ケーブル社会

灯りとぬくもりを
絶え間なく運ぶ電線も
喜び悲しみ怒りが
行きかう通信ケーブルも
中を忙しく走り回る

焚火で灯りとぬくもりを
分け合った仲間
膝を突き合わせて
親密に語り合った仲間
意見が違い
怒鳴り合った仲間

今
画面に出ている文字を眺め
静かにメールのやりとり
喜びか不安か無関心か
肌で感じられず
感動が薄れて
心が宙に浮く

先の見えない道

目の前を黒く塗りつぶされて
立っているバランスさえも
崩されて
這ってでも
歩かなければ進まない
手探りで確認し
障害物はガードレール
当たりながら一歩一歩進め

恐れず積極的に
歩け歩け
進め進め
いずれ明かりが見えてくる

自由と妥協

　　　　　スズメの群れ

のびのびと
誰からも束縛されず
人の心を傷つけず
食うに困らず
心配事もなく
安らかな日々を過ごせたら
自由を求めることもなく
自由という言葉が
無用になったとき
はじめて
自由が得られる

たとえ自由を勝ち取っても
必ず不満分子が現れる
なぜなら人は
勝手気ままなものだから
満足は一時のこと
ひとと自分が
共に自由になるには
ひとに自由を与え
和をもって接し
妥協するしかない

自由と妥協は
自分自身の心の戦い
今を有意義に
楽しく過ごせ

凛として美しく

雪が降る
吹雪にもなる
与えられた
厳冬の世界で
最善をつくし
凛として美しく
格好よく生きれ
この世で
良い事ずくめはない
悪い事ばかりでもない
夏は涼しく過ごしやすい
今は気合を入れて
じっと待て

超人のルール

　　　るざわ言るざか聞るざ見

俺は鉄砲を持っているが
お前は鉄砲を持っちゃいかん
ルール違反だ
素手で戦え
核兵器　ミサイルを持つなど
もってのほかだ
俺は持っていいのだ

超人のやること言うこと
おかしいと思っても
見るな
聞くな
口出しするな

凡人には分からないルールだが
世の中は超人に従っている