、どの程度の頻度で登場するかなどです。 

 【検索順位の要因】 

 Googleのアルゴリズムは、様々な要因を検討して、評価順に検索順位を決めるので、品質の高いコンテンツほど評価が高くなります。品質が高いとは「信頼性」「専門性」「権威性」のあるコンテンツのことです。例えば、信頼出来るサイトからのリンクが多いことや、古い情報より、最新の情報の方が評価が高くなります。それ以外に、検索結果に影響を与えるのが、ユーザーの「位置情報」「設定」過去の「検索履歴」などです。また、同じような内容の記事ばかりだと情報が偏ってしまいます。そのため、記事の多様性も必要です。



インターネットの粘着

2024-05-05 12:38:00 | インターネット関連

【粘着】 

 粘着とは、長期断続的に、特定の人物のネット活動に張り付いて、執拗に悪口などを書き込み続ける行為のことです。通常、ネットの炎上は、一過性のもので、短期間で収束します。その炎上が、長期に渡って続いたのが粘着です。謝罪をすれば、炎上が比較的短期間で収束する場合もあります。炎上した場合にとられる対応が、アカウントの削除や鍵をかけることなどです。発信の場を一旦閉じることで、問題が解決することもあります。無視をするのも、手段の一つです。ただし、批判に対して、まったく言及をしなければ、言いたい放題、言われる可能性もあります。そのため、無視した方が良いかは、状況次第です。また、反応した場合、不毛な言葉の応酬になるだけで、事態が悪化することもあります。 

 アンチの粘着は、しつこく陰湿です。その目的は、自分自身のストレス発散だったりします。そのため、解決は求めてないのかも知れません。アンチは、特定の対象者の発言や行動に対して、感情的で、根拠に乏しい誹謗中傷をし続けます。ネットで、アンチの攻撃が助長されるのは、匿名性が隠れ蓑になっているからです。

 【監視活動】 

 アンチは、粗探しをするため、対象者のネット活動を監視し続けています。批判内容は、どんな些細なことでも良いからです。アンチは「掲示板」「SNS」などあらゆる所に、悪意のある形で、文章やスクショなどを貼り付けます。彼らにとって、対象者は悪者と決まっているので、基本的に誰の説得にも耳を貸しません。なぜなら、アンチは、思い込みが強く、対象者がどんなことをしても、悪いように解釈するからです。ルール違反に当たらない些細なことでも、目ざとく見つけ、嫌がらせのために、執拗に責めてきます。

 【対抗手段】 

 対抗手段は「ブロック」や、運営への「削除依頼」などです。アンチは、よく複数アカウントを所持しています。ブロックされても、別のアカウントを使用するので、イタチごっこになるかもしれません。アンチは、たいてい自己中心的な人物です。不特定多数の人間が集まる公開の場で、場の空気を読まない言動を繰り返し、その場にいる他のユーザーをも不快にさせてしまいます。そうしたアンチに対しては、他のユーザーのためにも、ブロックなどの対応策をとることも必要かも知れません。ただし、逆上する場合もあるので、注意が必要です。一番良い対処法は、運営に通報することだとされています。運営が、アカウントの停止や削除などの対応をとってくれるからです。それでもしつこく粘着する場合は、警察に通報した方が良いかも知れません。度が過ぎる名誉毀損は、刑事事件になり、逮捕される可能性もあります。 

 【ストレス】

 全てのネットユーザーは、自分と他人の価値観は、違うものだということを念頭に置かなければなりません。自分のためにも、ネットにばかり没入して、実生活をおろそかにしない方が良いとされています。ネットとリアルの双方でストレスを貯めた状態では、怒りという感情に結びつきやすいものだからです。特に、相手の顔が見えないネット上では、冷静さを失いやすいとされています。自分がアンチにならないためにも、嫌いなコンテンツからは遠ざかり、見ないのも一つの手段です。



インターネットのアンチとは?

2024-05-03 22:46:00 | インターネット関連

【アンチとは】 

 通常、アンチは、アンチテーゼやアンチエイジングなど、特定の何かに対する反対という意味で使われています。ネットでは、特定の「人物」「団体」「ジャンル」などを嫌悪する人たちのことです。アンチは、相手が、良いことをしても悪いことをしても、徹底的に否定してきます。それは、公開の場では、周囲への配慮を欠いた迷惑行為にすぎません。アンチは、表現の自由を盾に、自分の正当性を主張してきます。しかし、度を越した批判は、誹謗中傷になりかねません。ネット上で、アンチが攻撃的になるのは「匿名性」が隠れ蓑になっているからです。近年SNSなどが発展し、アンチも目立つようになりました。 

 【アンチ活動】 

 アンチは、対象者の行動を監視しています。なぜなら、粗探しのため、相手の否定的な情報を探ろうとするからです。アンチは、マナーやルール違反に当たらないことまで、迷惑行為として叩こうとします。対象者が、それを改善しても、あまり意味がありません。なぜなら、アンチは、何を言っても考え方を変えず、別の叩く口実を探すからです。アンチは、表面的には、問題点を指摘しているようでも、心の底には悪意があるとされています。

 【アンチの目的】 

 アンチは、基本的に自分のために他人を叩いています。その目的は、たいていストレス発散です。正義感を装い、他人の共感欲しさに叩かれて当然と思われる悪者を叩きます。アンチは、自分は常識的な人間だと思っているのかもしれません。しかし、アンチ行為自体が非常識なことです。アンチは、悪意を隠蔽し、中立的な立場を装い、大勢の人の意見かのように主張してきます。その最終的な目的は、対象者をあるコミュニティから排除することです。 

