独白

全くの独白

持久戦か短期決戦か

2021-03-16 00:43:14 | 日記

5~6日前のある日、我が北陸三県で新型ウィールス感染者が揃って0であったのに対して、東京では300を超えていた。それを見て両者の傾向が異質であるような気がした。このウィールスに関しては、二つの地域が異国同士ででもあるかのように思われたのである。北海道などでも、近頃は二桁の日が多い。この日も65であった。この日は4都県だけが律儀に三桁を守り、中でも東京は340であった。4都県の外では、0の日が漸増しつつあって「収束」が視野に入って来て居るのに、4都県内では皆無で、同じような数が見られ続けていて収束の気配が感じられない。異次元のような感さえある。

緊急事態宣言の解除が口の端に掛かった途端に先走って、首都圏では人出が増しつつあるように見える。尤もな事で、誰もが「解除までこの横ばいは続くのではないか。だとすればピーク時から或程度下がって今位の数字になってから今までの日々の辛抱は無駄だったことになるな。更に解除後ももし横ばいで進むとすれば、そもそもこの宣言自体無用のもので、上がったのも季節的要因などによってであり、宣しなくても自然にこの程度までは回復していたんじゃないだろうか」と云う様な気分になって居たとしても、責める事は出来ない。誰もが疲れているのである。打開のためには思い切った事をする必要がある。

いっそ4都県とその他の府県とを、違う国と見做せば良いかも知れない。ロックダウンである。代償として、圏内での規制は緩いものとする。その間に有効な削減法を考えるのである。尤も法的にわが国ではできないらしい。併し非常時である。時限立法でも特例法制定でも何でもするが良かろう。具体的には、4都県とその他の府県との行き来を、バリケードでも何でも使って完全に止める。トラックの荷物は、拠点を設けて積み替える。商売であろうと無かろうと連絡は、ITで済ます。外国から来た人は、羽田か成田か東京湾に入ってもらって、4都県から出さない。他の府県とのやり取りは、無論テレワークで済ましてもらう。オリンピックでは、要人でも何でも、札幌でのマラソン見物は、遠慮して貰う。

併し走者は札幌に行く必要がある。又親子の今生での別れ迄をも、遮る訳にも行くまい。又、トラックの荷は積み替えられても、電車や飛行機の荷は、そう簡単には行くまい。詰まり完璧なロックダウンは不可能であるが、指向すれば結果は随分違って来よう。この渾沌とした現実界を、論理で完璧に把握して万事を解決する事は出来ない。併し何事に於いても、良く解決しようと欲するならば、良く捕捉し、良く記述し、良く分析する事が必要である。総てを一緒くたにして考えていても、埒はあかない。区分や分別は、何に於いても、有効な手立と為り得る。

4都県だけが閉じ込められるのでは無い。他の府県も又閉じ込められるのである。4都県の人は、大雪山にも屋久島にも行けなくなる。しかし私などの方でも、ディズニーランドにも横浜の中華街にも行けなくなるのである。身内に遭えなくなる辛さも互いのものである。

日本を枠で囲って、水を張ってみる。東京に墨を垂らすと、全国に広がって、混ざり合う。止まる者も在り漂泊する者も在って、秩序は皆無である。濃い所が薄くなっても、墨は補給され続け又濃くなる。薄いものが濃いものの領分に流れ込み、濃いものは薄いものの領分に入り込んで、混ざり合いは際限が無い。次に4都県をも枠で囲う。東京に墨を垂らしても外には出ない。ところが生憎枠には穴があり、幾分流れ出る。併し他府県の墨は薄く、雨が降ったりしているうちに、軈て水は澄む。4都県の墨は最初は濃いが墨壺に栓が施され、幾度かの雨などを経て、遅れて澄んで行く。勿論自然に任せて、長引いても時間而已による解決を俟つ遣り方もあるが、官民ともにそれは望んでいない様に見える。それならば・・・・と云う話である。

ワクチンは私も打って戴く心算では居るが、承認が早過ぎて、今一つ信じ切れない処がある。併し私は、高齢で糖尿病である。感染した時の危険と副反応の危険とを天秤に掛けると、矢張り打つしか在るまい。同様に流行っている所では、軽重にかかわらず感染したりさせたりする危険と、副反応の危険とを天秤にかけてみれば、打った方が好かろう。

4都県に限らず、流行る処はロックダウンして、優先してワクチンを注ぎ込み、打ち捲れば良い。そうすれば集団免疫の獲得が予見されるので、圏内での規制は、緩くする事が出来よう。ワクチンが我が国に無料で入る事は無かろう。つまり高かろうと安かろうと、血税が使われるのである。費用対効果を重々検討してから使って戴きたいものである。

又税と云うものは必要性の、より高い処で使われる方が畢竟は、帯びる公平性も高くなるもののように思われる。地震でも台風でも、被災地に集中する事に、苦情を唱える者は普通在るまい。