 【元ファン】 

 もともとファンだった人が、アンチに変わる場合があります。何らかのきっかけで、好きが嫌いに変わるからです。ファンとは、特定の人物の支持者や愛好家をさします。アンチとファンは、明確に区別することが出来ません。ファンは、対象者に、たくさんのお金や時間を注ぎ込みます。しかし、どれだけ投資しても、思い通りになってくれるとは限りません。自分の思い通りにならないと、裏切られたと感じ、アンチになる場合もあります。ファンは、いつまでもファンのままでいるとは限りません。元ファンが、過去に揉めたことが原因で、怨恨でアンチになる場合もあるからです。例えば、ファンが、良かれと思ってしたアドバイスが拒絶された場合などです。それを恨みに思うこともあります。 なぜなら、ファンは、自分の理想を押し付けたいからです。

 【荒らし】 

 ファンは、基本的に構って欲しいものです。そのため、目立つために、わざと荒らし行為をする人もいます。荒らしとは「アンチコメ」「弾幕」「改行」など、他人が不快になる書き込み全般のことです。ファンの中にも、面白いと勘違いし、相手が嫌がっていてもいじり続けたりする人もいます。いわゆるファンチと呼ばれる人たちです。しかし、他のユーザーからは、荒らしは、迷惑行為にしか見えません。 

 【嫌悪感】 

 単に気に食わないという理由で、アンチになる場合もあります。例えば、過去の経験から、自分の嫌いなタイプだった場合などです。アンチは、無意識に悪口を言っており、自分がアンチだという自覚がないのかもしれません。また、アンチのアンチというケースもあります。自分では、正義感でアンチを排除しようとしていても、側から見たら、アンチのような存在 になっているからです。

 【アンチへの対応】 

 何を言っても聞く耳を持たないアンチは、構うだけ時間の無駄なので、各プラットフォームにある「ブロック」や「通報」などの機能で対応するしかありません。お互いに距離をとり、見ないのが一番だとされています。嫌いな人から距離を置くことで、精神的に楽になれるからです。反撃だからと言って、アンチに私的制裁を加えるべきではありません。なぜなら、日本では、私的制裁が禁止されているからです。反論をするにしても、誹謗中傷にならないようにしないと、例え相手が悪くても、自分がアンチのようになってしまいます。また、過度な個人攻撃は、名誉毀損になりかねません。



インターネットネットの炎上

2024-05-03 02:18:00 | インターネット関連

【炎上】 

 炎上とは、インターネット上の「発言」「行動」「表現」などが、一部のネットユーザーの反感をかって、大量の批判的なコメントが寄せられることです。情報発信者が、何気なく発した一言が、その表現の一部を切り取られ、思わぬ非難にさらされることがあります。炎上するのは、何も有名人だけではありません。一般人の場合もあるからです。炎上に加担する人たちは、自分とは直接関わりのない人でも一方的に攻撃をします。たいていの場合、炎上に加担してる人は、ごく一部の人々です。そのため、殆どの人は関わっていません。厄介なことに、炎上の加害者は、自分は間違っていないと思っているとされています。殆どは、炎上に便乗して叩く、一過性の加害者にすぎません。長期的に粘着する人はごく一部だとされています。

 【拡散の過程】 

 YouTubeなどの動画投稿サイトでは、人体に害を及ぼす「危険」な行為、他人に「迷惑」がかかる行為、食べ物を「粗末」にするなどの行為で炎上します。Xでは、バイトテロの動画や写真が炎上しました。SNSでは、リィツイートなどの機能を使って、簡単に拡散されてしまいます。拡散されやすいのは、人々の注目を集める過激な内容です。それらを一部のネットユーザーが、まとめサイトに載せたりします。それが、世間一般の人々にも認知されるようになるのは、 大手ニュースサイトが取り上げ、さらにマスメディアまでもが報道するからです。

 【炎上の被害者と加害者】

 炎上の被害は、ネット上の誹謗中傷だけにとどまりません。中には、被害者の個人情報を特定して、ネット上に公開しようとする人もいるからです。例えば、住所が特定された場合、ネット上に晒されたり、嫌がらせでいろんな物が送られてきたりします。さらに悪質なのが電凸をする人たちです。彼らは、相手方の自宅や勤務先などに電話をかけたりします。たいていの場合、価値観の違いや不寛容さが、炎上の原因です。また、誤解や偏見から、攻撃すべきじゃない相手を攻撃している場合もあります。スマホ、SNSの普及によって、炎上の件数は増加しました。一度、インターネット上に公開したものは、全世界に発信されてしまいます。そのため、誰の目に入るか分かりません。しかも、デジタルタゥーとして、デジタル空間に残り続けてしまいます。

 炎上の加害者も、一種の正義感から、被害者を攻撃しているのかもしれません。その目的は、被害者を孤立させることです。そのため、被害者の擁護者たちをも叩き始めます。なぜなら、擁護者たちの言論を封じたいからです。あまりに過剰な攻撃は、名誉毀損や侮辱罪に問われ、場合によっては、逮捕、書類送検される可能性もあります。

 【炎上商法】 

 しかし、故意に炎上を起こす人たちもいます。例えば、YouTubeで行われる再生数稼ぎの炎上商法などです。YouTubeでは、収益化されているチャンネルであれば、再生数によって、広告収入が得られる仕組みになっています。広告収益は、YouTube側が、コミュニティガイドラインに違反していると判断しないかぎり停止されません。そのため、わざと炎上させて、再生数を稼ごうとする人が出てきます。批判的なコメントや、反論動画なども宣伝になってしまうので、むしろ逆効果です。